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―反省房―
[ベッティが姫と明かされた際には動揺も見せたが。
それから後は水盤の傍に座り込んだ侭、殆ど動かなかった。
ちなみに榛名の件に関しては、束縛を厭う属性を持つ己の力では返って封印を妨げはしないかということもあり、敢えて手は貸さなかった]
……
[現在も黙りこくったまま、水盤を半ば睨む様に見つめている]
マテウスおにいさん、たいへんな、こと、してるの?
…それでも、かなえたい、ゆめ?
[榛名の説明を聞いて、また浮かんだ疑問を口にして。
先にあげた疑問に対する答えを聞けば、きょと、と瞬きをして金髪の男性をまた見た。]
えーりっひちゃん、なの?
[言われてみれば耳と尻尾はエーリの名残があるけれど、それ以外は結びつかず。
首を傾げて榛名とエーリを見た。]
[宝珠の表面に浮かんだ蔓草と炎の華。
それはまだ騎士が秘宝を完全には掌握していない印だろうか]
…関わりなくないよ。
ここで会えたヒトは、みんなおともだち。
ビーチェちゃんとかエーリ君が言ってたよね。
[そっけなく答える騎士の心に訴えかけるように言う]
友達の心配するのは、当たり前じゃないか。
[今だって榛名が心配だ。
榛名以外の反省房に入れられたみんなが心配だ。王様がこっちの結界につきっきりになったら、向こうの安全とかどうなんだろう。
ぶん、と首を振って頭の片隅に戻すけど。
多分あれこれ考えてる余裕なんてない]
ねぇわけねぇだろーが!
[蜥蜴男が動くのは素早いが
さて 男を捉えられたかどうか。
持てる速度全てでマテウスにかけよると
拳を振りぬこうと]
[リディの言葉が聞こえれば]
年をとると、いろいろと難しい足かせが増えるのでは。
自らの本質にかかわる内容であるほど、自己をさらけ出すのは難しく、よほど気心の知れた相手なければ……難しいものなのでは?
[自分もゲルダに、自分の本当のことは今まで話してこなかったのだから。
ビーチェの後ろ頭のあたりをこちょこちょっと指先で撫でながら]
逆に気心が知れても難しいということも、ありますしね。
えーりっひちゃん。
もう、おからだ、へーき?
[自分の呼びかけに振り向いたその顔にわんちゃんの時と同じような表情が見えると、確かにエーリだと納得して。
どうして青年の姿なのかはわからないけれど、大きくなったのなら力も戻っているのかな、と思いつつ首を傾げてそう問いかけた。]
ひゃあっ
はるな、おねーさん、くすぐ、ったい。
[後ろ頭をこしょこしょっとされると擽ったくてうにゃうにゃ。
お話してることは難しくてよくわからない、けれど。]
だいじなこと、ないしょにしちゃうと、された人も、さみしー、よ?
[秘宝の変化と、降り立った愛馬に気をとられていたせいで、イヴァンの拳に対する反応は遅れた。蜥蜴男の全力をまともに受ければ、いかな騎士といえど昏倒するところ]
…っ!
[すんでのところで、腕をかざし、拳の勢いを殺そうとするが、秘宝を持った片腕は使えぬため、その効果は僅かなもの。
振り抜かれた拳の勢いそのままに、男の身体は後方へと吹っ飛び、天馬の胴にぶつかって、漸く転倒を免れた]
ええ、大きな夢。
マテウスさんにとって大切なひとをどうにかしたいと、
そのためには彼自身の力だけでは、ちょっと足りなかったみたいです。
[難しい話も深刻な話も、無垢な彼女にするのは憚られて、
比較的オブラートに包みながら、彼一人では無理なら皆の力をと彼女は言うのだろうかと思いながら]
大事なことだからこそ、なかなか話しにくいということもあるんですよ。
たとえば、相手に心配をかけないようにとかですね。
[擽ったがる彼女の頭頂部あたりを、頭髪の流れにそって今度は指先つっとなぞるようにしたり]
[イヴァンに一歩遅れて駆け出した。
速度ではもっと遅れて、天馬の方へ弾き飛ばされた騎士を追う]
やっぱり。
今のマテウスさんには預けることできないよっ!
[途中で槍をくるっと返して。
石突の側を向けて宝珠持つ手を狙い突き出す]
お前、莫迦じゃねぇのか!
それ本気で思ってるなら、ねぇのか、じゃなくて、莫迦だ!
[吠える様に叫び、腕を振りぬいた姿の侭
マテウスを睨み上げる。
眇めた眼 小さく震え]
勝手にしろ、なんて言うと思ってんのか!
[漆黒の天馬の胴に縋り、うつむいたまま]
この期に及んで…俺を、友と呼ぶか…本当に、お前達は…
[あまりに無邪気だと、以前、ゼルギウスに零した。そのことを思い出して、男は乾いた笑い声をあげる]
マテウスおにいさん…
だから、ヒホウが、ほしかったのね。
[秘宝を持っている人がまだいることを、ゼルギウスに聞いていたから。
大きな夢を叶える為に、足りない力を補うために。
それは容易に当てはめられた。
無垢な色は、ただ透明にその言葉を口にして。]
…でも、それは。
ゆるされない、こと。
[小さく紡いだ声は、悲しげな色を帯びた。]
……関わり無い、な。
これだけ多くの者を巻き込んでおいて。
[淡とした声で呟く。
水盤越しに理由を聞いても、同情の念はあまり浮かばなかった]
ボクは今もそう思ってるよ。
だからこそ、止めたいって思う!
[それなり、でしかない攻撃はやっぱり通じない。
がしっと掴まれて、わっとバランスを崩しかける]
……ふ。
いやはや、本当に、これは。
[水盤のあちらとこちら。
そこで紡がれる言葉に、ふ、と笑みが浮かぶ]
……本当に、揃いも揃って、優しいものばかりだね。
[騎士殿も含めて、とは。
口に出す事はせず]
[槍を掴み取ろった手を見て
蜥蜴は顔を向尾をふると ごう!と轟音と共に
口から焔を噴きだした。
少し痛い眼をみてもいいと思ったのは 本音]
じゃあ、やっぱり返せ。
オレとゲルダで 王に返す!
[狙ったのは火炎の力を彼の持った秘宝。
力のバランスを もっと潰す事が天聖への痛みと
ならないか との思いで]
まぁ、すべての行動が理にかなったものになるとは限りませんし。
時には『感情』が優先されることもあるのでは。
[ナタルにそう言葉を返しながら]
たとえば、友達を心配する心とか、ですね。
[マテウスは自分にとって、あのときから友達のつもりでいる。
それから、ビーチェの言葉、理解を示したらしい彼女]
きっといいように、してくれますよ。
[ゲルダがいるから、彼女に対する自分の信は大きい。
悲しげなビーチェの様子に、そっとやさしく頭を撫で]
ビーチェちゃんが悪いことだって思うのなら、後でめってマテウスさんを叱ってあげないといけませんね。
無理を、すれば、歪みが、生まれる。
生まれた、歪みを、直す事、は、安い、事じゃ、ない。
だから、やっぱり、宝珠は……
[ちょっとだけ貸してくれ、って願いならまだ良かったのに。
宝珠の行方がどうなるにしても、アイツ…王は騎士のおっさんをそう簡単にゃ許さねーだろうな多分。]
王は、見てるの、かな
[流石に感知してるた思うけど。]
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