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― 道具屋 ―
よ、いらっしゃい。
営業時間くらいいるって。
[軽く手を掲げ『本屋』を迎える。
からりと笑いながらクレイグの言う品を出してゆく。]
そろそろかと思って用意してた。
紙にインク、それから綴じ紐。
繁盛してるみたいで結構だがメシ忘れんなよ。
[彼の請け負う仕事分に追加があっても足る量を包み
カウンターへと置いた。]
─ 道具屋 ─
ま、それもそうか。
[軽く手を掲げるエト>>72の言葉に肩を竦め。
注文した品が手際よく用意されていく様を僅かに目を細めて見守った]
おー、さっすが気が利く……って。
メシなら、ここに来る前に食ってきたってーの。
[仕事明けて出てくる度に繰り返される問答に、ため息ついて頭を掻く]
大体、ちょっとくらい食うの後回しにしたって、すぐにどーにかなるわけじゃねぇんだから。
みんなしてそんなに突っ込むなってのに。
[案ずるが故の苦言とわかっていても、つい零れるのはこんな愚痴。
一文字でも、一綴じでも多くを記したい想いの強さが現れたもの]
― 白花亭 ―
[奥から出てくる姿を認めれば、ひらり、手を振って]
やほー、おじゃましてんぜー。
[近付くのに注文をとメニューに再び視線を向けるは何時もの流れ。
が、カマ掛けにぴしりと動きを止める]
…い、いや〜ん。
一応隠そうとしてんのにそんなにバレバレー…?
[引き攣った笑みを貼り付かせ、
ぎぎぎと音さえしそうな動きで見上げる。
てへ。と零すのは最早癖のような域]
[とかやってる背後で扉の開く音がした。
口を挟む間も無く並ぶ言葉にきょとりと瞬く瞳はゆるりと笑んで]
やほー。
その様子だとメリルも飯まともに食ってなかったんだな。
[くくく、と笑う声を隠しもせずに、
振られる手に応じて左手を返す]
― ミレイユの工房 ―
[用事を済ます前にと少し寄り道をして、織師の工房へ向かう。
ここを初めて訪れたのは、まだミレイユが幼く、先代が働いていた頃だ。
父が注文していたテーブルクロスを、一緒に受け取りに行った事があった]
ミレイユ、居ますか? ミレイユー?
[ミレイユ宅の扉をノックする。
返事がなければ、さてはと思い工房へ回った]
― 道具屋 ―
[さすがと言われれば気を良くしたようでそっと口の端があがった。
続く言葉には一瞬動きが止まり、視線がクレイグへと注がれる。
はたり、はたりと瞬きを繰り返し]
おっどろいた。
珍しい事もあるもんだな。
[いつもの返しと違うそれにふっと目を細めた。]
毎度それなら安心なんだがね。
――…贅沢モンめ。
それだけ気に掛けられてるって事だろ。
クレイグも、メリルもさ。
ま、何度も言われる方の気持ちもわからなくはないが。
[分かっていると知れるから口調は柔い。
労うような色を混ぜ仕事熱心な姉弟を想う。]
― 白花亭 ―
悪ィ悪ィ。
まあ俺も出てる時は保存食くらいしか食えないから
あんまり人の事は言えやしねーんだけどもさ。
[よいせと無意味に声を上げて立ち上がり、
ひょこひょこ近付いては、相席よろし?と首傾げ]
やっぱ心配なんよ。
メリルも体力勝負のトコあるから、食わな倒れかねんだろ。
パン一個じゃちょいと色々足りてねーからなあ。
[腕組みつの笑って]
あ、サリィ。俺はステーキとスープ、それからパン。
あとサラダもよろしく頼むなー。
[ユーリに聞いたぜ、と楽しげに]
今の声。
[誰か、を考えながら、機械の前から立ち上がる。
ノックが響いたのは丁度扉の前に立った直後の事で、すぐさま開いて]
ユーリ。こんにちは。
[そこに立つ人へ頭を下げた]
[向けられた双眸に竦める肩。
『本屋』の語りに一つ二つと頷いた。]
本当に『本屋』の仕事が好きなんだな。
お前さんの手で綴られた言葉は幸せだ。
[残したい繋げたいという気持ちが希薄な道具屋は
クレイグの言葉に思い馳せ
テレーズの綴る一節を聞いた後と似た感嘆を漏らす。]
そっちの仕事が一区切りついたら、さ。
また一緒に飲もうや。
─ 白花亭 ─
じゃあゆーなよー。
[手に顎を乗せ膨れたままノクロ>>80に言い返して。
相席を求められたなら、どーぞ、と短く応えて承諾する]
集中してたら腹減ってることなんて忘れるよ。
起きた後にパン食べて、仕事してりゃ気付けば寝る頃だ。
パン1個でも不自由してないですよー、だ。
こーやって出てきた時に食べりゃじゅーぶん。
[そう言う生活を送って来た慣れと言うものだろう。
周りが言う程苦労はしていないし、特に問題とは思っていなかった]
ふーん、ユーリもサラダのこと知ってたんだ。
こりゃくーちゃん、ユーリに引っ張られたな。
[ノクロの言葉から推測したことを口にして、くくくと楽しげに笑う]
― 機織り工房 ―
こんにちは。忙しそうですね?
[頭を下げる少女にこちらも一礼を返し。
ほとんど工房に詰め通しだろう彼女を見て、目を細める]
先代から仕事を継いだばかりで大変でしょうが、無理はしないでくださいね。
[軽く微笑みを浮かべながら、荷物の中をごそごそと探り]
これ、差し入れです。
[と、紙包み入りの香草茶を差し出した]
良かったら、気分転換にでも飲んでください。
気を張り詰めてばかりではよくありませんから。
[お節介かと思いつつも、自分より少し年若い彼女を思い遣るように目尻を下げた]
─ 道具屋 ─
好きじゃなきゃ、できねーよ。
元々、本読むのは、好きだったしな。
[本そのものが好きでなければ、『本屋』と呼ばれるまでにはならなかっただろうから、そう言って笑う]
言葉が幸せ、ってのは、考えた事ないけど。
それでもそれを見て、読んで、生かしてくれる連中がいなきゃ、意味ないから。
[だからこそ、それを望む者がいれば全力でそれに応えて……以下略となるのだが]
お、いーね。
今受けてんのは修繕と、後、リル姉からの頼まれ事だから。
そんなにしないで終わるだろうし。
[飲みの誘いは断るはずもなく、に、と嬉しげな笑みが浮かんだ。
独り飲みも嫌いではないが、気の合う相手と一緒に飲むのはまた、格別だから]
― 白花亭 ―
保存食でも一応バランス考えてますー。
[拗ねたような言い方は、笑う表情に相殺される。
真似た口調は一度切りに]
ま、一回ぶっ倒れにゃわからんわな。
今のところ倒れてないようだし、よしとしとこーかね。
[承諾には、どうもー。と同じく短く返し。
ひょいと椅子に座れば左肘を机についての手に顎を乗せ]
…てコトはメリルはクレイグに聞いたんだな。
新作だってのに話が早いと思ったぜ。
[けたけた笑いながらひらひらと自由な右手を意味も無く振る]
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