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いやあ、高さ的に丁度よくてね。
ま、今の内だけだよ、頭撫でてもらえるのは。
[今の内に撫でられときなさい、と、と笑って言って。
後の言葉は聞き流しつつ、足元の黒猫を見やる]
どうした、ウィッシュ?
[問うた所で、猫からの返事は鳴き声のみなのだが]
[じいっと紙を見つめていたけれど、
厳めしい貌で道を歩んでいく男を、
きょとりして見上げる。
どうやらサーカスの方へ行くようなのに、
陽気な音楽にはちっとも似合わない。
相手のほうは少女を気にした風はなくて、
のしのしと歩いていくのを見送った。
[二人の話を静かに聴いていたが、興を引かれて口を開く]
おや、団長自らお相手をなさるのですか?
あまり美しい魂ではなさそうですよ……騒ぎ立てられて興行の邪魔をされるのは確かに不愉快ですが。
…もちろん、団長の指示には従わせていただきますがね。
[言い添えたのは、先日の出来事ゆえか]
ちょうどいいからって、置いてるようにしかみえませんけどー?
……はァ。もういいよ。ったく。
そんなに撫でられたいならしゃがめば撫でてあげるけど。
[ヴィンセントの言葉に、ゆったりと笑う]
お前がやりたいというなら、止めはしないぞ。
あの男、肉体はともかく、魂の力はなかなかに強い。
抜き取ってやれば、さぞかし眩しい輝きを放つだろう。
それは気のせい。
撫でられたくないから、そう思ってるんだよ、きっと。
[にこにこと笑いつつ、ぽふぽふ、と頭を撫でる。
その様子は、少年とのやり取りを楽しんでいる、と一見してわかるだろうか。
足元の黒猫は主と少年のやり取りをしばし見た後。
なぁ、と鳴いて、ととと、と歩き出す]
恐らくは、その輝きが、力ある者を惹き付ける。
ふふ、DOLL、彼が消えたなら、お前はせいぜい心配してみせるといい。
そして、サーカスに…我等の手の内に、力有る者をおびき寄せるのだ。
嗚呼、今日和。
昨日は有難うございました。
ええと、僕のことは「ラッセル」で良いですよ。・・・と、そういえば名乗ってませんでしたね。
[苦笑を浮かべる。]
そういえば、先程アーヴァインさんと話されてたみたいですけど。
何かありました?
あ、レベッカさん、
…おはようございます。痕、ついてますよ。
[寝不足ですか、とくすくすと小さく笑みを零して。
ひらりとメモを照らし合わせながら、
慣れた様子で、文房具の収まった机から鉛筆と消しゴムを、1ダースずつ。
ホチキスの芯も3ケースほど、レジカウンタへ置いて。]
最近冷え込んできてますから、風邪引いちゃいますよ?
あと、このお店に石鹸ってありますか?
[細いプリーツのロングスカート。
その裾をしゃらしゃらと揺らし、メインストリートを歩く女の姿。
となりの「空間」も相変わらずのようだが、いつもよりも、少しばかり女から離れて見えた]
シャーロット?
はぐれてしまいますよ?
[実態を持たない娘は、はぐれることなどないのだけれど]
ああ、ほら、レベッカさんの姿。
お隣の子は、どなただったかしら…。
[行く道にレベッカとニーナの姿を見つけて、
ほっそりとした手で指し示し――]
こんにちは、サーカスへお出かけ?
ラッセルさん、ですね。どうぞよろしく。
ええ、先程の方…アーヴァインさんとおっしゃるのですか?
自警団の方だそうですね。
ビラ配りが往来の邪魔だと、叱られてしまいました。
[笑って小さく肩をすくめる]
[流石に気づかれないはずもなくて、
広場の入り口傍まで来たところで、
急に振り返られてびっくりして、
隠れようとしたものだから、
ますます怪しまれてしまって。]
……、えっと。
[テディベアに隠れながらこまりがお。
子供相手に怒るような真似はしなかったけれど、
サーカスへ行きたいのかと聞かれて思わず頷くと、
(少女に券はもうないから無理だったのだけれど)
彼処へはひとりで行っては駄目だと注意を受けて、
ついつい、こくんと、頷いた。]
−雑貨屋・昼−
[生真面目な顔で差し出された甘い香りのゼリービーンズに、茶色のグラスの下で目を丸くする。
「おかえし」
その言葉が意味するところに気付き、男は柔らかな笑みを見せた]
ありがとうございます。では遠慮なく。
[小さな少女が自分のお小遣いからちゃんとお金を払って買った貴重な一粒を、大切に押し頂いて口に放り込む。
甘さと共に、マスカットの爽やかな香りが口内に広がった]
※注:ホチキス
昭和53年発行の資料に、ホッチキスは機関銃の発明者である
ベンジャミン・B・ホッチキス(1825−1885)によって
発明されたとあります。
この時代に、ホッチキスもうあるみたいです。
…ベンジャミンすげぇー!(・∀・)(違)
しかし機関銃とホチキス発明してるって、普通にスゲェ。
ちょっと昨日はあんまり眠れなかったのよねぇ。
[なれた手つきで袋に品物をつめつつ]
あ、あるわ、薬屋さんよりちょっぴり高いけれどね?
[棚の上の、良い香りのする石鹸を指差した]
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