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― 酒宴の少し前・広間→個室D ―
[酒の話をしたり、ピアノの音に回想に耽ったりした後。
実家と別荘への伝言を頼んだ自衛団員が広間に顔を見せた]
執事からの届け物?
ありがとう、じゃあ悪いけど、部屋に運んでもらえるかな?
[そんな重いものを貴族が自分で運ぶ訳がなく、にこやかに自衛団員に指示を出す。
自衛団員が運ぶのを渋っても、「運んでくれるよね?」ととってもいい笑顔で有無を言わせず運ばせた。
伝言については、父宛のものも含めて全て執事に伝えたとのこと。
実家へは馬車を飛ばしても2〜3日は掛かる距離なので、まあ仕方ないだろう。
執事から届いた荷物を、部屋に一度戻って確認する。
荷物の半分近くは、頼んでいた人狼騒動に関する資料だったが、ざっと捲ってみたカンジでは、あまり詳細なものはないようだった]
[あの日。
老神父が人狼を見つけたのは、偶然だったのか、それとも]
[彼の手に、そういえば何か握られていた気もする。
別人のように見えたのは、いつもより高く見えた身長、その所為もあったけれど。
何より月明かりを背景にして見えた表情。
いつか修道士を宥めた時の優しいものとは、かけ離れていた]
……まあ、これだけの時間じゃこの程度か。仕方ないね。
父上のトコにならあっただろうけど。
[生まれる女児は必ず朱か蒼の花を持つという特殊な家柄。過去に騒動に巻き込まれた事は幾度もあるらしい。
調べる気があれば実家の書庫にその手の資料は揃っていたのだろうが、いままではそんな気が起きなかった。
自分が生まれる以前に、異母兄と父の従妹であった先妻とが亡くなったのも、騒動に巻き込まれたからだったと聞くので、あまり係わり合いになりたくなかったのだ]
で。他の荷物は?
[『当初の想定より長引きそうなので』という執事のメモが添えられたほかの荷物は、主に着替えと酒などの嗜好品。
自分宛ではなく、ユーディット宛のメモもあったようなので、それは後で彼に渡すことにする]
………で。何、これ?
間違えて紛れ込んだ、なんてわけはないよねぇ。
[替えの衣類の中に紛れ込んでいた、亡き母のドレスに少し驚き。続いて苦笑を零した。
執事は、彼女のほんとうの性別と、胸にもつ印の意味を知る数少ない一人だ。印を他者に見せる必要があるならば、これを着て下さい…という意味なのだろうが]
………今更、女の格好に戻れって言われてもね。
っ、……
[息を呑む音は伝わっただろうか]
……仕方ない……
にーちゃん、怖くない、の……?
[そう小さく尋ねたきり、一度気配は途切れ]
―二階 部屋J―
……んう。
[部屋を確保した後、気がついたら眠りに落ちていたらしい。
ごしごしと擦るベアトリーチェの目の縁には赤い跡]
……?
[その頃にはもう、夢現に聴いた音は止んでいただろうか。
扉を開け、顔を出し、きょろきょろと見渡して、
物置の前の人影に目を止めた]
─ 個室B ─
…やめやめ。
おじいちゃんの杞憂に決まってるわ。
[落ち込む思考を散らし、飛ばすように頭を振った。
何事もなければ、犯人が捕まればすぐに帰されるはずだ。
少なくとも、ここに集められた中に神父を害した犯人───人狼、など。]
いるわけ、ないわよ。
[幸せを願う親友の娘も、幼い頃慕った親友の兄も。
弟妹のように思える彼ら、彼女らも。
人狼であるわけがないだろうと、そう思うも自衛団長の決断は覆らないだろうとも、先のやり取りで察し。
苦い思いに眉を顰めた。]
─ 1階 個室B ─
…はぁ。
[ここに来てから何度目か解らない溜息をついて、苛立ちに髪を掻きあげる。
広間にいた面々が酒を飲むという話をしていたのを思い出し、それに混ぜてもらおうか、と天井を見上げた。
職人の家に生まれ育った上、物心ついた頃には既に男所帯だったからか自分の飲みっぷりは男のそれに近い。
色気の無い飲み方だと称したのはどこの誰だったか。]
…やめとこ。
[少し考えて、際限なく飲んでしまいそうな自分に気付いて目をふせ。
後まわしにしようと思っていた荷解きを済ませようと、鞄に手をかけた。**]
― 回想 ―
