[抉り取った紅は、手の中未だ、僅かな鼓動を響かせる。それも遠くなく、途絶えるだろう。その前にそれを『喰らう』のが──『人喰らい』が、『鬼』の『役回り』。それを必然と割り切りをつけた青年に、そうする事を躊躇う理由はない、けれど]……どーする?[紅を手にして、視線を流すは仲間たちの方。受け入れるを躊躇うようなら、己のみで喰らう、という意思。それが、短い問いに込められていた。**]