[路地裏には、ブリジットどころか人の一人も居なかった。]……ブリジット、何処に居る。つまらない冗談のつもりなら今すぐ出て来い。[ミハエルは、焦りを押し殺しながら言った。ただ、苛立ちだけは酷く現れていた。 返事は無い。]……。[ミハエルは屈み込んだ。微かに、足跡のように影輝の気配が残っていたが、それもすぐ風に消えた。]