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皆は、人狼という存在を知ってるかの。
御伽噺によく語られるもの…じゃが架空の存在ではない。
人を食らう、人の中に潜む獣じゃ。
[そう言いながら左手の袖を捲る。
肌から浮いて目立つ銀色の刺青がそこにあった]
奴らは強い。
じゃがわしらとてただ殺されるばかりでもない。
旅をしてる者らは話に聞いたことくらいあるのではないか。
結社という組織のことを。
結社は人狼を倒すための組織。
わしはその一員。
この銀の刺青はその印じゃ。
[一度目を閉じ再び開く]
人狼が人を襲うのは血に餓えている時。
こうした死体が出たからには、もう話合いだけでは済ませられん。
村が滅びる前に、急ぎ人狼を探し出して屠らねばならん。
方法は。
[言葉を切る。真剣な顔で一人一人を見て]
…伝承と変らぬ。
ここに集まってもらったのは、疑いのある者じゃよ。
この中から一人ずつ、人狼と疑わしいものを処刑してゆく。
しっかりと話し合え。
決まらないというならわしが独断で決めてでも、やるぞ。
[入口を固めている自衛団員達も頷く。
ここにいるのが全員でないということは、村にももう伝えられているだろう]
足首の傷、か。
昨日、と言ったか。
其れならそっちも見せてみろ。
[差し出されたゲルダの手>>270を取り
生薬を塗った布地を手首に巻きつける。
丁寧に包帯で固定すれば特製湿布の完成となる]
暫くすれば痛みが引くはずだ。
それまで重いものを持つのは控えておけよ。
[昨日の傷と今日の傷、双方をクロエの持ってきた其れで
拭って清潔にしてから新たに軟膏を塗り手当てを終えた]
……謝る事はない。
と、漸く団長殿のお出ましか。
[現れた自衛団長>>#2に向き直り話に耳を傾ける]
―宿屋 食堂―
ええ、わたしは何ともないわ。
……大丈夫なら、いいけれど。
[ライヒアルトから治療を受けるゲルダを見ながら、尚も心配そうにしていたが。
大丈夫だと返されても納得行った様子はなかったが、安心させるようにすこし笑んでみせた]
あら、あなたはたしか――
[そこに新たな声が加わる。
記憶違いでなければ一年ぶりか、煙草を持つ女性の名前を思い出そうとして。
団員の訪れに一度、閉口した]
時間は多くない。
じゃが、わしとて無為に殺したいわけではない。
…今日と明日。じっくりと考えるが良い。
明日の晩には一人目を定めよう。
―宿屋―
[結構な大人数にぼぅっとなって。
けれど、昨晩を共にした3名には妻に合わせて各々に声をかけた。]
昨日はあんまりお構いできずにごめんね。
けど、どういう組み合わせなんだろう……―――
[怪我をしたらしいゲルダなども気にしつつ、
ぼやいたところで出入口が塞がれ、ギュンターの姿が見えた。
その老人の腕の刺青と、言葉を、
呆と口をポカンと開けて見聞きすることになる。]
……じいさま。
[自衛団長から伝えられた、話。
最初に零れたのは、ため息だった]
なぁんか訳ありだとは思ってたけど、それ、あんまりにも笑えなくね?
……ま、じいさまがこんな事で人担ぎはしねぇのはわかるし。
結社の話も……旅先で聞いた事はある、けど、さ。
[実際には、「聞いた」どころの騒ぎではないけれど、それには触れず]
いきなり言われて、はいそーですか、っていえる事じゃねぇよ、それ。
個人的に聞きたいことのある者は詰所まで来るがいい。
話せることは話そう。
伝承についても、結社の手段についてもな。
[そこまでを言い切ると疲れたように肩を落とす]
…橋のこともそのままにはしておけんでの。
今はこれで戻らせてもらう。
[一つ二つは短い会話がまだあったか。
抗議は取り合わずに去ってゆく**]
―宿屋―
[一口サイズのサンドイッチ、具はハム、タマゴ、きゅうり、レタス、チーズ、ねぎの6種。
大皿に量を盛って、個別に取るようの小皿と一緒にみなの集まる食堂へと]
しっかし、なんだってこのメンバー集められたんだ?
