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くっ…
[胸を苦しそうに押さえてから、歯軋り、押さえつけるように手を強く握り]
先に広間にいっててくれ、お茶の用意をする。
[その場の雰囲気には似つかわしくはない提案]
断るとは…もちろんいわないよな?
お、はなし…?
……うん。聞きたい。
[返す言葉は酷く静か。
或いは普段と変わらぬ口ぶりは、甘えるようですら有り。
翠玉は、緩やかに瞬いた]
調理師 ゲルダが「時間を進める」を選択しました。
……分かった。
[構えた左手は下ろさぬまま。
ゲルダを振り返り、頷いて広間へ向かおうと。
その間も動きの鈍さはどうしようもなく。
内心舌打ちをする]
…あ。
[ゼルギウスさんがいた。なんだか凹んでる…。無理もないか。]
[ぱたぱた、と私は彼に近寄ると、隣に腰を下ろした。]
[二人の返答を聞けば厨房で用意をし、
厨房を去る途中ゼルギウスとウェンデルの死体に]
悪い、また後でな。
[そういい残して広間へと向かった、
二人の前にミルクティーの入ったカップを置き、
自分の分を手にして一口すすり]
15年ぶりに村にきた目的、果たさないままにここまできちまったな。
[ゲルダに向ける表情はいつもと変わらぬ従兄弟であり妹のように思っている相手を気遣うやさしいもの]
[冷めた、というよりは怖い目でマテウスらを見ている。]
あいつの考えなぞ知る由もないが。
…何を望んでいるか、だろうな。
[目的の為に今の状況を作り上げたとしか思えず。]
…………。
[現世の様子。
しばし、見つめた後。
嘆息]
……最後の要素。
何を、求める。
残る術は、喰らいつくすか、己を滅するかの何れかであろうに……。
[聞こえてくる声に真紅を僅かに覗かせた]
[遠く見つめるは先程自分を貫いた男]
『──……』
[名を紡ごうとして声にはならず]
[たゆたいながら見つめ続けた]
[――死者の世界。
其処に、神を信じた青年はいなかった。
代わりに居たのは一人の子供。
神の『素晴らしさ』も『真実』も、未だ、知らない頃の]
[左手には刃を握ったまま。
右手は傷のせいもあって力が入らない。
だから、その紅茶を受け取ることは出来なかった。
ただの拒絶とは違う何かを浮かべ。
マテウスの話を黙って聞いている]
うーん。ひょっとしたらゲルダとマテウス兄貴が手に手を取って村を逃げて、二人であちこちの村を滅ぼしたりするようになるのかな。
嫌だなあ。そんなゲルダの姿は見たくないなあ。
エーリッヒにも生きていてほしいな。
[ライヒアルトと同じく、ため息を吐く]
兄さんのお茶、好き。
[ぽつり、呟き。
エーリッヒに促されるまま広間へと]
…。
[マテウスの入れたミルクティーのカップを受け取り、掌で包む。
対面に座るその人を見詰めたのは、案外に揺らぎない翠玉の眼差し]
[少年は茫とした表情で、辺りを見る。
周囲を、薄い青の光が舞った。
ぱちくり。
瞬いて、見つめる。
子供は、それを知らない。]
『──ばぁか』
[悪いと言うマテウスに、いつかのように微かな言葉を向けた]
[裏切ったのは自分なのだから、お前が謝ることは無いと言うように]
[頬を伝ったものはそのままに]
[傍へと座った気配に視線を向ける]
……ベアタ──。
[名は紡げど、それ以上は言葉にならず]
[真紅が再び瞼に隠れる]
[手に掛けたのは自分なのだ]
[他に掛ける言葉なんてあるだろうか]
俺がこの村をでていった理由について。
[さらに一口ミルクティーをすすり]
ずっと昔からな、時折、人を殺したい、壊したいって願望が俺の中にはあった。
小さいうちは、時折そう思うことになんの疑問もわかなかった。その思いも小さかった。
だけどな、だんだん年をとるに従いその思いは強くなる一方だった。
俺はいつか自分が抑えられなくなるのが怖かった。
誰に相談するわけにもいかなかったしな。
俺は黙って村をでることにした、15年前の時だ。
傭兵の職業は俺にとっての天職だった、人を殺すのに困らない。
時折発作的に、人を殺したくなる…。
人を殺すことが俺はたのしかった。
[生者の世界へと眼差しを移す。
知らない大人。
いや、知っている?
よくわからない。
だから、考えることを、止めた。]
ならマテウスが死ぬしかないな。
[さらりと言う。
人狼の死は当然のように願う事が出来た。
それは力得る者としての名残か。]
尤も、死んだらとりあえず殺すが。
[そこは譲らないらしい。]
[増えた気配に、暗き翠はそちらを見やる]
……ウェンデル……か?
[自身は知らぬ、子供の姿。
しかし、その周囲に舞う青の光は容易にそれと知らせ。
朱花、ではなく、その名を小さく紡いだ]
ねぇ、わたしなんであなたなんか好きになったのかな?
わたしのこと刺したし、ブラコンだし、わたしのこと女の子と見てないし、てゆうか弟さんの代わりだし、誰かに依存してないとすっごく凹むくらいメンタル弱くて女々しいし。
[追い打ちかけてみる、ちょっと楽しい。]
ねぇ、なんで…、それなのになんで膝を抱えるあなたがこんなにいとおしいの?
[ゆっくり、体重を預ける。]
…よ。
[子供が、小さなウェンデルなのはすぐに知れた。
ずっと昔に見てきた姿だから。]
頑張って、生きたな。
[ゆっくりと近づいてそっと撫でた。]
この村にはすべてを話すつもりできただけのつもりだった。
この村に来て…、抑えがたいほど、人を殺したくなった……。
衝動的に殺してしまったよ…、最初の犠牲者…。
[ミルクティーをさらに一口]
そこから先は、二人の知ってるとおりだ。
ここにきて殺したくないと、そう思えば苦痛が走る。
殺すことは逆に…、快感だった。これまでの何よりも。
[ぴたり。
彷徨っていた視線が、一点で止まる。
自身の名を呼んだ、黒衣の青年を見上げた]
だれ?
[警戒の篭った声。
けれどそれは恐怖からではなくて、少し人見知りな子供のもの]
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