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呼び寄せたのは果たして何か。
その意を誰一人知る由もないまま、人々は集い始める。
1人目、自衛団長 ギュンター がやってきました。
召集をかけたものの、まだ集まってはおらぬか……。
とはいえ、どこまで真実かもわからぬ噂、焦る事もなかろうて。 全員集まるまで、ゆっくり待つとするかの。
切り立った崖に挟まれた道を抜けると、その集落は見えてきた。
オパールが産出される故それなりに豊かではあるものの、都会の喧騒とは離れた、のどかな村だ。
だがそんな村の入り口近く、獣避けを兼ねた門の前で彼は難しい顔をしていた。
自衛団長 ギュンター。この村の平和を守り続けてきた人物。
彼の悩みは、まだその胸の内のみに。
そして、今はまだ語られざる物語の紡ぎ手達は――。
2人目、音楽家 エーリッヒ がやってきました。
[白と黒の鍵盤の上を滑る右手と、膝の上の譜面の上で踊る左手。
二つは連動しているようで、でも、ちぐはぐで。
二つの間を取り持とうとするかのように、低い呟きが旋律を紡いでいたが]
……んー……。
一時、中断。
[結局零れたのは、何度目かのその言葉。
譜面はテーブルの上に、鍵盤には蓋がされ。
立ち上がった彼は両腕を上に上げて身体を伸ばし、それから、ふとある事を思い出してあ、と短く声を上げた]
……しまった。
3人目、画家の卵 ミリィ がやってきました。
ん〜……。
[小難しい顔を浮かべながら、キャンバスに向かって唸る少女が一人。
廻りには、絵画を描くための道具がずらりと並んでいる。
窓は締め切り、淀んだ空気が部屋の中で停滞している。
その手にもたれている筆はぴたりと止まり、1mmも動いていない。
キャンバスに書かれているのはこの村の風景画。
だが、空の色だけがこの絵には描かれていなかった]
……はぁ。
[ため息を一つ零して、ついにはその筆を傍らの机の上に置いてしまった]
駄ー目だー。
どうしても、空の色をどう表現すればいいのか思い浮かばないや。
[天井を見上げ、もう一度ため息]
父さんは、「見たままキャンバスに残せばいい」って言うけれど、その見たままの色がどうしても出せないな。
[視線はそのまま、窓の外にある村の風景へと移る]
―――あの色。
美しい自然の色。
それを、表すのって、なんでこんなに難しいんだろ。
[視線をキャンバスに戻し、それから、ばつが悪そうに目を閉じて、3度目のため息]
……やっぱ、才能無いのかなあ。
[次に視線は、ある一枚のキャンバスに移る]
……私が絵を描き始めたきっかけは、父さんが画家だってこと。
それから―――あの人をいつでもそばに感じたいってこと。
……どっちにしろ、動機が不純だったから、そんなに強い意志を持っているってわけでもないんだけど―――。
[更に視線は移動し、その隣にある父の描いた絵を見つめる]
―――父さんの絵を見ると、なんか、こー、私も描きたい!って気持ちになるんだよなあ。
うん。
絵で生計を立てられるようになるってのはすごいことだね。
努力とか、才能とか、そういう言葉じゃくくれないってのは分かるけど―――。
[最後にもう一度、視線は今自分の描いていたキャンバスに]
……へこむなあ。
どうすれば、満足できる絵になるのかな?
[キャンバスを強く見つめ、次に外の風景を見つめ、またキャンバスを見つめ、と何度も何度もその二つの光景を繰り返す]
ん〜……ん〜……。
[眉間にしわが寄り、知らず知らずのうちに険しい表情になっていたが]
『―――ミリエッタ?
そろそろ、切り上げて、ごはんにしましょう?』
[扉の外から母の声が聞こえて、作業は中断される]
あ。はーい。
今日のおかず何ー?
