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[ロランの虚ろな表情に、痛みをこらえるように眉を寄せた。
低い問いかけには小さく首を振って]
ミハイルさんが、連れて行ったから……
あたしはしらない……
[ロランが撫でて、唸りがとまる狼を見る。
それからロランへと視線を戻し]
――もう、戻れない……?
今からでも、やめられない、の……?
[幼馴染を失いたくはない。
そんな気持ちが表情に滲んで、じっとロランを見つめた]
[小さく首を振るのに、そっか、と呟いて。
すぐに踵を返そうとしたけれど。
カチューシャの視線に視線を絡められ、動きを止める]
…キリルの事は殺すつもりだったんでしょ?
じゃあ、俺の事だって殺すってちゃんと思わなきゃ。
[カチューシャの表情が必死に見えて。
思わず、少し眉を困った風に寄せて、声を返してしまった]
ユーリーを…信じるんでしょ。
[恐れるように、でも堪えきれぬように名を呼んだ。
ああ、そういえばここはどこなのだろう。
皆ここにいるのだろうか。
イヴァンも、兄も、マクシームも、イライダも]
っ、……それ、は……
キリルのことも、止めてくれるなら……ユーリーさんを説得しようとはおもって、いたよ。
――嫌だよ……おにいちゃんも、キリルもいなくなったのに。
ロランまで、居なくなるの……?
[当たり前に大切な人たちが傍にいた時間は遠い。
ぎゅ、と皮の水筒を抱きしめ]
ユーリーさんを信じていても、
生きていてほしい、って思うんだもの……っ!
[叫ぶような、悲鳴のような、そんな訴えがこぼれた]
[幼馴染の叫びが、突き刺さる。
胸元をぎゅと握って少し前によろけかけた。
目を閉じる。ぐ、と、強く唇を噛締めて、顔を背け
ぐい、と目元を拭った]
――カチューシャ、…ごめん。
俺、…有難う……そう言って貰えるのが、
とても…嬉しい。
[震える声で告げてから、ゆると顔を向ける。
真っ赤な目は、少しだけ笑っていた]
けど…
[続ける言葉。眉を下ろし、困った声。
ふるふると頭を横に振る]
…やらなきゃいけないことがあるんだ。
キリルを探しに…ミハイルのとこ、行ってくる。
[遠くから、名を呼ぶ声が聞こえた気がする。
人の耳では聞く事叶わぬ程微かなそれが届くのは、
人でない事を自覚させる、一端で。
ガサリと音をたてて身を翻した。
行き先を告げてしまったのが何故だったのだろう。
――――考えるだけの余裕は、とても無かった。]
[人の気配が無くなった。何となく見上げてみたが、いつまで経っても何も見えて来ない。
どうやら僕の視力は喪われてしまったらしい。
今が昼なのか夜なのか、僕の居る此処が何処なのかも分からなかった。]
他にも居るのかな。
[僕は確かに死んだ筈で、だけどこうして意識がある。
他の人もそうなのか。確かめようにも、何も見えなければ動きようも無かったが。]
( ───にげて )
[音にせずに唇がかたちを紡ぐ。
届かない、それがこんなにももどかしい。
……嗚呼。
自分の我侭が、遺した言葉がまた大切なひとを危険に晒す]
[意識は、ふ、と掻き消え。
次いで気付くのは、家の扉の前。
少し笑った。]
便利よねえ。
[しばらくの間、といっても時間の経過は曖昧で。
家の様子を眺めて]
ロラン……
[泣きそうなまま、ロランを見つめて。
嬉しいというロランの笑みに、安心しかけたけれど。
続く言葉に瞳をみひらき]
やらなきゃいけないことって……
――待って、ロラン……っ!
[問いかける前に、彼は行ってしまった。
すばやい動きで茂みにまぎれて離れたロランを追いかけたけれど。
森に入る前にその姿を見失って]
……ミハイルさんのところに行くって言ってた……
ミハイルさんに、会わなきゃ……
[呆然としかけたけれど、ふるふると首を振って気を取り直した。
まだ、まだ時間は、あるはず――]
[ミハイルの家の裏側へと回る。
それは、イライダを襲う時にそっと抜け出した、
泊めてもらった部屋の窓を覗きこもうとして、身を離した。
中に人の気配を感じる。ミハイルだろうと思う。
もしかしたら、ユーリーかもしれないとも思う。
うろうろと周りを巡る様子に少し警戒が薄いのは、
先程カチューシャに会ってしまったからなのだろう]
っ、ロラン?
駄目。行っちゃ駄目だよ。
……もう、いいから、
[猟銃を持つミハイルの家。
ボクはひどく恐ろしい予感に目を見開く。
ぎゅ。と、胸元に手を当てた。
そこに受けた傷は、痛みを伝えてこないけど]
──…カチューシャ、お願い。
ロランを殺させないで……!
[ひどく虫のいい願いと知りながら、
共にあった幼馴染へと、届かぬ願いを小さく叫ぶ]
[そう、虫のいい願いだろう。
殺さなければ殺される。
紅い月は今宵も天に昇るだろう。
───彼の瞳は、今宵も赤く染まるのに違いない]
――。
[何か、感じた。
旅人を弔った日に感じた、森の中の違和感に似ている。
獲物を狙う側から、狙われる側になったようなそれ。]
来た、か…?
[もどかしい思いで、手で顔を覆った。
また自分は、我侭でロランを危険に晒す。
あの時と同じだ。
14年前も、こうして彼を危険に晒した。
雨の中、泣きながら植えた花を忘れてはいない。
…なのにまた。
再び同じ過ちが、繰り返されようとしている]
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