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[呆然とした彼女の様子にしまったとは思ったが。
今更取り繕うことが出来よう筈も無い]
…ああ。しまった、な。
[小さく小さく、苦笑する。
金の髪の少女が気付いてしまわないように、小さく]
…ぉー。
[流石についていけなかった者が棚ぼた、という状況は避けられたようで…小さく声を漏らす]
…もうそろそろ…っと。
[投げ入れる姿を見るならば、人が魅入っている隙に良い場所を取りに行こうと、人の間をすり抜けていく]
ここまで来てっ……。
[にい、と浮かぶ、悪戯っ子の、笑み]
取られるかっての!
[花輪を抱え込むようにして、前方へと飛び込むように一回転。
ついた片手のみでバランスを取り、態勢を立て直す、という無茶を決めた後。
一気に走る。目指すゴールへと]
『もー、どーすんだろね、ほんとに』
[花輪を持って走る青年に、ネズミ、嘆息して。
それから、赤毛の騎士の方を見やって、目をくるり]
[我先に前へ進もうとする群衆の中で
その群衆の中の人をつか前ようトする動きは異質で
なかなか、思う様に腕が伸びなくて。
何度か指先がリディの髪を掠めるも
まさか髪を掴むわけにいかなくて。]
……っ!…・……・リディ!掴まれッ!!
…ちょっと…すいません…っと。
[するする、と人の間を通っていき…
歓声が聞こえた気がして、軽く振り返ると…ユリアンが走り出していた]
…ぁ。
[急がないと。
しかし、人々も移動しようとするのか、先ほどよりも進むスピードは遅く…]
[一瞬、騎士らしい男性と目があった気がした。…が、それ所ではなかった。
自分の浅はかさと共に『……あぁ、こりゃ流されるなー』とぼんやり、思考を巡らせた瞬間
聞き覚えのある声が聞こえて、反射的にそちらを振り向く。
視線の先には、先ほど荷物を預けたはずの青年が腕を伸ばしていて]
…っ、アーベルにぃ…!
[…あれ、何でいるんだろ?とか内心チラリと思いつつ
反射的に、差し出された腕へと手を伸ばして]
[蒼の風の気合を背後に捉えつつも、軽く視線を投げるのみで]
いよっ……っとお!
[掛け声。
次の瞬間、その身が高く、跳躍した]
せえのっ、と!
[ジャンプの頂点から、手にした花輪を源泉へと投げ込む。
ふわり舞う、白]
[器用に人を避けた鼠に見上げられ、やはり零れるのは苦笑]
我ながら、とんだ失態だ。
[それは鼠と少女と、双方に向けて飛ばした]
[元気だなぁと子供は思った。
なんというか……
少し考えて、子供はため息。
しかしそれもやっぱり、
人ごみに消えていった。
来年のお祭りの時は、これに巻き込まれないようにしよう。]
[彼が何者なのかは、判らない。しかし不用意に何かを告げてしまえば、ユリアンの不利になるかもしれない…少女の思考はすっかり空回りしてしまっていた]
『まあ、こんな状況じゃねぇ』
[騎士の言葉に、ネズミは呑気にこんな事をいい]
『ああ。このヒトはだいじょーぶ。
取りあえず、フェーンとは、敵対してないから』
[少女には、さらりとこう告げて]
…っ、とっ…!
[なんとか人混みを押し退け、源泉の近くの空間に出て…]
…
[息をのむ。
ちょうど、視界に入ったのはユリアンが花輪を投げた瞬間だった]
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