[忌避するものを覚られている事には気づかぬまま。
そっと引かれる手に、内心安堵しつつ、お茶を淹れていく]
え?
そうですけど……ああ、そういえば、名乗ってませんでしたっけ。
[名を問う声>>3076に、上がるのはどこか惚けた声。
ユーリ、という名は、神魔に与えられた二つの名に共通する部分。
どちらにも転ばぬ普段の在り方には都合がいいから、とそう名乗っていた]
楽士は名よりも音を残すのが仕事ですから。
名乗らないままの事が多いんですよね。
[などと軽い口調で言いながら、人数分のお茶を淹れて順に配り、自身もテーブルにつく。
お茶の香りにもう少し気を鎮めつつ巡らせるのは、先に浮かんだ悪戯をどうするか。
……最初にそこに意識が向いたのは、不意に触れられた意趣返しではない、はず。多分。*]