[そうつぶやきながらテーブルの上に大皿や小皿を置いて、
集まった面々に首をかしげた]
─宿屋・厨房─
あ、ベッティおはよう。
朝早くごめんね、あのね…
[ゲルダの手を冷やすタオルを取りにくると、恐らく皆の朝食を作っているだろうベッティからどうしたの、と問われ手短に説明をした。
こちらの説明を聞いたベッティが不信げに眉を寄せるも手渡されたタオルを受け取るとありがとう、と礼を言い。
そっちは頼む、といわれると解ったと頷いた後に、ふと]
ベッティ。ベル兄帰ってきて良かったね。
[そう言って微笑みベッティの頭を柔らかく撫でてから、先に戻るね、と声をかけてゲルダ達のもとに戻った。]
[新たなる、見慣れぬ紅い男を視界に収めながら、娘は治療を受け続けていた。ライヒアルトの的確な処置を覗き込むように、じと見詰めて。足首の傷も見せろと言われ娘はこくりと頷いて見せた。行き成り触れないのなら特に茶々を入れる事は無く―――]
ン、傷は深く無さそうかい…?
全貌が良く見えないから所々見落としているかも…
[すべての処置が終わると、有難うと伝え娘は淡く微笑む。重たい物を運ぶなと言われて少々困った貌をするが]
…其れはすこし、困ったかもしれない
[それだけ答えると、再び入ってきた者の足音を聞き、其方に眼差しを向けた。―――団長の姿を見止め、娘はまあるく眸を見開き。]
[この場に自分達を集めた張本人が現れ、口を開く様子に黙って耳を傾ける。
橋の事、その近くで遺体が見つかった事。
事故では無い死に方をしているのを聞き、自然眉根が寄った]
───人狼、だと?
[先日ライヒアルトから借りた伝奇にも記載されていた単語を耳にし、呟くように言葉を紡いだ。
結社の話、自衛団長がその一因であることとその証。
そして、人狼を探しだすための手段についてを聞き、息を飲んだ]
僕達は容疑者と言うことか…──。
[厄介なことに巻き込まれたと、表情は物語っていたことだろう。
一人ずつ疑わしい者を処刑すると言われて、気分が良い訳が無い]
─宿屋・食堂─
え。
イレ姉達まで、なの?
[濡れタオルを手に戻ってくるとカルメンやイレーネ、ゼルギウスの姿まであって。
他はともかく身重のイレーネまで呼び出される理由が解らずに不可解な表情を浮かべた。
挨拶をされれば、思い出したように慌てて挨拶を返し。]
ゲルダ、お待たせ。
ちょっと冷たいかもしれないけど、驚かないでね。
…あ、ライ兄。お願い。
[ゲルダの手に濡れタオルをあてると、ライヒアルトの手当てに任せることにした。]
それでも、じゃよ。アーベル。
笑い話などには到底できん。
だからと言って逃げて済む話でもない。
結社とは、そういうものじゃ。
[村を離れていた間のことなど知りようもないが。
覚悟を決めた者ならではの鋭い視線がアーベルを貫いた**]
[そうしている内に、宿から下りてきた姿を見ればまた目を瞬かせて。]
ブリジット!
ベル兄だけじゃなくてブリジットも帰ってきてたんだ?
おかえり、ブリジット!
[久しぶりに見る幼馴染の姿に満面の笑みを浮かべ、手にしている煙草に構わず思わず抱きついた。
そこにまた新たに外から赤毛の男が押し込まれるのを見ると、表情は強張ったが。]
[始まる自衛団長の話に柳眉を寄せる。
人死にが出たらしい事はアーベルから聞いていたが
普通でない殺され方というのを聞けば目を伏せて
青年は十字をきり十字架へと触れ聖句を紡いだ。
けれど、人狼と聞けば目を瞠り]
――…御伽噺の人狼がこの中に居る?