[生まれた頃から、男物の服しか着ることを許されなく。5歳頃までは、自分の事を男の子だと思っていた。
その後、自分が本当は女の子だと知って、病床の母に理由を尋ねたが。
母は本当の理由を知らなかったのか、知っていて黙っていたのか、『父が男の子を望んでいた為』という表向きの理由を聞かされた。
自分が生まれる前に亡くなった異母兄の存在も、そのときに知った。
それからしばらくして、幼馴染のユーディットに胸の青痣を見られると同時に、自分が本当は女の子だと知られた時。
男の格好をしていても自分が本当は男の子じゃない悔しさと、自分が女の子として生まれた事を父が望んでいなかった寂しさから、八つ当たりした覚えがある。
たしか「男の子に生まれて、男の子の格好してるユーくんには、ボクの気持ちなんてわからない」などと怒鳴って、その場から逃げたのだったか。
その後。母が亡くなった数年後に、父から本当の理由を聞かされた。
父が女の子を望んでいなかった訳ではなく。己の身を案じていたからこそ、男として育てたのだと知って。
女として生まれた自分が、父に愛されていない訳ではなかったの事に、安堵したのだった]
─ 二階 物置 ─
そう、か。
ここにこれがある事、知ってる人の方が少ない……か。
[自分は、労働奉仕の一環で集会場の掃除をする事もあったから、覚えていたけれど。
そうでなければ、ピアノがある事自体、知られてはいないだろう、と納得して。
細めた目に乗る訝るいろ>>213に、僅かに眉を寄せた]
いや……それは。
[どう答えればいいのか。
声には僅かに、困惑が乗る]
……別に、調子が悪いわけじゃない。
ただ……たまに、妙な息苦しさ、感じるだけで。
/*
ちなみに、呼吸の方にいろいろと出しているのは。
やりたい朱花の描写に即しているから、というのがあるんだけど。
頭痛ネタやるの飽きた。
というのも、ある(
― 現在・個室D ―
…………うわ。ぴったりだし。
[何だかんだ言いつつも、ためしに鏡の前に立って、母のドレスを身体に当ててみる。
そういえば、顔は厳ついが小柄な父(自分より20センチ近く背が低い)とは対照的に、母は結構背が高かった覚えがある。ついでに胸のサイズも問題なさそうだった]
………ていうことは、母上に抱っこされてた時のあの感触って、もしかしてパット………
[母は豊満とは言わないまでも、自分ほど胸が小さくなかったと思ってたので、ある意味でショックだった。
自分の胸が小さいのは遺伝かもしれない。とすると、一生このサイズのままか……と]
……………あれ?
そういえば、ユーちゃんが女の子の服着るようになったのって、あの頃からだっけ……
[昔の事を思い出していると。
普段はあまり意識していなかったことまで思い出して、あれー?頬を掻く。
もしかして、子供の頃の八つ当たりが、幼馴染の人生狂わせたんだろうか、などと今更気付いた事に視線を彷徨わせた]
― 個室→広間 ―
[個室にユーディットが一緒に来ていたなら、衣類の整理を頼んだりしていただろう。
もしかしたら、パット云々とか、幼馴染の格好についての呟きとかも聞かれてたかもしれないが]
さて、じゃあ飲みましょうか。
[色々と思い出した事や、大きくなる見込みの無い胸についての事など、全て酒で流してしまおう、と。
クレメンスやエーリッヒなどと一緒に酒を飲むことに。
あ、つまみは勿論美味しく*いただきます*]
― 台所→一階階段前 ―
いいけどね。
自業自得な酔っ払いには薬やんないから。
そこんとこよろしく。
[スープで身体を温め、酒宴の流れになると空いた皿を持って席を立った。他にも頼まれれば約束だからと快く引き受ける。
自分ほどではなくとも酒に強くないエーリッヒの参加表明>>187には呆れ顔で釘を刺しておいた。
途中でツマミを作るクレメンスとは一緒になる時間もあっただろうか。どこかぼんやりと洗い物をしたので、誰が来たかもよく分かっていなかった]
良い酒なら酔い難いとは聞いたけど。
ここで酔うわけにはいかないよなあ。
成功しても戯言と片付けられたら困るし。
[棚に皿を仕舞いながら嘆息する。
片付け終えた後は浴室の方に向かうつもりで、少しだけ羨ましそうな顔をしながら広間を通り抜けた]
/*
ウェンデルまだ発言ないのか。
……まさかまた?
