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─ 中央議事堂 ─
[パトラッシュは上手く動けないのか、首を横に振る>>20のが見えて視線を外し。
確認を請け負ってくれたレッグの所作をじっと見て、外れ>>17という声に目を伏せ。
響いた機械音声>>#0に、強く唇を噛んだ。]
…すみません、お願いします。
[エリカを抱え上げたレッグ>>18の後について、部屋に向かう。
エリカに向けてだろう、男性の呟きは耳に入ったけれどそれについては何も声をかけず。
廊下に出ていく彼を、呼び止めた。]
…あの。
手当、ちゃんとしてください、ね。
[撃った自分が言うのもおかしいけれど、そう、声を投げ。
返答がなんであれ、出ていく彼を見送ることなくその場に留まった。]
ケイジさんだけ、じゃなくて。
エリカさん、まで。
[死んじゃった。
そう、声には出さずに唇を動かす。
苦しさを感じて息を強く吐き出すと、同時にぽろりと涙が零れた。]
…、……ぁ…
[頬を伝う水に指を添わせようとして、左肩に走る痛みに顔が歪む。
掌を見れば、自分の血とエリカの血に濡れた赤に染まったままで。
それを見止めると更に視界が歪み、瞳から水が溢れて。
声をあげて、泣いた。]
『まもなく、定刻に、なります。
生き残った皆様は、議事堂に集まってください』
[そう告げる機械音声が早くも鳴り響いていた]
─ 中央議事堂 ─
[泣き出す少女>>26を見上げて、首を伸ばしてその頬を舐める]
わぅ わふん
[少女の言葉を受けて犬は、自分もだと言うように鳴く。
事実、この2回の撃ち合いで両方とも自分の銃撃で死なせているのだ。
それが役目だと思っているため、躊躇いも少ないのだが]
くぅん
[混乱した様子にはこれ以上かける言葉が見つからず、小さく鳴いて視線を床へと落とした]
ふーん?
即否定するんは怪しねえ。
前にもやったことあるんじゃ。
[チラリと横目で言った後、フッと笑うような気配を滲ませた。
暫しの沈黙の後、届いた言葉に]
そやね。
もう何も悩むん必要もないって考えれば。
お疲れ様だわ。そっちもね。
[廊下に出てゆくレッグの背に視線を投げながら、小さく頷いた]
えええ流石にないない!
危なすぎるでしょ生きてる時にそれは。
[横目で見られてぶんぶん、面がずれそうな勢いで首を振ってそこはきっちり否定した。
死んでも十分アレだがそこには気づいてない。]
そだねー。生き死にで悩む事はないよねうん。
ありがと。
[面の下でにかりと笑いながら、言った。]
─ 中央議事堂 ─
[集合場所から移動せずに少女の傍で伏せてからしばらくして、再び定刻を知らせる放送>>#1が流れる。
犬は伏せた状態のまま、右前足の収納スペースを開き、残った3本の小型レーザー銃の中から1本口に銜えて取り出した。
全員が揃うまでは伏せたままに。
時が迫れば銃口が正面を向く形に銜え直して、その場に座る形となる]
…… くぅん
[残るのは犬を抜いて3人。
うち1人を撃つ心算は全く無く、残る2人から選ばなければいけない。
女性なのか、青年なのか。
判ずるための情報を持たない犬は、2人が現れると注意深く観察するように見詰めた]
[銃のエネルギーはまだ残っている。
左肩の傷はそのままにしていたが、銃を撃つには支障無いと思った。
でも、誰を撃てばいいのか、迷いがあった。
一回目は、パトラッシュを撃った。
でも、死んだのはケイジ。
二回目は、レッグを撃った。
でも、死んだのはエリカ。
死んだ二人は、人間で。
その二人を、撃ったのは。]
……あの、子。
[白い犬に視線を向け、呟いた。]
死んでてもどうかと思うよ。
[幽霊に何がどこまで出来るかは知らないが。サクッと突っ込む。
ずれそうな仮面を見る目がジト目に近くなったのは、直後に笑っている辺り、多分わざと]
あんま、ありがたくはないとも思うけどね。
[フ、と息を吐くような仕種をした]
─ 中央議事堂 ─
いや……、もうこんなこと……
[聞こえてきた放送に泣いて震えながら、パトラッシュに返す言葉は震えたままで]
だって、エリカさんだって……わたし……
そんなこと……したかったわけじゃ……
[意識がはっきりしてないなかでのこと、でも記憶はしっかりと、たしかに自分が引き金を引いた、エリカを殺すために]
[女性から向けられた視線>>33には、怯むことも無く、叫ぶことも無く。
ただ静かに見返すのみで。
犬にしては冷静すぎる態度であると見えたことだろう]
[2人の様子を観察する間、尻尾は考えるように緩く左右に揺れる。
見目だけを見ても、やはり判ずることは出来ない。
分かるのは、青年の左腕が機械であることと、女性がここに来る前に泣いていたことくらいか]
… くふん
[探ろうとしても、考えても、分からないままで。
犬は困ったように耳を垂れさせる。
それでも選ばなければいけないから、犬は今ある自分の優先順位のまま、対象を定めようとしていた]
― 中央議事堂 ―
[集合場所まで戻り、ぐるりと周囲を見回す。
犬と少女は変わらず寄り添い合い、こんな状況だが微笑ましくも思えた]
…………。
[始まってからずっと、少女を守り支えよう、と一貫した態度を取り続けている犬。
悩んで答えがでないなら、その信念に賭けてそちらは撃たないのもありか、と。
ふと、そんな思考が過ぎって、消えた]
[二人に武器を向けたのは、パトラッシュだけ。
判断材料というには、あまりに薄い理由。
けれど、それ以外の理由も、なくて。
迷いながらも、銃口を向けた。]
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