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刺繍師 ゲルダは、交易商 ミリィ を能力(占う)の対象に選びました。
[ウェンデルとライヒアルトの会話で
そういえば朝食の為に家を出たのだと思い出したが
食べる気にはなれずアーベルにねだる事はしなかった。
ロミとゲルダを見比べて、また視線を落とす]
ロミは人狼じゃない。
[ぽつ、と呟く声はやはり小さなものだった]
……どういう了見も何も、聞いたのはお前だろうが。
[突っ込み返し>>251にも負けない。
自分としても、食べ物が無駄になるのは不本意極まるのだが、こればかりはどうにもできなかった]
はいはい、いいよ。
[ライヒがウェンデルに告げた言葉がこちらまで聞こえていたかはわからないが。
聞こえていたなら、自業自得だ、と心の内で思って。]
胃に優しいものなら、いくらでも作るよ。
[宿屋を出るヨハナを心配そうに見送りながら、
ゲルダが紡いだロミに関する言葉に、小さく息を吐いた。]
何をもめていらっしゃるの?
[ヨハナの傍に行こうとしたのだが、止めようもなく出て行ってしまったので。近くにいたライヒアルト達を見て首を傾げた]
…もシ、アナタを人狼、だと糾弾す、スル人が、いたら。
げ、ゲルダはチガウと、言ったから。
先にゲルダをこ、殺せ、と、い、言って。
[ロミに向けて添える声は、低い]
……に、しても。
[は、とひとつ息を吐く]
予定、狂いまくりだ……。
[玉泉へ行って、水での清めをするつもりでいたのに、思わぬ事態にそれは棚上げになってしまった。
前途多難だな、と思っていた所に聞こえた呟き>>255。
意識の大半は、ヨハナと、後はウェンデルとのやり取りに向いていたから、ゲルダたちの話はほとんど聞いていない。
だから、カルメンの呟きはだいぶ唐突に思えて]
……なんだよ、いきなり?
[緩く翠を瞬いて、こう問いかけていた]
わ。
私だ。
[私の疑問に応えてゲルダが広げて見せてくれた布>>247を見て、瞬く。
一緒に描かれた猫さんはポケットの中のハンカチの猫さんに似てると思った。
視える、というのがどういうことかは良く解らなかったけれど、ゲルダが私を人狼じゃないと判じた訳は理解できた。
離れていくノーラや傍にいるミリィを見ることなく、宿を出ていったヨハナに気付きもせず。
続く言葉を紡ぐゲルダ>>254を見つめて。]
ゲルダお姉さん。
私のこと、守ろうとしてくれたんだね。
ありがとう。
[一番最初に私を知ろうと決めた理由は、きっとそうなんだろうと思ってお礼を言った。]
あ、いや、大した事じゃないですよ。
[ノーラの問いかけ>>258に、軽く肩を竦める]
聞きたい事に答えたら、文句言われただけ?
[思いっきり大雑把な説明をした所に、更に突っ込み>>262が返ってきた]
なんか納得してなかったっぽいから、説明してやったんだろうが。
まったく。
俺だって、思い出したくなかったってーの。
…わ、たしが、ね、狙われるなら。
そ、そのときは…ほ、他に犠牲者が、いない、てこと。
し、死ぬ前に…
得た、情報、つ、ツゲラレなく、ちゃ、
…い、意味、ナイもの…
[ミリィから渡された髪の毛は大事そうに受け取った]
[ライヒアルトの声に驚いた風に目を瞠る]
――…あ。
[片方の手を己の口へと宛がい塞ぐ仕草]
な、……なんでもないの。
[うまく誤魔化す言葉が見つからず
詰まりながらの言葉に説得力があるか否かは言うまでもなく]
え、と。
ほら、……ゲルダも、言ってた、から。
[ひっかかりを覚えながら続けたのはそんな言葉]
─洗面所─
……うん。
早く、こんなこと終わらせて……ロミも、帰れるように、したいし。
[僕以上に怯えていた友達が、本当はお父さんの事を大好きな事も、僕は知っています。
食堂でなされた宣の事は知りませんが、僕は彼>>249に頷きを返しました]
……。
[しっかりしてる>>250なんて、滅多に言われない言葉です。
頭を撫でられていることもあって、照れくささを感じながら顔を上げると、そこにあったのはやっぱり笑顔でした]
[宿を出て惨劇の場所へと向かおうとして。
どうにも足はそちらへは向かず、何度か周囲を行き来して何故か広場へとたどり着いた。
広場のベンチに腰掛ける、血濡れの老婆の風体は異様だっただろう。時折感じる人の視線には、同情の色が強いように思った。
ぼんやりと、背中を丸めたまま座りつづけどれくらい経っただろうか。
影の形が変わる頃、ベンチから降りて向かったのは
夫が死んだ場所ではなく、自宅の方だった。]
うん。……お願いします。
[髪を掬う手は、いつもの母の手とは全然違います。
何となく背筋を伸ばして、改まった言葉遣いなどもしてみましたが。
いざ始まればそれが何となく心地よくて、僕は目を閉じていました]
─ 自宅 ─
[どうしても足が向かないのなら、もう一度荷造りをすればいい。
そんなつもりで、始めは扉をくぐったつもりだった。
そう始めは。
ほんの一日も離れていない我が家なのに、帰りつくと酷く懐かしい物に思えて目頭が熱くなった。
夫はもう帰らない。
そう思うと涙が止まらなくなって。
一人になると、長く咽び泣いた。
ああ宿を出て良かったと思う。
あそこではこんな風には泣けなかっただろうから。
涙が枯れて果てるまで、嗚咽を押し殺しながら泣き続けた。]
[ロミの言葉に、頭を横に振る]
…お、礼は…お、終わってから、でイイの。
私の、こ、ことは誰に、い、言っても良い。
だ、だから…し、死なない、デ。
[彼女を守る為に何が出来るだろう。
何も出来ないかもしれない。
ただ危険に晒すだけかもしれないと――すこし、眉を下げた]
[そうして暫く経った後。
のろのろと起き上がると、機織機のある部屋へと入っていった。
売り物にと織ってしまっておいた白い布を取り出し、ふたつに分ける。
一つの束は床に敷き。
もう一つの束は、端を繋げて紐のようにして。
片方を輪に。
棒と梯子を使って、もう片方を天井の方に通して、吊るした。
ぷらんと、真っ白な首吊り縄が出来上がる。]
……ごめんなさいね、あなた。
だけど私はこんなに年老いて……。
私より先に死ななければいけない人を、選ぶ事なんて出来ないわ。
あなたは私に、生きてほしかったのかもしれないけど…。
[誰かを殺す事も出来そうにないし、
誰かに殺されるのも忍びない。
そう思う人のなんと多いことかと、今日を振り返り思う。]
それに、あなた、寂しがり屋ですものね…。
[そう呟くと、テーブルの椅子の上にあがり。
銀の針の入った箱を胸に入れ、大事そうに触れながら。
天井から吊るした、手製の縄に首をかけ。
椅子から
飛び降りた。]
納得はさー、そりゃできねーよ。
だって、人狼は、人間を食わなきゃ生きてられねって生き物だろ。
[書物を読む己は、そう書いてあることを良く知る、と。
ライヒアルトに告げる言葉]
なのにその食いモンを無駄にすんのかってな。
思ったんだけど。
――まー、あいつらに言っても、無駄だろうなぁ。
[思い出す副団長の言葉に、苦いものが滲んだ]
[服の裾をにぎる、ロミの手に視線を向けて。
おずおずと、ひどく不器用に手を、重ねる。
逆の手は彼女の髪を撫でようとそっと伸ばして]
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