[架空の存在ではないと言う団長の声。
見せられるは銀の刺青]
団長殿が結社で、人狼を探し出せ、と。
は……、処刑とは物騒な話ですね。
[探し出す方法は問わぬまま、青年は吐息を漏らした]
―宿屋 食堂―
[手提げ籠と脱いだ帽子は、ひとまず近くの椅子に]
……彼も?
[自衛団員と共に連れてこられた男には、ちらと視線を遣り、怪訝そうに眉を寄せたか。
すぐに始められた話に、意識はそちらへと向けられて]
遺体?
[きつく眉を寄せたものの、その後に続く話には困惑の色のほうが強くなる]
人狼に、結社……ねぇ。
御伽噺で聞いたことはあるけれど。
[銀色の刺青を見せられても、何処か現実味のない様子で、頬に手を当て]
……え?
[突然語られた言葉には、目を丸くすることしか出来なかった。
並べられた言葉には現実味が無いように思えて。
ただ、ひとつだけ
『一人ずつ、人狼と疑わしいものを処刑してゆく。』
それだけが強く響いて残り
篭を持った手で反対側の腕に触れ、己の身を抱いた。]
[何度か村はずれで姿を見たことはあったが、訳のわからないことを言われ怒鳴られた覚えのある彼にはあまり良い印象はなく。
それでも食事は取れているのか気がかりでたまに軽い食事をそっと置いておくくらいはしたことがあった。
その赤毛の男の後から入ってきた姿を見れば、表情は少し和らいだものの自衛団長の発した言葉に、また体を強張らせた。]
人、狼…。
[イレーネやゼルギウスもやってきて。
挨拶をする余裕もあったかどうかのタイミングで自衛団の連中が来て。団長の話が始まって]
……それでか。あんな注文……結社ねえ。
処刑とか、嘘だろう。
[ギュンターの左腕をじっと見て。
信じたくないと額を強く押さえた]
人狼の御伽噺。
占い師に霊能者に……。はあ。
[口に出してみるけれどやはり現実味が薄い]
……そりゃ、笑い話じゃねぇだろうけど、さ。
人が死んでるってんなら、尚更。
[自分が普段いる場所であるならばともかく。
そんな殺伐とした事とは無縁の村なのは、わかっているから]
……まあ、そう、だろ、な。
結社って、そーゆーもんだし。
[『知っている』からこその苛立ち。
向けられた視線の鋭さ、その決意も理解はできる、けれど]
……やってらんね。
[零れた呟きは、あらゆる意味での本音だった]
ギュン、じいちゃん…
[自衛団長の腕には、銀色の輝きが彫りこまれていて。
結社であること、ここに集まった者を疑っていること、
村を救う為、ここにいる人達を一人づつ、伝承通りにすること。
そう、淡々と告げられる言葉全てが、嘘ではないことが自衛団長の表情から伝わってきた。]
[けれど]
……『処刑』ですって?
[その言葉には流石に目を瞠り]
それは少し、横暴が過ぎるのではないかしら。
そもそも……
[集まった人間を見回し、視線は再び団長へ。
いつものような微笑ではなく、探るような深い色を彼に向けた]
“疑わしい者”の中に人狼がいると、確実に言える証拠はあるの?
─宿屋・食堂─
[結社が実在することは知っている。
父やその交友から話を聞くこともあったために。
故に自衛団長が所属の証明を持ち、それを明かした上で為された人狼の話の重大さは嫌でも知れた]
この中に、人狼、が。
……話し合うだけで人狼が見つかるなら、苦労はせんだろうに。
[呟きは立ち去る自衛団長の背へと向けられる]
───探す手段を持ち得ぬからこその手段、か。
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