[語られる事情>>3225は、感じとった気配からある程度予測していた事。
故に、最初に零れ落ちたのは、大きなため息、ひとつ]
……まったく……あの御仁は。
[言っても詮無い、と思いながらも天を仰いで吐き出すのはそんな言葉。
それから改めて、視線をアミルへ向けて]
……取りあえず、そのまま立っていられると、やり難いんで、座ってください。
[言いながら、髪を束ねる白のリボンを引いて、解く。
それは、治癒の力を用いる時のいつもの事。
治癒の力は、普段は抑えている神魔としてのそれによる。
その抑えが髪を束ね抑える、という形で為されていると知るのは、彼の蝶くらいのものだろうが。
髪を解くに神を解くを掛けた呪い──解く事で普段は誤魔化している部分も解かれるのだが。
いつもはさらりとすませてすぐに閉ざすから、あまり気にしてはいなかった]