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そっかそっか。人狼は黒い蓮に見えるのか。
[微笑み。報告するカーラをみて、皮肉なものだと思う。
見えるものが。唯一死んだ存在など。と]
…治療と。引き渡すのと。どっちから先にすっかなぁ
[ぼんやりと口にしつつ、まあどっちでもいいか。と*思いなおした*]
……そんなん……理屈だけで、わりきれっかよ……!
[ゼルギウスが、正論を説いているのはわかるけれど。
正論だから、受け入れられるというわけでもなくて。
ぎ、と唇をかみ締める。
傷の痛みと、カルメンの呼びかけがなければ、殴りかかりかねなかったのは、一目瞭然]
ああ……へーき。
大した事、ねぇ、よ。
[実際には、それなりの深手なのだが。
不安を与えたくなくて、空元気でこう返した]
[名を呼ばれ、顔を動かし反応を示す。
声からゲルダであることを悟り、続く言葉には]
そ、っか。
ローミュ、てあて、おねがい、ね。
カーラ、できない、から。
ぅ?
うん、ハーリ、みえた。
くろい、はす、あった。
[主語の無い問いには視えたことを告げる。
ゼルギウスに対し述べたことと同じ内容]
って、よりにもよって俺ってっ
[ダーヴィッドに赤子をといわれ躊躇する。なにせこの手は汚れてるのだ。触れるのも忌避してしまうが、さすがに床に置く勢いなので受け取って]
…そういや…よかったんかなぁ…初めに抱く男性は旦那さんのほうがよかっただろうし
[最もダーヴィッドがずっと赤子を抱いていたのだが今更のように呟く]
て、わ。
[押し当てられた上着に、短く声を上げる]
……ダーヴ?
[過ぎる困惑は、先のやり取りのためか。
それでも、すぐには動けそうもない事もあり、されるがままとなるのだけれど]
はい、お願いされます。
黒い蓮。
人狼も、花、なんですね。
[海鳥も黒に染まっていたと思い出す]
……怖いものは、見えませんでしたか?
[気遣うように、カルメンに、問いを重ねた]
へーき?
だいじょ、ぶ、なら、よかった。
[空元気の返事でも、見えぬカルメンには疑う余地がなく。
真紅の匂いがしても、別の真紅と混じり気付くことが出来ない]
だ…っ
ゼルとは、そんなんじゃ、ない、よ…
…だって。
[好きだとは言わなかった、言われもしなかった。
ずっと素直になれなくて、憎まれ口しかきけなくて。
だから。せいぜい良くて口うるさい妹分でしかないだろうと。
まだ頬は赤いながらも、冷静に呟いて。]
別に、すぐ割り切る必要はないけどな
ぁあ…俺だってもう…なんでこうなったかわからんよ…
[言葉を受け入れる様子のないユリアンに苛立つわけでもないし、こちらも聞いていないという点では同じく。ただ己の感想を述べるように]
ただなっちまった以上…俺は行き着くとこまで行き着く…流れるままに
[それが染み付いた流民というものなのか。*単なる性質かは知らない*]
でも、カルメンなら…
そのうち「いい人」が見つかるんじゃないかね?
[気休めではなく]
[だけどなんとなくそう思って]
人…人、か。
……オレは、人に戻りたかった。
何も知らずに「人」でいたかった…
[なくしたもの][二度と戻れないもの]
本当、腹立つくらい、似合わないのな。
似合ってたから今の行動が許せるってんでもないが。
[ゼルギウスの呟きには、鋭い眼差しを送るだけで、肯定も否定もしない。
逆にゲルダの眼差しに気付いても、同じ対応で]
包帯は倉庫で合ってる。
[ただ、端的な言葉を口にしただけ]
ぅ?
うーん……はす、まっくろ。
カーラ、ふだん、みてる、いろ。
こわい、ちがう。
ハーリ、おひげ、の、ひと。
でも、こわい、ちがう。
[カルメンが視ている『人狼』の部分は蓮に集約されているようで。
それ以外は特に何かが視えているわけでは無いらしい]
[ゲルダに謝罪を向けられ、カルメンによかったと言われ、ロミルダは双方に小さな声でごめんなさいを言う。
ダーヴィッドの言葉は泣き疲れもあってぼんやりしていたから、よく聞いていなかった。
それから、治療すると言われればうなずき、素直に従うのだろう]
[それから、
―――*それから?*]
[空元気に、鸚鵡が物凄く、物言いたげにしていたのは言うまでもないが。
余計な事言うな、と睨んでおいて]
ああ、大丈夫だから、心配すんな。
手当て終わったら、オカリナと星、一緒にするから。
もうちょっと、待ってろな?
[できるだけ、明るい声で言って。
ゼルギウスの言葉には、何も返さなかった。
親しい者を殺された者と、親しい者を殺した者と。
前提のズレは、きっと容易く重ならない]
うん。
カルならきっと、違う幸せも見つけられる。
[希望もこめてハインリヒに言う。
少しだけ寂しさも混じってしまったりしたが]
何も知らずに。
それもきっと幸せだっただろうな。
でもさ。
因果の糸は複雑だから、感じることのできた幸せと出会えなかったかもしれない。
それはそれで、僕は嫌だと思うんだ。
我ながら現金かなとも思うけど。
…ゼルギウス。
そこは治療を先にしてくれ。
人手があるなら手分けもできるが、そうでもないし。
[黒い蓮。聞こえる単語に惹かれるものはあれど口は挟まず]
この状態で、他の誰に預けろっての。
お前にユーリの治療を任せるのは、微妙に俺が嫌だ。
…つか、おまえは俺をなんだと思ってるんだ……。
[こんな時でもツッコミは忘れないらしい]
……そうですか。
[怖い。違う。
たどたどしい答えには、何処か安堵した様子で]
黒――闇は。
ある意味では、ビュルスさんにとっては親しいんですかね。
[ダーヴィッドの肯定を受けると、廊下へと。
一度広間に寄り布で結んで止血をした後、ロミルダをその場に待たせて、倉庫へ向かう。取ってきた包帯は律儀に台所に届けたけれど、その間、足元を見ることは無かった]
[ユリアンとロートスの無言のやり取りなぞ露知らず。
オカリナと星を一緒にする、と聞いて嬉しそうに笑んだ]
うん、カーラ、まってる。
[そう言って、出入口を通る者の邪魔にならないように極力端によって、手当が終わるのを待った]
っと、そうなのか?
[ゼルギウスとはそんなんじゃない、と言われて]
でもなぁ…あいつ、どこまでが本心だかわからんしなぁ。
[結局のところ難しいところはわからないらしい]
僕の時の比じゃなく、感情篭ってたと思うけどな。
[ローザの否定にはボソリと低く呟き返す。
色々な意味で大きな声で言える内容ではなかった。
女同士だから通じるのかもしれないものを含めて]
[空元気の声。
避けられないだろうと、額を指で弾く。
カルメンには伝えまいとする気遣いを、一応は汲んだ行動]
…何?
[困惑混じりに名を呼ばれ。
酷く、淡々とした声を返した。それはある種怒りにも似て]
[ゲルダが安堵した様子は見えねど、声から少し感じ取れただろうか。
何に安堵したかまでは分からないが]
や、み……。
うん、やみ、は、ちいさい、とき、から、いっしょ。
だから、もう、こわい、ちがう。
[昔は嫌だった。
他と違い、見えぬことが怖かった。
けれど嫌ってばかりではどうにもならない。
そう考えた時、闇は共存する相手となった。
その後は倉庫へ包帯を取りに行くゲルダの気配と足音を聞いた]
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