[はじめ、アレクセイ>>*20から呼び捨てで呼ばれたことに瞬いたが、幾らかしてその意味をある程度察した。]それなら、いいけど……。ううん、そうね。 アレクセイ。[口許を血に染めながら苦笑浮かべた彼に、「紅い月」を伝えられたその時が思い出されて。飲まれていたら――そんな怖れは確かに胸の内過れども。けれども、『鬼』に成り切れない自分をも「仲間」だ、と伝えてくれているようにも感じられて。だからこの時は、彼の言葉を信じると示すように、なんとか小さく笑った。]