───…はい。
[寝台に入っても、眠りに落ちることはなかった。
唯一緩めていた襟元を正し、聞こえたコエ>>*11に返すと身を起こし。
呼びかけてきた仲間が足を階下に向けようとするのに内心首を傾げながら付いていって]
それは?
[手折られた一輪の紅を指して問いかけながら、脳裏に展望室から見た煌々とした紅が重なる。
それもすぐ青年の返答を聞くことで思考から散らせて]
…解りました。
「今」はあなたにお任せします。
[青年からの申出>>*12は、恐らく反論を受け入れられぬ響きが含んでいたけれど。
それを受け入れる事で心が甘えを覚え揺らぎ戻ってしまいそうに思えたから、今を強調するように返し。
訪れた書斎、自分達を迎え入れた主人と青年のやり取りには、口を挟むことなく]