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……なんてこったい……。
[不覚、としか言えなかった。
いや、言った所でどうにもならないと言うか、自身の不注意による所も多々あるのだが]
よりによって、これを持ち出す輩がいるとは……。
[残された片割れの筆を見つつ、呻くような呟きをもらす。
代々の『絵師』に、『記憶』と共に継承されてきた二本一対の絵筆。
一体、いつの間に持ち出されたのか。
箱の中には、ただ、一本が残るのみとなっていた]
……深刻に、まずい。
持ち出された方が、『力』を残しておいた方とか、冗談にならん……。
[ともあれ、ため息をついていても仕方がない、と長の元を訪れ、事情を説明する。
自覚が足りないのなんのとの小言を小一時間はもらったろうか。
さすがに、今回ばかりは軽薄面で受け流しはしなかったが]
……とにかく、早急に手を打たんとまずい、じじ様。
来るべき『解放』には、両方の筆が必要になる。
このまま戻らんと、えらい事になる。
……それに……。
[不意に言葉を途切れさせ、出された香草茶のカップに視線を落とす。
来てすぐ出してもらったそれは、小言の間に冷めていた]
[うっすらと、目を開く。
何時もと同じ、蒼い夢。
大きな欠伸をしてから体を引き伸ばし、
綿毛を敷き詰めた床に足を降ろすと、
ゆくりと立ち上がる。
畳まれたハンカチを右手に持ち、留め具の外されたペンダントを左手に持つと、
机の上に置いてある綿毛用の布袋を見つめた。]
みっつ、持てないわぁ。
[くすりと笑い、
壁に掛かった小さなポーチを取って頭を入れて
斜めがけに肩から提げる。
その中にハンカチやペンダントを入れ、畳んだ布袋も入れて家を出た。]
[視線を落とす様子に、長はどうした、と訝るように声をかけてくる。
それに対する答えに先んじるのは、小さなため息]
……持ち出された方の筆。
次に『絵』を描くための『力』が残ってる方だった。
正しい用い方を知らなくても、あれで肖像画を描けば、その者の『心』を封じる事ができる……。
その者が、生きていたとしても。
生きながら、『心』の力を奪えるんだ。
[掠れた声の説明に、長は目を見開き。
続けて投げられるのは、そうなったら、その者はどうなるのか、という問い]
……過去に実際にあったかどうかは、ちょっと思い出しきれてないんだが。
普通に考えても、いい状態じゃないと思う……ぜ。
[重い沈黙。
それを経て、長が立ち上がる。
とにかく、住人たちに筆の盗難と、それに伴う危険を知らせる、と]
ああ。
軽い冗談や悪戯心で持ち出したんなら、早めに戻してもらわんとまずいしな。
[実際、『過去』にはそう言った事もあったようだが。
その時は、大事に繋がる前に戻されたらしい。
今回もそうなってほしい、と思いながら頷いて、すっかり冷めた香草茶を干す]
んじゃ、俺ももう一度、アトリエの中を探してみるわ。
[いつもの軽い口調で言いつつ立ち上がり、長の家の応接間を出ようとすると、そう言えば、と長が呼び止めてきた]
んー? 何さ。
[きょとり、としながら立ち止まると、都市に広まる噂の話をされて。
事の真偽はどうなのか、と問われたり。
話題の二人とはそれなりに見知った相手、真偽を知っているのでは、との事らしい]
[鼻歌を歌いながら、軽い足取りで向かうは何時もの綿毛の畑。
途中でなにやら噂をしている主婦の塊を見つけ]
ごきげんよぅ。
[明るい声で挨拶をかけ手を振った。
笑顔を返してくれる主婦も居れば、
あからさまに眉を顰める人も居るけれども何処吹く風。
只、色恋だの落書きだのの噂の切れ端が耳に届いて]
…あ。
[鞄の中に閉まった、洗ったハンカチを思い出し、
ぴたりと足を止める。]
……いやいやいや。
さすがにそりゃあないっしょ、じじ様。
[さっくり返すと、長は、ないのか、とちょっと残念そうにした……かも知れない]
だって、考えてもみよう。
あの二人だぜ?
