[視線の先を通しても、手が払われることはなかった。困惑のいろを浮かべたまま、けれど為すがままのその頭に掌を置く。苦笑と共に軽く頭を撫でて]……いいのかい。[ひとつ、問うかたちで言葉を落とす。じり、と僅かに距離を詰め。苦笑を浮かべながらも水宝玉に宿るのは真剣ないろ]言ってしまって、いいのかい。[踏み込まれることを望まないと思っていたから封じていた言葉。解放する鍵は勝手に眼前のひとに預けていた][開くか、否か。止めることはまだ、可能だ]