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[そして、今。
俯瞰視点で、自分の部屋へと集まった顔を見下ろす。]
…………はぁ、抜かったな。
やはり、どこかまだ甘えが残っていたか。くそっ。
[悪態を吐き、がしがしと頭を掻く。
自分のために泣いてくれる幼馴染には、ぎゅっと胸が締め付けられた。]
ううん…それでも辛い時に居られなくてごめん
[其の時は深い眠りに落ちていたから。
不甲斐無さも抱えつつ幼馴染に背を撫ぜられると
娘の張り詰め居た身体から、力が抜けていく気がして。]
ン…そんな事ないよ
ブリジットは僕達と同じ女の子なのだよ
[死にそうにないのに、との声に半ば同意しつつも、
若しかしたら一番女の子らしかったのかもと想いを馳せて。]
……そういう考え方も、あるのだね
でも、そんな余裕ある状況でも――無いと想う。
[ぎゅ、と強く掻き抱いた後に、ゆるとベッティから腕を離す。]
―ブリジットの部屋の前→食堂―
[ゲルダの言葉>>207には、そうねと曖昧にただ頷くのみで。
暫く幼馴染らや娘らの様子を年長者らしく見ていたが、
血の匂いのほど近くにいたためか、片手を口元に当てて目を閉じた。]
……ごめんなさい、お水頂いてくるわね。
[吐くほどではないが、気分はやはり優れない。
一人その場から離れて、食堂を経由し厨房へと向かおうとして夫と出くわした。]
ゼル……?
[明らかに体調が悪いのが目に見える夫に、
心配そうに駆け寄りとりあえず椅子に座らせた。]
ゼル、大丈夫なの?
[不安気に夫を見上げる。
この騒動が始まってから、夫の体調は悪くなって居るように思えて、それも内の不安に拍車をかけていた。]
―→宿屋・食堂―
[去り際アーベルに向けた視線、返された案ずるような視線に少しばかり元気付けられたような気もした]
本当にだめな時はその胸にうずめさせて貰うからよ。
[クロエにそう軽口を返しながら、そんな会話をしてたからかそのすぐ後にゲルダの胸に埋まる結果になるだろうか。
部屋を離れて、ゲルダから返された言葉]
すまねぇ、湿っぽい話になったな。
[そう、ゲルダが離れた後わびるように言い、
階下に下りると皆に水を用意するだろうか]
あっちにも用意した方がよさそうか。
[階上を見上げながらそう言い、ゼルギウスがついたのはそのころか、ふらふらとした様子とブリジットの部屋で交わした言葉のこと思い出しながら]
パパもあんま無理すんじゃねぇぞ?
そりゃそうだ。
[アーベルの言葉>>209に同じように肩を竦める仕草]
……嗚呼。
だが、ケリつけるって言っても……
[容疑を掛けられているのは自分も含め馴染みの者ばかり。
思案げに青年の柳眉が顰められる。
自衛団詰め所で処刑が行われた事も聞いている。
彼の言葉と自衛団長の言葉、今朝の出来事
全てを繋ぎ合わせればケリの意味くらいは察せられた。
土産話。
聞けると良いと思ったが、言わずに小さく息を吐く]
…此処で是以上話さない方が、よいのかも、ね
最後に顔だけは見ても構わないかな
…血で汚れてるだなんて、厭だから
[叶うならブリジットの顔を一目見たいと願って。其れが赦されるならば持っていたハンカチで拭うなりをする。クロエやベッティも同意して呉れるだろうか。]
…それとね、流石にブリジットを此の侭にしておきたくないから
自衛団の人達にお願いしてもらうのも好いと想う
…狼に殺されたのは、まちがいなく「ひと」だよ
だから、ぞんざいには扱わないと想うのだよ
[…どうしたものかな、と周りに訊ねた。反対されたとしてもどの道、その場の面々に対しては此処から出ようと持ちかけて。]
―宿屋 食堂―
[扉を潜ると、夫婦の姿が目に入った]
……ごきげんよう。
大丈夫、かしら?
[体調の思わしくなさそうなゼルギウスの様子に眉を寄せながら、とりあえずは挨拶を。
他の者がいればそちらにも同じ言葉を向ける]
そういえばゼルギウスさんの姿が無いんだ。
イレーネさんの傍から離れてるとか珍しい。
[少し考え込むようにしてから]
なあ、ゼルギウスさんの様子、何かおかしくないか。
いつもと違う雰囲気があるんだよ。
[ごく普通の話のように、けれどアーベルに視線を注いで言った]
…うん、いつでもどうぞ?
[こちらの言葉に冗談めかして返された幼馴染の言葉には、泣きそうな顔のまま微笑んで。
そんな彼女をゲルダが抱きしめるのを見、その背にそっと手を添えた。
ブリジットの顔を綺麗にしてあげたいというゲルダに頷いて、自分も彼女と共に幼馴染の最期の表情を見つめ、手でそっとその頬を撫で。
彼女の提案には、そうだね、と頷きを返して部屋を後にした。]
―食堂―
あ。イレーネ、おはよう。
でも、もうないかなぁ……―――
[へらっと笑ってみせるも、紅は虚ろである。]
ん。大丈夫。ちょっとゆさゆさされて、貧血なだけ。
ご飯食べたら、きっと治るよ。
[ぺしょんっと椅子に座りこんで、べッティやカルメンからかかる声にも]
ん〜……
[返事だか返事じゃないのか、声を漏らして。
机に頭を預けごろごろ。]
あ、自衛団の人、用意が出来たら来るって謂ってたよ。
[と、肝心なことを思い出して、気だるげに告げる。]
――……ご飯食べる間が、なかったんだ。
[そして、見透かす妻の言葉に、そろりと視線を外した。
まるで叱られている子どもの態である。]
[ミハエルの翡翠を受けて、小さく息を吐く]
黙ってようかと思ったんだけどね。
……調子悪いんじゃないかな。
慣れないことして疲れてるみたいに見える。
[流石に占い師じゃないかとまでは言わない。
けれど何かあるだろうと疑っているとは伝えるつもりで]
─宿屋・食堂─
[ゲルダ達と共に階下に降りると丁度不安げにゼルギウスを見上げるイレーネの姿が見えるだろうか。]
ゼル兄、体調悪いの?
[イレーネの表情を見て推測された問いをゼルギウスにした後、イレーネの方を見て。]
イレ姉も、スープか何かちょっとでもお腹に入れた方が良いよ。
イレ姉が参っちゃったら、赤ちゃんも参っちゃう。
[そういって彼女へも心配そうな視線を向けてから、ベッティの手伝いをしに厨房へと向かう。
蒼鷹はその場についてきたか、アーベルの元に残ったか。]
[階下に下りる前のこと、幼馴染3人ゲルダの提案に頷き、そっとその頬を撫ぜる。
幼馴染を思う言葉は胸中にだけ呟いた。
階下に下りてからゼルギウスの様子とイレーネの言葉、ちらりとゼルギウスの方を見てから]
あんまり、奥さんに心配かけるんじゃないぞ?
[そんな言葉を残して、自分は厨房の方へと向かった]
―宿屋 食堂―
[ゼルギウスからはまともに返事が返らず、ますます心配そうな顔になる。
ともあれイレーネが傍についているようなので、一先ずは意識を反らして]
ああ、ベッティさん。
お部屋、まだ空きあるかしら。
[厨房へ向かおうとする彼女から是が返れば、泊まる旨を告げて、ニ階へ向かう。
犠牲者の名前を知るのは何処でのことになるか]
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