心配するより先に嫌な予感が浮かぶようになってしまったのは、なんとも困ったものです。
でもって占い先どうしよう。
超安全策はCOしてるミハエルですがw これは万一の時の保険にさせて欲しいし。
ウェンデル占っておいて黒だったら積極的キリング。白だったら保険使わせてもらっとく、のはありかな。
─ 広間 ─
[他の者達の荷物が続々と運ばれる中、クレメンスの荷物は一向に届く様子が無かった]
あんにゃろ…何してやがんだ。
[今のところ酒があるためそれ以上機嫌が悪くなることは無いが、煙草はやはり必需品である。
届かぬ荷物に愚痴を零した時、何かの報告を受けた自衛団長が玄関の方へと動くのが見えた]
─ →玄関 ─
よぉ、何かあったのか?
[その後を追って自衛団長へ声をかける。
団長に対する怒りが収まったわけではないが、話をするくらいの理性は戻っていた]
……天気が荒れ始めたから団員を村の方に戻す?
うげ、また荒れんのかよ…。
あいつら大丈夫かね…。
[耳を外に傾けると、風の音が今までより大きい。
それを聞いて心配するのは孤児院の子供達のこと。
ミハエルのところからも人員が派遣されているとは知らなかったため、どうにも不安が残った]
団長、誰か1人孤児院に割いてくれねーか。
今フリーダ婆しか世話出来る奴いねーんだ。
[ダメ元で頼んでみると、思ったよりすんなりと受け入れられ、伝達を聞いた自衛団員が走って行った。
恩に着る、と短く礼を言うと、団長は広間へと戻って行った]
んじゃ俺も戻って…って。
これもしかしなくても俺の鞄か?
[ふと、玄関の隅に鞄が2つ転がっているのが目に留まる。
良く見ればクレメンスが愛用する、大きめの鞄が転がっていた]
んだよ、持って来たなら中まで運べっての。
………あ?
[愚痴を言いながら鞄を拾い上げると、手紙が1枚、ひらりと床に落ちた。
拾い上げ、自分宛のそれをその場で開く。
中を読んだ後、蟀谷がヒクリと蠢いた]
……あんにゃろ、後でぶん殴る。
[その手紙は孤児院の子供の1人が書いたもの。
どうやら自衛団員の伝達で自分がここに居ることが知れてしまったようだった。
自衛団員には召集をかけに来た時に、子供達に伝えたらフルボッコと脅しをかけてある。
荷物が玄関に転がされていたのも、それを恐れて逃げたためなのだろう。
改めて殴る決意を固めながら、クレメンスは荷物を持って広間へと戻って行った]
─ 二階 物置 ─
え?
[投げかけられた問い>>218に、天鵞絨を瞬かせる。
何故、今更そんな事を聞くのか、と、そんな思いは表情に出たか]
それは……勿論。
[返すのは、頷きによる肯定。
音色紡ぐ事と歌う事、それは数少ない、実の両親との繋がりだから、とは。誰にも話した事はないのだが]
あ、いや、待て!
本当に、身体の方はなんでもないから!
[体調の事についての答え、それによる表情の変化に過ぎったのは嫌な予感。
直後、それは肯定されて。
身を翻そうとするブリジットを引き止めるべく、その手に向けて手を伸ばしていた。
そんな状態なので、少女の存在>>211には全く気づく余裕もないのだが]
― 広間・酒のみタイム ―
[エーリッヒやクレメンスと酒を酌み交わしながら。
時々見せるエーリッヒの挙動不審に、もしかしてボクの性別気付かれてるんだろうかと]
エーリッヒさんって、時々ボクに妙な事言いますよね。
ボク、何かしました?
[などと、グラスに注いだブランデーを片手に聞いてみたりするかも*しれない*]
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