─竜郷・螢火の丘─
……とりあえず、一段落、か。
[久しぶりに訪れた竜郷。
機鋼の砦──機竜王の領域に、セレスを送り届けた後。
ふと足を運んだのは、薄闇に螢火の漂うこの場所、影竜王の領域である螢火の丘。
静寂に包まれたこの場所は、昔から考え事をするのに向いていて。
一人になりたい時は、よく訪れていた]
セレスは機竜卿のとこに戻って……これにて御役御免、か。
[セレスの自立は望む所ではあるけれど。
奇妙な寂しさがつきまとうのは、ずっと見守っていた仔が手を離れたが故か、それとも他に理由があるのか]
……終わり……なん、だよな。これで。
[ぽつり。言い聞かせるような呟きが、無限鎖へ落ちて、消えて]