─ お茶会 ─
[>>3892己に仕掛けられた悪戯に抗うどころか気付きすらしなかったのは、自分に対しての警戒心の無さもある。
だが、それだけではなく。穏やかに過ぎるこの時間が、とても居心地の良いものだったから。
緩く解けた気は、>>3893楽士からの申出に元来の仕事のものに戻り始めた]
いえ、ここからはそう遠くありませんから大丈夫ですよ。
お気遣いだけ頂きます…お願い、ですか?
[届け先を部外者に知らせる事は出来ないから、気遣いに感謝だけして申し出は断った後、言われた『お願い』にぱちり瞬いた。
『郵便屋』は預かった品を配達するのが仕事だ。
こちらの都合で仕事を選り好みなどしない───というのは、半分正しい。
個人個人、元締めから任せられた担当に沿う内容のみを承る事になっている。
それが何か知らずとも、担当に反したモノを預かる事自体を否と言う様に出来ていて。
だから。
楽士からの頼みに返す答えは、常ならばこうだったはずだ。
「ごめんなさい、"それ"は僕の管轄外なので受けられないんです」と。
けれど、無意識に編み込まれた呪は己の理に目隠しを施して]