[光裂いた闇の刃は、その繰り手へと迫り。
護りの陣を切り裂き、その先へと食らいつく。
その舞を制する神魔は動く事無く。
刃が最後の一閃を繰り出し、空へと駆け上がって消え失せるのと同時、は、と一つ息を吐いた。
直後、はら、と零れ落ちたのは括っていたはずの髪。
それと気づくと、先ほどまでとは違う笑みが浮かんだ]
……彼の赤と青たちとは違う、けれど、確たる光……か。
[零す声には、愉しげないろ。
力という点において、己が見立てに間違いはなかった、と。
言葉にはせずとも、そんな思いが、過ぎる]
けれど。
……我が影を打ち消すには、まだ僅かに足りぬ、な。