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少しでも救いになったのならば、よかったです。
[そう語る声の様子は偽りのないまっすぐなもの。
逸れる事の無い刃には気付いていなかったが]
どうぞ……、覚悟があるのならば、その刃を向けることは間違いではありません。
[やさしくクロエに諭すように、そう仕向けるかのように語り掛けた]
今ならばそれも、叶いやすいでしょう。
今の私につきはないようですから。
[そして、クロエの方に振り向き微笑みかける慈愛と悲哀に満ちたような様子で]
私も従うだけです。
ライヒ兄さんが、少しでも望むように喜ばせられたら嬉しいです……。
ああ、でも喜ぶとかそういうこととは別のところに……、
もし、私が死んだときには少しでも悲しんでもらえる……かな?
[クロエに問いかけるようで、自問自答のような言葉を紡ぎ、視線だけはクロエに向けたままでいた]
……。死にたくも死なせたくも、なかったよ。
[守り守られると約束をしたのだから]
それでも守りたかった。
それも、あなたは運命と言ってしまうの。
[ことりと床に音を響かせ、ナターリエへと歩み寄る。
悲しみを沈ませた漆黒に、憎悪の色は浮かべられぬまま]
― 2階/ナターリエの部屋 ―
[旅人は、何かの予感を感じたように、クロエの後をついて部屋に入り、その言葉を聞く。アーベルとミリィ、もしかするとカルメンもそこに現れていたかもしれないが]
ナターリエさん、が?
[人狼なのか、と、クロエが広間で既にそれを口にした事を知らない旅人は、半信半疑に呟く]
[見守る事しか出来ぬ死者は近く遠くその光景を見つめる。
そんな風に、孫娘を見守るギュンターの気配を近く感じたが
男は彼を探すことはしなかった。
大事な者の無事を祈るのは誰しも同じであろうと思う]
シスター ナターリエは、細工師 クロエ を能力(襲う)の対象に選びました。
[影の護り手たるライヒアルトが、彼女を庇ったのだとしたら、確かにそれは自然な事とは思われた。だが、旅人は同時に疑問に思う]
どうして、来ないんだろう?
[ライヒアルトは、常にナターリエのことを気にかけているように旅人には見えていた。それなのに、今、この場に彼の姿が無い事が、とても不思議に思える]
運命と、そう思わなければ……
では、私達は何に縋り、何に祈り、そして何に頼ればいいのでしょうね……?
[一度だけ、伏せた目がクロエから視線をはずされ]
苦しみを抱くことも生きることです。それが理不尽であっても。
頼れる人が生きて残っているのならば、きっとそれが答えなのかもしれません。
頼る人がいる分、失うこともあるのも真実なのでしょうけど。
[深く悲しみを含んだ声で]
変えるのではありませんよ。自分が選んで進む。
私がこの道を選びました。
クロエさんも、自分の選ぶ道を進んでください。
[視線は一度、その握られた刃に、そしてじっと目を見つめる]
正しくなんてなくていい。
でも───…
[一度黒い瞳を伏せた。
強く、アーベルの残した刃の柄を握り締める]
変えられないなら、
────私が、変える。
[再び上げた目に迷いの色はない。腕を引いた。
そして身体ごと突き当たる勢いで、
修道女の胸に───慈愛深き聖母の胸へと、
スティレットを、慈悲の異名持つ短剣を突き立てた]
……ううん。
[ライヒアルトとクロエとのやりとりは、あまり覚えていない。
だから、問いかけのような言葉>>168には、首を左右に振ってなんでもない事を示し。]
――エリお兄ちゃん。
これが御伽噺の通りなら…ううん。むしろ御伽噺通りなんだとは思うんだけど。
[カチカチと、少女の中でナニカがハマり始めている。]
『双花聖痕』の蒼花であるベルお兄ちゃんが現れたのに。
どうして。
蒼花の片割れである朱花は出てこないの?
[こて、と。
エーリッヒの問い>>171に、問いを向ける。]
/*
突き出したと書いてから、ここは確定すべきと思った今日この頃。
そして!守護が!!!外れているぞ!!!!
これはくるかくるか、きていいYO!!!
─ →1階廊下 ─
[ナティん部屋で起きとることに気付かんまま、うちは1階に降りる。
皆広間やろかー。
集まるっちゅーたらそこしか思いつかんかったから、自然足はそっちに向いた。
着とる夜間着が汚れたままなんをすっかり忘れて、広間ん方に歩いてく。
リネン室1階にあるんやから、寄ってけばええのにな、自分]
出てくるわけないよ。
だって、私が朱花なんだから。
[少女の宣は、丁度ユリアンが広間から出る頃>>176だっただろうか。]
……そんなこと…、…知らないよ。
何に縋るかなんて、そんなこと、
分かるはずがないじゃないっ!!!!
[いつしか、クロエの面に表情が戻っている。
泣いていた。泣きながら、再び刃を彼女へ振り下ろす]
進んで選ぶ、……なんて────…
狩人 ユリアンは、少女 ベアトリーチェ を能力(守る)の対象に選びました。
そう、それでいいんです。
[それが宿命なのだからと、口にはしない。
変えると、そう告げる彼女の行動は、月のいとし子を討つ行為であったから。
迫る刃と同時にクロエがこちらに迫るのを確認しながら、
浮かべる微笑はそのまま]
クロエさんに、神のご加護のあらんことを。
[祈りの十字を切る手は、縦に一度、
そして横に…その手は右肩ではなく左から…
振るった右手は獣のように鋭い爪をもったものだった**]
─広間─
そうか。
[少女>>178にそれ以上の追及はしなかった。
狩人の青年が出て行こうとするのも、やはり呼び止める事はなく。
残った青年と少女の会話を聞きながら、椅子に腰掛け、軽く目を伏せた]
…どうして、貴女がそんな言葉を言うの。
[今、自分が刃を振るうのは血に濡れた人狼。
今、自分が傷つけているのは心優しき修道女。
今、自分が殺そうとしているのは…、]
────…、
[最後の言葉は音にはならずに宙へと消えた]
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