[辛うじて意識の完全な落下には至らず、動けずとも聴覚だけは生きている]
[近付く気配と愉しげな声音>>3984を確かに捉えて]
(……あんた、一体……)
[口は僅かに動けど声にはならず、癒しの力 >3985が掛かるのに僅か、体が震えた]
[何かを秘めたかのような楽士の声音、それは、それまでの物とは違う気配を醸して]
[僅か、離れる気配にその姿を視界に捉えようと、伏せた身を起こそうとして
それは叶わず仰向けに転がった]
……悪い……ありがとう……
[何とか零した声は治癒に対する物]
[楽士に向けた視線、視界は未だ霞んだまま、確かな姿を捉える事はできずに]
やっぱ、あんたの事、よくわからねーや………
[小さな声には力は戻らず、それでも笑おうとして痛みに顔を顰めた]