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如何も有難う御座います。助かりました。
[ 室内に入り寝台へと寝かせて毛布を掛ければ、部屋を出る間際其の寝顔を見遣り、声は紡がずにお休みと口唇の形だけで挨拶を告げ、]
……其れじゃ、俺も休ませて貰いますね。
[ヘンリエッタの様子には気付いたか、其れともネリーに任せておけば好いと思ったか、兎も角軽く会釈をして其の場を去る。
然し自室に戻る事は無く階段を降り、厨房に入り中を見れば既に冷め切った豪勢な食事が並べられていたが、直接はソレを見ていないとは云え流石に食欲は湧かずに、紅茶を淹れたカップだけを手にして広間へ向かう。]
[ すっかりと人気の無くなった広間、ソファには睡り続ける男の姿。]
……やれやれ。
[ 心底面倒臭そうに頭を掻きつつも、椅子の一つに腰掛け紅茶を啜る。
時計の針を見遣れば、針が幾度か周回を終えている事に気付き驚く。時間の経過等、全く感じられなかった。然し其れでも、今夜は*寝付けそうになかった。*]
おやすみなさいませ。
[去って行く青年の背に、声を投げかけた。
そうしてその場に残されたのは、彼女と赤毛の少女の2人だけ。彼女は少女に宛てがわれた部屋まで送るつもりで少女を伴い廊下を歩く。
が、いざその前まで来ると、少女は彼女の服をきゅ、と掴んだ。
ああ、と小さく息を洩らし]
…私の部屋で宜しければ来ますか?
[縋るようにこちらを見上げる少女に小さく笑んで告げる。
頷くのを確認して、階下へ向けて再び足を*踏み出した*]
-ネリーの部屋・早朝-
[眩しくて自然と目が覚めた。辺りの静けさに、そう言えば雨は夜に止んだのだと気づき、昨夜の出来事を思い出す。
不安に身を起こせば、同じ部屋で寝ていたはずのネリーの姿はなく。
働き者の彼女のことだ、仕事だろうとは思ったけれど不安で、寝台から抜け出すと廊下へ出た。]
[[広間に行こうとして玄関前を通ることに躊躇った。
あの場所にはもう何もないと知ってはいても、目の裏には凄惨な光景が焼き付いている。
立ち止まり、迷う少女の目に、人影が映った。
一瞬警戒して身を強張らせたものの、昨日、朝ご飯を出してくれた使用人の女性だと気づき、胸をなで下ろす。
声をかけようとして、一歩踏み出した時、彼女もまた自分に気づいた。]
-玄関前-
[使用人の女性は、自分の顔を見てぎょっとしたように後ずさり、背を向けて走り出す。
その顔に浮かんでいたのは、まぎれもない恐怖。
何故、そんな顔をされるのか分からなくて、思わず後ろを確認したから反応が遅れた。
走り出した彼女をわけが分からないままに追い掛ける。]
ねえ、待ってよ。
どうしたの!?
[恐ろしかった玄関も走り抜けて、外に出た。
朝日の眩しさに一瞬目が眩んで立ち止まる。
もともとの距離に加え、大人と子供の差で、既に彼女とは遠く離れていた。
吊り橋の中程を渡る姿が確認し、そちらへ駆け寄る。
昨日までの湿気から比べたからだろうか、やけに乾いて感じられる空気が、咽を締め付けた。]
―早朝―
[ 昨晩迄の雨が嘘の様に、カーテンから射し込む陽光の煌きが青年の頬を照らす。]
ん……。
[ 何時の間にか組んだ腕を枕にして寝ていたらしく、緩慢に身を起こせば左肩を掴んで首を回し、指に巻いた筈のテープが取れている事に気付く。騒動の最中に失くしたかと不可思議に思いつつ、椅子を引いて立ち上がれば男の傍らへと歩み寄れば、其の頬に僅か残る筋は涙の痕だろうか。濡れたタオルを乗せては置いたが其れは最早殆ど用を為しておらず、暖炉の火が弱まっているのにも気付けば、取り敢えずは厨房に向かおうかと項に手を遣りつ広間を出た。
其れと同時、聞えて来た少女の声に何事かと視線を遣れば、外へと続く扉が開け放たれていた。其の先に見えるのは、赤髪の少女の姿。]
[橋のたもとまで追ったとき、既に使用人は橋を渡り切っていた。]
ねえ、なんで……!
[叫んで、吊り橋に手をかける。先に渡った者の所為か、揺れが激しくて一歩踏み出すのを躊躇った。
ただ、逃げ出す背中に視線を突き立てる。
自分の声が届いたのかは分からない。
遠くてこちらを降り返った彼女の表情は良く分からなかった。
その手が動き、赤色が閃く]
―自室・早朝―
[明け方にわすかにまどろめただろうか、浅い眠りから目覚め。
胸騒ぎを感じて窓の外を見れば、炎をあげて燃え落ちる釣り橋。
唖然として窓を叩くも、填め殺しの窓は動かず。]
[ 不審に思い外に出てみればヘンリエッタの叫びが聞えた。]
何をして……、
[ 声を投げ掛けようとした刹那、少女の小さな背の向こう、其の髪の赤より鮮やかに閃いた色に目を瞬かせ――其れが何なのかを理解すると同時、赤はロープへと移される。物が焼ける臭いと薄い煙とが漂うのを認めれば無意識に躰は動き、吊り橋に歩を踏み出し掛けた少女へと駆け寄り、其の小柄な体躯を抱き寄せる。]
行くな、危ない!
[ 火の回りは予想外に早く、此岸と彼岸とを繋ぐ唯一の橋は炎をあげて崩れていく。焔に揺らめく恐怖に充ちた瞳は見えずとも、其の狂った哂い声は耳に届いた。]
[向こう岸に見えたのは、長年ここに使えてきた使用人の姿で。]
…あなたですら…自分さえ逃げられればそれで良いと…。
[ぎり…と奥歯を噛みしめる。]
―厨房―
[ざあ、と水の流れる音。
広間と厨房を往復し、“最後”どころかついぞ開かれることのなかった晩餐会の痕を機械的に片付けて行く。
本来ならば2人でやるべき作業。しかし今朝隣室の扉を叩いても、もう1人の使用人の女性からの返答はなかった。
悲鳴を聞いて駆けつけた客人たちとは違い、何の予告もなしにいきなりあのようなモノ―切り離された主人の足―を見せられたのだ。仕方ないのかもしれない。
或いはそれでも尚変わらず後片付けなどしている彼女のほうが、既に何処か狂ってしまっているのかもしれなかった]
[ふと叫ぶような声が聞こえ、窓の外を見る。
彼女の部屋で寝ていた筈の少女が、橋の手前で立ち尽くしているのが見えた。
そして、その対岸には]
婦長様――?
[呟いた瞬間。
緋色の焔が、その姿を紛らせる]
─二階・客室─
[まどろみから目を覚ます。
自分がどこにいるのかわからなくて、戸惑い]
……ボク……は……。
[ぼんやりとした意識。
思い返される、昨夜『視た』もの]
……っ!
[悲鳴を上げそうになるのを、とっさに押さえ込み]
……だめ。ひとは、たよれない。
ばーちゃん以外には……わかってもらえない……。
[低く呟く。薄紫の瞳には、冥い決意]
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