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…お前も。
二人とも、大丈夫か?
[見て、尋ね]
…今外に行く方が危険だ。
中にいた方がいい。
時を逃さずに出発すればいいんだからな。
………
[ジョエルとシャロンの遣り取りを見ると、溜息を一つ。
邪魔をしたくはないが、このままで本当に平気なのだろうかと]
[軌道は真っ直ぐに]
[其れが一瞬揺れ]
[ふっと掻き消える]
[標的を見失った闇は其れを探す間も無く]
[肉を断ち切る音]
[骨の叩き割られる音]
[成す術も無く崩れ落ちる]
[残るは数人]
[戦意喪失しつつ在る者も居るが]
[そうではない方が多いらしい]
……今帰れば無事に済むというのに、な。
[緋に柄が滑る]
[強く握り直して]
[闇を見据える]
…座って休んでいればどうだ。
星は異常を知らせていない。
クロゥディの言うことだから正しい。
嵐の終わりは近い。
[ナターシャにも、聞こえるように。]
何なら、占ってみるか?
[闇の潜む者に、紅の瞳を向ける]
残り……四、五人ってとこか。大人しく引く気は、ねぇ、と。
[今帰れば無事に、という言葉に、一つ、息を吐いて]
……全くだ。引き時は、大事だぜ、生き延びるためには、なっ!
[気合と共に、影へと走る。
低い構えから、横薙ぎの一閃。
大剣の長さを活かした一撃は、勢いは多少削がれるが、複数にを相手取るには都合がいい。
とはいえ]
……っと!
[振り切るまでの隙は大きく。それをついた横合いからの一撃は、僅か、腕をかすめ]
……っち!
[舌打ち一つ、強引に態勢を戻して。繰り出すのは、突きの一撃]
[扉の方へと向けていた視線を戻し。
シャロンとクローディアをじっと見つめる]
…お願い、できるなら。
[不安に揺れる心と、左手首を強く押さえ込んで]
判った。
[と、心配そうなクローディアを見て]
大丈夫だ、オレたちのことを調べるんじゃない。
もうあんなしっぺ返しはくらわない。
[言い訳にも程がある]
[しかしそう言って、広間の中に戻り。]
[カードを取り出して]
[大剣に裂かれる音は複数]
[残るは二人]
[金が一度目蓋の奥へと隠れ]
[其れはほんの一瞬]
[開いた時には地を蹴り]
[一本の樹の許へ]
[不意打ちせんと木の枝に立つ者に]
[枝の一本に手をかけ強引に体を持ち上げ]
[其の勢いをも乗せた突きを放つ]
[鈍い音と共に其の体は痙攣し]
[やがて力を失ってだらりと垂れる]
[――後は、一人]
嵐が、晴れるか。
外の音が終わったら、出発すると良いだろう。
オレたちも行くか。
…あぁ、これ、持って行くといい。
[先ほど取り分けた二人分の肉や干した魚をジョエルに]
[一人分のそれをナターシャに]
[カードを全部集めて、鞄にいれて。]
[後一人、それを察すれば。
受けた傷など、気にした様子もなく、銀を構え直し。
走る]
……想定外労働、終わらせてもらうっ!
[宣言と共に繰り出される、下段からの斜めの一閃。
それは、大気を断ち。
最後の影をも、断ち切る。
舞い散る真紅。
それは月光を美しく弾いて]
……お仕事、終了、ってな。
[低い呟きが、こぼれた]
[最後の一人が倒れるのに]
[深い息を吐き出してから]
[裂かれた左腕から流れた血は思ったより多かったのか]
[樹の根元]
[背を伝わせ座り込む]
[――暫くは動けそうに無いな]
[失血に霞む視界]
[苦く笑って]
[やがて出て来るだろう人々に]
[*どう言い訳するかと頭を悩ませた*]
嵐が、晴れる。
[その言葉を口の中で繰り返して]
ありがとうございます。
[差し出された袋を受け取って]
[深々と頭を下げた。最敬礼の形で]
さて、そろそろいくか。
…あのバカにも投げておくか
[一袋を持って]
[無残な姿になった人たちは見てしまい、]
[*屹度少し硬直するだろうが*]
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