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そっか。
[特に興味がある訳でもなかったのか、深い追及はせずに地面に目を向け、ビニール袋を拾った。
それを差し出そうと再び顔を上げて、]
……如何かした?
[問い掛ける言葉自体は恐らく何時もと変わらない。]
[いよいよ詰め寄ろうというヨウコに弓を放とうとするが、その斜線上にフユが飛び込んでくる
苛立たしげに弓を下ろすと]
……何で邪魔をするんです? 早くしないと。だからさっさとそこを退いて下さい!!
[再び弓を構え、そう言い放つ]
……恐らく……は。
[まさか、という言葉に、小さく呟いて]
……憑魔……動いた、のかっ……。
[低い呟きの後、駆け出したのは窓の方。
開け放てば、その気配はより一層強くなり。
唇を軽く、噛んだ後、*開いた窓から駆け出すか*]
[紡がれる言葉自体は変わらない、けれど。
何かが、違った。
それは、マイコに感じたのと似たようなもの。
また1歩下がろうとして、
扉が開いた。]
―――っ、わっ!?
[バランスを崩して、真後ろに倒れ込む]
[小石が避けられたのを見て舌打ちをした瞬間、すれ違いざまに振るわれた腕。避けようにもそれも適わず、とっさに腕で受け流そうと試みるも、そのまま跳ね飛ばされ桜の樹へと叩き付けられる。辛うじて身体を丸めるようにしたせいか頭を打ち付けなかったものの、背中に激しい衝撃が走り、一瞬息が止まる。]
[鳴り止まない警笛は、更に頭の中響き渡る。]
[それでも、視線はヨウコを見据えたまま。するり、右の手はポケットの中の其れを取り出し、握り締めながらゆっくりと息を吐き。]
貴女は……ただ、奪っているだけ……哀れね。
そんな、簡単な事すら…気づいていない、なんて。
貴女は、誰からも、何も、貰えないわ。
[斜線上を通り過ぎ、びたんと音を立てて地面に落ちた。]
……邪魔なんて、あ
[フユが上体を起こして見ると、サヤカは桜の樹に叩き付けられた所で、]
外さないように。
…──『憑魔』。
[窓の外へと意識を向け続ければ続けるほど、
チリ、と何処か焼け付く様な感覚が続く。
この感覚が導き出す「答え」をぽつりと零して。
途端、窓から飛び出して駆け出すマコトに、僅か目を見開く。
頭の何処かでは、行かなければならないのだと、判っているのに。
──ギリ、と僅かに奥歯を噛締めて。
と、突如扉を開け放つ音に、其方へと思わず視線を向ける]
……センパイ、
[ヒサタカに仰向けになって受け止められている人物に、
思わず目を見開いた。]
[勢い良く腕を叩きつけて桜の樹までサヤカを弾き飛ばし。
振り返ると同時に跳躍する]
ねがいを叶えるのには力がいるの。
手を伸ばさなければとどかないの。
[薄く微笑んだまま。
サヤカの言葉は届いているように思えない。
だが何故か一筋だけその目から何かが零れて]
ちから、ほしい。
それ、ちょうだい。
[目の前に降り立つと。
躊躇い無くその心臓へと腕を突き出した。
鋭い爪を具えた手を]
[仔犬を抱えていたためにぶつかるかと思われたが、
扉を開いた張本人より支えられて、床に着く事はなく。
伸ばされる手に、一瞬怯えが走ったが―――
それはすぐに消え、幾度か、目を瞬かせる。]
[サヤカが桜の木に叩き付けられ、ヨウコが爪を突き立てようとするのをフユの向こう側に見ると]
!! やめろぉぉっ!!
[そう言って、横に跳躍すると一か八か空中でヨウコに向かって弓を放つ]
…大丈夫?
[一瞬の怯えには気付かなかったか、隣で支える人と同じ問いを重ねた。
それからその大柄な先輩に向かって、小さく頭を下げる。]
[背後で、窓を開けて飛び出したマコトの気配は感じたが、支えたショウを放り出して追うわけにもいかず、振り向いて、アズマを見る]
……一人で行かせちゃ、危ない。
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