俺には、想像もつかん。
それに、もしそうならもっと早くじじ様に話しに来るでしょー。
[ここまで言えるのは、付き合いの長さ故の事。
それぞれの気質を思えば、ここに至るまでに七色変化している尾ひれなどはあり得ないとすら思えた]
……一応聞くけど、じじ様から二人にそれ、聞いてないよな?
うん、先に俺に聞いて正解。
真面目に受け取らん方がいいよ、うんうん。
[話が一区切りした所で、今度こそ、と思ったらまた呼び止められ。
今度はなんだ、と思ったら、そういう自身に色恋話はないのか、という問いで。
掠めたのは、困ったような、笑み]
いや、ほら……俺は、さ。
『絵師』だから。
だから……ね。
[短い言葉の真意は、伝わるか否か。
ともあれ、それ以上は何もいう事はなく、長の家を出て、ため息一つ]
……こんな因果な存在に惚れたり惚れられたりしたら、それだけで不幸だってぇの……。
[小さな呟きの後、アトリエへ向けて歩き出す]
かえさないと。
[ハンカチを鞄にもう一度仕舞い、
取りあえず広場の方へと向かって足を向けた。
なんだか今日は、道の井戸端会議に
とても良く薬師の先生と、図書館の司書のひとの
名前があがるなぁ、と、思ったりしながら、
歌を口ずさみ、軽い足取りで歩く。]
はい?
[呼び止められたのは、都市の長。
彼女の父親を知り、その後の事も知っている為
会えば気をかけてくれていて]
ごきげんよぅ、長さま。
どうかなさったの?
[何時も笑顔な彼の表情が曇っているから、
きょとり、瞬いて首を傾けた。]
えふでがぬすまれた?
[重い口調で言われた事を、くりかえす。
これから人を集められるならば集めたりして、
人を使って都市の人間に伝えていくという。]
えふでって、絵師さまの?
[頷く長の、しかめっ面を覗き込むと
ぱちり、コバルトグリーンの目をまた瞬いた。]
─翌朝─
[朝の仕込みと親父さんの朝飯を支度したあと、足を向けたのは布織りの工房。
当てをつけた布地があるかを聞きに来たのだが、]
あー、品切れっすか。じゃあ、仕方ないっすね。
とりあえずまた来ますんで、今日のところは糸ください。出来るだけ細くて丈夫なやつ。
[そう言って糸を買うと、工房をあとにした。]
[とても危険だから、見つけたら直ぐに言うように。
他の人にも、知らせられるなら知らせるように、と、
後半は多分期待されずにだろうけれど言われ、
こくり、深く頷いた。]
はぁい。
[長は一度彼女の頭を撫でると、
そういえば、と何か言いかけたけれど、
お前には判らんか、などと呟いて一度笑い、背中を向けた。
にこにこと笑いながらその背を見る彼女の、
頭上には、ひとつ「?」が浮かんでいた。]
[一度アトリエに戻り、大掃除でもしているのか、という勢いであちらこちらを確かめて。
それでも、やはり対なる一本の姿は見えず]
……冗談じゃねぇよ、ほんとに。
あんなもの持ち出して、どうしようってんだ……。
[あの絵筆を用いてできる事など一つしかない。
それとわかるだけに苛立ちは大きく。
ともあれ、残された漆黒の一本は持ち歩いておくべきか、と布に包んで上着の内ポケットに入れた]
……早めに、出てきてくれればいいんだが……。
[ため息混じりに呟いた後、広場の方へと向かう]
[その帰路。突如掛けられる声に振り向くと、]
んあ。リディじゃん、どうしたん?
