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……酔ってんな、かなり。
[コーネリアスの様子にちょっと焦ってみたり]
そうかも知れないけどさ、もしかしたら相談する為に呼んだのかもしれないし?
まあ、アーヴァインさんもこの年で男やもめというのは辛い。
そういう事なんでしょうな。
……二度も最愛の人を失ったわけですから、ね。
[残りのブランデーをグラスに開け、飲み干す。
顔色一つ変わらない。]
[広間に入るとすぐに、扉の側にいた使用人の少女に気づいた。
彼女がアーヴァインに取次いでくれたのだと思い出す。]
さっきはありがとう。
貴方、名前は?
本当に大丈夫?
……あら、お風呂に入ってたの?
湯冷めしては大変よ。
[ハーヴェイとのやり取りを聞きながら、そう言った。
風邪を引いたら、大変だから。
赤髪の少女が扉に手をかけるのを見て、広間の中に、顔出ししたほうがいいのかしら? と思った。]
[不機嫌そうなコーネリアスにどう言えば良いか悩みながら]
そうじゃなきゃこの時期にわざわざ呼ばないんじゃ?
[真相はさっぱり分からないのだけど。
そしてルーサーの言葉にふと引っかかり]
二度も?
[とだけ訊き返す]
……っと、お喋りが過ぎました。
私が喋った事は内密に。
バレたら締め上げられてしまいます。
[にこにこと笑いつつナサニエルの質問を流す。
そして。使用人を呼び出してワインを持ってくるよう頼んだ。]
……と、其れでは失礼します。
[ 今度こそそう告げてニ階ではなく外へ向かおうとすれば、不機嫌そうな声に立ち止まって少年を見遣り、口角を上げクスと小さく笑う。]
濡れていれば、洗ってあるって訳じゃないだろうに。
[ 云いながら擦れ違いさまに其の頭を撫でるというよりは軽く叩いて、]
広間に入って温まっておいたほうが、好いんじゃないか。
其れじゃ。
[片手を振って其の場を立ち去り、通り掛った女の召使にタオルを預ければ、赤い絨毯の上を緩やかに歩んでいく。]
[二度って、どういう事だろう、とふと思いつつ。
でも、そこまで踏み込んで知る気はなくて]
……ん……ボク、部屋に戻りますね。
[酒盛りも始まりそうだし、と思いつつ、広間を出ようと扉の方へ]
まあ、奥方を失ったのが『二度目』という事だけは言っておきます。
それ以上は、今の私の口からはちょっと。
[それきり、この話題に関しては完全に口を噤んでしまった。
こころなしか、表情もやや暗い。]
[賑やかな室内。少女が来てからというもの、銀髪の男性の様子が少々おかしい。奥方の弟という身分にあっては無理はないのかもしれない。
丁度話題の少女が声を掛けて来て]
あ…いいえ。お役目ですから。
私のことはネリーとお呼びくださいませ。
[例え奥方の子でなくとも、この少女には罪はない筈だった。微笑んで会釈をする]
[使用人からワインを受け取り]
さて、酒宴の続きと行きましょうか。
[強引に話題を打ち切り、自分のグラスとナサニエルのグラスにワインを注ぐ。]
[問い掛けをさらりと流され、余程の事かと思いながら。
同じ疑問に行き当たったらしいコーネリアスを見る。
彼の問いも流すのだろうか?とルーサーを見る]
[扉の前に立ったまま、室内に視線を巡らす。
大人達の間では宴会が始まっているようだ。
和やかな雰囲気を見るに、彼らはもともと知り合いなのだろうか。
この館に集まってる人たちは不思議だと、改めて思う。
何故、彼らはここにいるのだろう]
本当に、大丈夫です。
…ローズマリーさんがこれを貸してくれたから。
[ショールに包まって、元気な笑顔を向ける。
けれど広間へ入ろうとする少女の姿に、確かに此処で話していても冷えていくだけと考えて、広間へと足を向ける。]
ショール一枚じゃぁ、少し寒いわ?
[少年の笑顔はとても可愛らしい。
わたしは少し考えて、ハーヴェイに頭を下げてから、
彼の後につづいて広間に入る]
―→広間―
[やや強引に話を変える様子にそれ以上訊く事も出来ず。
目の前でそそがれたワインのグラスを取って]
まぁ、言えない事は誰にでもあるから、ね。
[以前ローズに言った言葉をくり返して、グラスに口をつける。
先日のものとはまた違う、芳醇な香り]
[が、ハーヴェイに投げられた言葉に、慌てて振り向いて、]
ちゃんと、洗いましたってば!
濡らしてるだけなんてそんなこと…してませんっ!
[一瞬口ごもったのは、たまにめんどくさくてちゃんと洗ってない事もあるからで。でも今日はちゃんと洗ってるし、女性達の前だし必死に反論。
さっくり笑いながら去られたのも、もちろんお約束。]
[暫く鋭い目で牧師の目を見つめていたが、ふ…と笑みつつその長い銀の髪をひとふさ、指に絡めた。]
別に、関係のないことですよ、えぇ。
…姉亡き今では、あの人とは赤の他人ですから。
いろいろよくしてはもらいましたけど、ね。
[ 去り際に先程の侍女に何処へ行くのかと問われれば、]
一寸、煙草を吸いに。直ぐ戻ります。
……まさか、こんな夜中から森に入りませんよ。
[微苦笑を浮かべながらそう答え、重い観音扉を開けば夕方よりも冷えた夜の風が吹き込み、黒曜石の瞳を細めた。自然、僅かに身体が震える。]
あー……、上着持って来るんだった。しまった。
[ トビーの事は云えなかったかもしれないと思いつつも、其の儘外へと出る。流石に闇が深い為に崖の方に近寄りはせず、館の壁に背を凭れて天を仰いだ。]
[出ようとすれば、ちょうど居なかった面々が戻ってくる所で。
行き違いになったなあ、と思いつつ、軽い挨拶をして、広間を出る]
……さて、どうしようかな。
[小さく独りごちてから、足を向けるのは音楽室]
─広間→音楽室─
ネリー、ね。
私はヘンリエッタ。
これからよろしくね。
[これから。
自分で言った言葉に、自分でも驚いた。
ここにいなさいと、彼は言ったけれど、自分はここで何をすると言うのだろう。]
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