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―階段上―
[本を片手に携えて、階段の方に歩いて行く。
丁度その真上に来た時、青年が階段の中程から降りて行くのを目にした]
[声を掛けようとして止め、その場で足を止めたまま、青年が階段を降りきるのを待つ。
相手が振り返ってしまえば丸見えではあるのだけれど]
─ 一階・廊下→厨房─
[ユージーンの気配には気付かぬまま階段を降りて。
こそこそと、移動する使用人すら避けるようにしてラッセルが向かったのは厨房。
そこで水か何か、直接貰うつもりで居た。
厨房の扉から中を覗き込むと、何人かの使用人が食事の準備をしている。
その手にはラッセルが取って来た作物もあり、思わずしばらくの間、扉の陰から調理の行方を眺めていた]
[音の余韻が消えた後。
セシリアの説明に、ひとつ、ふたつ、瞬く。
そちらの方面には余り詳しくはないのだけれど]
……雨と、相性がよくないのね。
[理解した部分を口にして、行ってらっしゃい、と広間を離れる背に声をかけ]
[シャーロットの唇の動きと、表情。
ふふ、と笑んでありがとう、と言葉を返す]
シャーロット嬢も、良いお年頃なのだから、もう少し飾られてもよろしいのではないかしら、ね?
[更に続いた言葉は、冗談めかした響きを帯びる]
[紅茶を飲みながら、声をかけてきたセシリアに向き直り、名乗るのにこちらも笑みを返して]
初めまして、だな。
俺はギルバート…麓の村の雑貨屋のもんだ。
暫くいるんなら、そっちの…作業に必要なもん、言ってくれれば用意するぜ?
[名前を告げながら、しっかりと営業までして。
本を抱えていくのを見送って]
……手伝った方がよかったかね、あの量。
[ぽつり]
―広間→書庫―
[まだ糊の乾ききっていないものや明日もう一度手を加えるものなどは机の上に。
背表紙の修繕だけですんだものを元の棚へ戻す]
…1割くらいは確認できたのかな……。
[改めて書庫を見渡すと、暗闇の中に大きな書架が整然と並んでいる。
なれないものが見れば不気味だろうその光景が、セシリアにとってはとても心地の良いものだった。
たくさんの記憶がここに収められている]
[ゆっくりと大きな呼吸をして、満足げに部屋を出た]
[ギルバートの呟きに、抱えてきた時の様子をふと思い起こし]
そうねぇ。
エスコートしてあげていい場面だったんじゃないかしら?
[返すのは、からかうよな口調の言葉]
[キャロルにありがとうと言われ、続いた言葉に少し驚いた表情、
そして微かに首を横に振り、困ったように赤くなり俯き加減に。]
…
[冗談めかした響きとはいえ自分が歳の割りに子供っぽいことは屋敷の来客達と比べれば感じること。
ハーヴェイに会ったときに先ほど言われたこともあり気恥ずかしい気分になっていた。
ちらりとキャロルに視線を向けてから改めて自分との違いを大きく感じた。]
……
[浮かべるのは困ったような笑み、自分にはやっぱりそういうアクセサリー等は似合わないと思ったから。]
―廊下―
[ここに来てからもう何度も往復した廊下を歩く。
ここをまっすぐ。次を右へ。
ふと左手からいい香りが漂ってくることに気づいた。厨房だろうか?
そちらの方向を見ると、ラッセルの姿が見える]
(顔をあわせたら会釈するだけ!
向こうが気づかないならそのまま通り過ぎよう…)
[廊下を通過するだけ。
それだけのことがまるで綱渡りのように感じられる。
息を止めて足音を殺し、そっと通り過ぎる]
― 一階廊下 ―
[青年が振り返ることは無く、その姿が見えなくなった頃、墓守もまたゆっくりと階段を降りて行った。
足は当初の目的通り、書庫のある方向へ向けられている]
孤児 トビー が参加しました。
[お金を貰った。だから付いてきた。
言われたことは、目を離さないということだけ。
だからいつだって、ただ見ていただけ。]
出て来ないなぁ
[握ってるお金を取り返されたら、また偶然を待たなきゃいけない。
スリは何度もやったけど、殴られたり蹴られたりもするから危険。
死んだ人の荷物は漁ったけど、バレたらやっぱり殴られた。
全部没収。割に合わない。
偶々「目を離さない」ように言い付けられたのも、バレたら殴ったり蹴られたりしたんだろう。
運良く気付かれる前に、離れられたから良かったけど。
割の良い仕事っていうのは、どうしても危険だ。]
仕方ないや。中行こうっと
見られちゃ駄目なんて、言われてないし
[そうと決めたら行動開始。
細い吊り橋を渡って、大きな戸を叩く。
目を離しちゃいけないんだから、しかたない。]
[シャーロットの浮かべる、困ったような笑みにあら、と短く声をあげ]
ごめんなさい、困らせるつもりではなかったのだけれど。
[僅かに眉を下げて、謝罪を口にする]
でも……そうね、シャーロット嬢には、こんな腕輪の類はあまり合わないかも知れないけれど。
髪飾りとか、そういう、さりげない物は似合うと思うわ。
とても、綺麗な髪をしてらっしゃるし。
追跡者 カミーラ が参加しました。
追跡者 カミーラがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(追跡者 カミーラは村を出ました)
[エスコート、と言われて少し苦笑して]
ま、今回はちょっとタイミングが合わなかったって事で。
一応、普段は優しいんだぜ?これでも。
[どこか照れ隠しのように紅茶を飲み干して、シャーロットの方に視線を向けて]
お嬢さんなら、小ぶりでシンプルな物が似合うと思うぜ?
[今までの話を聞いていたのか、それだけ言って]
─厨房前─
[覗き込んで居たのに気付かれ、使用人が声をかけて来る]
ぁ、あの……。
水……ちょうだい。
[引き気味になりながらも、希望を口にすると、使用人は微笑んで水を用意してくれる。
グラスに入ったそれを受け取ると、逃げる勢いが如く踵を返し、一歩足を踏み出した。
その方向に見えたのは、セシリアの姿]
───っ!?
[驚きも含めた身の硬直。
グラスを両手で胸の位置で抱えた状態になり、踏み出した足が今度は後ろへと下がった]
武芸者 マンジロー が参加しました。
―玄関―
[東洋の装束に風呂敷包み、草鞋に編み笠。腰には刀を差した男が館の玄関に立っている。その姿は周りの景色にくらべても、余りに不釣合いだ]
たのもう〜ぅ
我は旅の者でござるが、一晩宿を貸してはいただけぬであろうか?
[しばし玄関先で立ち尽くし、やがて声を聞きつけて来た使用人に中へと招き入れられるであろうか]
あら、そうですの?
なら、次にはそれが発揮されるのを期待しておきますわ。
[苦笑するギルバートの言葉に、たのしげな笑みでこう返す。
続いた言葉には、瞬きひとつ]
あら、意見の一致。
私のように、目立たせるためのものではないものねぇ……。
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