[首を傾げて問いかけると、はい、と差し出される布。それはまさしく、先程購入しようとしたモノなのだが、]
……ちなみに聞くけど、これの出所って……
[問おうとすると、目を逸らされました。それでおおよそ把握。]
そういう問題じゃねぇとは思うが。とりあえず誠意は受け取っておく。ありがとな。
おう、おやすみ。いい夢見ろよ。
[そう言って駆けていくリディが見えなくなるまで見送る。そしてリディの姿が完全に見えなくなると、]
……さて、と。
[そう呟くと、来た道を戻り、布織り工房へ。
そうして、おおよその事情を話し、御迷惑をお掛けしましたと頭を下げ、ちゃんと布の代金を支払うのであった。]
[頭の上に浮かばせた「?」はふんわりと消え
広場まで来ると、長に聞いた人たちがざわめいていた。
なんだかその様子にそわそわしてしまって、
片手で鞄、片手でスカートをぎゅっと握って
泉の周りに暫く立ち尽くす。]
しらせるように。
[言われた言葉をもう一度くりかえし
頭を振るようにして、周りを見渡した。]
─広場─
[広場までたどり着くと、既に告知が始まっているのか、ざわめきは大きく。
こちらに気づいた住人たちが問いかけて来るのに、説明で返す事になった。
さすがに、こちらの告知に余計な尾鰭がつくのは避けたいので、可能な範囲で丁寧な説明をして]
……とにかく、単なる悪戯とか冗談なら、こっそりでも返してもらえれば、それでいいんだ、俺としては。
だからまあ……うん。
もし、知り合いが持ち出してた、とかなったら、怒らなくていいから、戻すように言ってやってほしい。
[個人的には、『力』を振るわれなければそれで、という思いが強いから、そう言って。
一段落したところで、泉の方へと向かう。
一時に動き回ったためか、喉が渇いていた]
[ざわめく人達が、一斉に動くのをみた。
暫くその中央に位置する絵師が何かを話したようで、
そのうち囲んだ人達がお互いに話したり意見を交換しだし、
絵師はこちらの方向へと歩いてくるのが見える。
なんだかすこし疲れているように見えたので、泉の脇の桶に水を汲み、差し出してみた。]
おつかれさまでした。
[状況にそぐわない言葉かもしれないが
彼女なりに考えた言葉らしい。]
え……。
[かけられた声に、きょとり、としつつそちらを見やり]
ああ、ありがとなぁ。
[気遣ってくれているのはわかったので、笑いながらこう返し、桶を受け取る。
いつもより、笑みの軽薄さが薄れているのは、ある意味仕方ない、と言うべきか]
─翌朝・広場への道─(整合性を取るため、先程までは前日夜と読み替え願います)
ふぁぁぁっ……。
[大きな欠伸をし、目をこする。その目は真っ赤に充血中。
しかし、気分は最ッ高にハイってやつで、とても寝ていられない様子。]
やべー、マジやべー。何がやばいって……
キタよ、飛んだよ、実験成功だよ。
あとは、人浮かせるだけの空気の入る袋作れば……。
……でゅふ、でゅふふ、でゅふふふふ。
[徹夜で変なスイッチがオンしたらしく、言動は奇怪にして胡散臭い。
そして、そんなこんなのうちに広場まで到着。]
[エーリッヒが笑むのに、こちらも満面の笑みを浮かべ
首を傾けた。
その絵師の後ろ、ユリアンがおかしな言動をしながら歩いてくるのが見え、
首を傾ける角度を深める。]
たのしそうな、うれしそうなひとが、居るわ?
[ね、と、エーリッヒの背中のユリアンを指差してみせる。]
[そこではたと広場の異様な雰囲気に気付く。]
んあ? なんぞなんぞ。
[首を傾げつつ、その輪に近づいていくと、]
……えっ? 兄ちゃんに……エルザ?
[その場にいる既知の人物に思わず声を上げる。]
[冷たい水で渇きを癒してほっとして。
言われた言葉に、はい? と言いつつ、指差す方を振り返る]
…………。
[妙に浮かれた様子に、八つ当たり気味の殺意が浮かんで消えた、なんて言わない。
ともあれ、こちらの名を呼ぶユリアンに、よ、と言いつつ片手をひらりと振ってみた]
うふふ、こんにちわぁ。
たのしそう、なにかあったのかしら?
[ユリアンの声に大きく手を振って
笑顔を向けて、声を返す。]
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