[扉を開けながら、ミリィが母へと食事の内容を聞いた。
すでに、絵のことは*頭に無い*]
4人目、少年 ティル がやってきました。
―オパール鉱山入り口―
はいよ。今日掘って来た分。
[一人の少年が、鉱山技師にバケツいっぱいの原石を渡している]
今日は結構がんばったんだぜ。こいつなんかいー感じだろ?
[一番上に置いた石を指で指し示せば、技師もうむと首を振る]
それじゃ、今日の分のお給金よろしく。
[ひょいと技師に向かい手を差し出す。
技師が、数枚の硬貨を袋から取り出して、少年の手に乗せた]
まいどー。またよろしくな。
[おどけた笑顔で挨拶をして去ろうとした少年に、技師が声をかける]
ん?なんだい?たまにはガッコ行けって?
そんなこと言ったって、みなしごの俺には自力で稼がないと飯も食えねえんだぜ。
おまんまの方が重要だってーの。
[苦い顔をした技師を尻目に、少年はその場を*立ち去った*]
5人目、娼婦 イレーネ がやってきました。
[衣ずれの音がしたので視線を窓から離し、扉から客が出ていくのを、寝台の上から小さく手を振り見送った。]
また来て下さい。
[そう告げる声は穏やかで、ついさっきまで客と体を重ねていた少女にはどこか似つかわしくなかった。
扉から出ていく直前、振りかえった客に微笑む。
柔らかな笑みは、これもやはり少女に、そして花売り娘にも似つかわしいとは言えぬ透明なもので。
その笑みに誘われてなのか、客が何か言ったようだったが、よく聞き取れなかった。
それでも聞き分けよい娘のように、少女は小さく頷いた。*]
6人目、召使い ユーディット がやってきました。
[村からやや離れた場所にある、埃っぽい街道。
夏の眩しい夕陽に照らされて、乗合馬車が一台、がたごととやってくる。御者台に乗っていた男が、不意に手綱を引いて馬を止めた。]
[馬車の中に何事か声をかける。
ややして、馬車の扉が開いて小さな荷物を抱えた小柄な女性が一人出てきた。
車から伸びた短いステップを落ち着いた足取りで降りてきて、危なげなく地面に降り立つと馬車から3,4歩離れる。
女性がくるりと御者の方に向き直って丁寧なお辞儀をすると同時に、乗合馬車はまたがたごとと音を立てて出発した。]
[顔をあげ、女性は背後を振り返る。街道から分かれ、この先は崖沿いの道が続いている。]
ちょっと街までお使い、ってだけなのに、遅くなっちゃったな。
お夕飯の支度間に合うといいけど。
[そのまま足早に、吸い込まれるように崖沿いの道へ歩いていった。]
[鉱山から、村に向かい歩いて行く。ポケットの中で、小銭をちゃりちゃりと音を立てていた。
ふと見上げれば、きれいな夕日。まぶしくて、軽く目を細めた。]
もうこんな時間か…飯でも食いにいくか。
[足は村の中心地の宿兼酒場へと向かう。いつものことだ]
[村の入り口の門まで来ると、難しい顔をして立つギュンターに出くわした。]
あら、ギュンターさん、見張り番ですか。お疲れ様です。
ええ、街までお使いに。そうです、寄り道してたらこんな時間になってしまって。
[いつものように笑顔で話を交わし合い――
――老団長の顔に浮かぶ微かな陰に気付く]
……どうしたんですか? おでこに皺が寄ってますけれど。
[きょとんとして尋ねるも、彼は「何でもない」と言うばかり。]
そう……ですか? 本当に?
[まだ気になるようにギュンターの顔をまじまじと見ている彼女に、ギュンターは慌てたように、「急いでいるんじゃなかったのか」と指摘する。]
あっ。そうだ、いっけない! 早く帰らないと!
[しまったというように口に手を当て、後の挨拶もそこそこに彼女は村の中へと急いだ。
残されたギュンターの顔に浮かぶ表情には気付かずに。]
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