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[店を出たところで]
[ランディがこちらにやってきた]
こんばんは、ランディ。
大丈夫だよ、あとはこれをシャロンさんに渡すだけ。
クローディアさんの回復用にね。
[手にした袋を見せて]
何だか今日はスッキリした様子じゃない。
ランディも酒場行くでしょ?
[そちらへと促しながら]
[笑いかけた]
─回想・幼い頃の広場─
…なんだ?おまえ。
[見かけない少女がいつもの遊び場にいるのを見つけて、訝しげに歩み寄る。]
おまえ、どこのこ?
なまえは?
…へんなヤツだなー。
[話しかけても答えず、無表情なままの少女に首を傾げて。
むぅ…と小さく唸る。]
わらえよ。
…うちのかーちゃんがいってんだ。
おんなのこは、わらってんのがいちばんかわいーんだって。
[気を取り直して1階の隅でリエータと遊び始めた、その目の端で。
ディーノの唇が「ごめん」と動いて苦笑いしているのを確認する。
冗談だったのに、真面目な奴だなあ。とちょっと呆れて。
あとでこれをネタに苛めてやろーか。
口の端が小さく持ち上がった。]
それに……ある意味では、恩返しでもあるから……。
[ぽつり、と。
微かな憂いを帯びて、小さく小さく紡がれた言葉は、届いたかどうか定かではなく。
呟きと共に、ほんの一瞬浮かんだ翳りもすぐに消え去って]
……そう言えば、まだ、寝てるのかな?
[それからふと、こんな呟きをもらす]
〔フランに微笑を返しつつ〕
ああ、ちょうど酒場で腹ごしらえをしようと思って向かっていたところだよ。
さっきまで珍しく眠れたおかげで、今日はスッキリしてらぁ。寝てただけで一日終わっちまってもったいねぇ気もするけどな。
〔と、笑いながら、フランの手荷物を持ってやる〕
[エリカの最初の呟きはおそらく聞き取れなかっただろう。自分も考え事をしていたのだから。辛うじて聞こえた後に呟きには僅かに首を傾げて]
寝てる?
誰が?
えーい!わらえ!わらえっての!
[困惑する少女の前で、いきなり唐突に。]
ひっさつ!へんなかおこーげきっ!
さらに、ぱーとつーだっしゅ!
[あまりのことに、思わず少女も吹き出して。
しばらくふたりで芝生の上で笑い転げて。]
…ふぅん……で、おまえ…なまえは?
〔ふと、夜空を見上げつつ〕
俺の連れ合いが事故にあった夜と、昨日の月明かりが、同じように冴え冴えとしててさ。
珍しく思い出しちまってよ。
クローディアの蒼白な顔とダブっちまってさ…。
人間、ネガティブなのはダメだな。
〔フランを見て微笑む〕
お前みたいに元気なのはいい事だよ。
〔親父なりに褒めている〕
[袋を持ってもらえば]
[ありがとうと言って]
一日中寝てたんだ。
ランディもお疲れだったんだね。
無理はしちゃだめだよ?
その、さ。
こんな状況だけれど…。
[少しだけ口ごもりながら]
[そっと彼の手に触れて]
たまにはいいじゃない。
その分これから頑張ればいい。
[すぐに手を離すと]
[小さく笑った]
[籠に入れた野菜を持って宿に入ってくる]
[カウンターの中に入って一つ一つ仕込みだす]
[皆の話に耳を傾けながら、鼻歌交じりに]
……え。
[完全に独り言のつもりだったためか、問いを投げられた事に、一瞬戸惑う]
あ……レッグ、起きてこないから。
まだ、寝てるのかな……って。
[大人しくしてるなら、それでいいんだけど、と呟いて]
熱、出てるかもしれないし、様子、みてきた方がいいかなぁ……。
[呟く様子に気づいたのか、黒猫がほんの一瞬、呆れたような表情を見せたかも知れない]
─宿二階・客室─
…エリィ。
[うっすらと目をあけると、部屋は既に真っ暗で。
窓からさす月明かりだけが、わずかに室内を照らしている。]
夢、かぁ…。
[薬のおかげか、熱はだいぶ下がったようだった。]
[ふと。嗅ぎ慣れない――でも嗅げばすぐにそうと判る――そんな匂いの気配を感じて、身体が止まった。
知らず、視線を2階の階段へと走らせる。
その匂いの意味は深く考えることなく。
ただ、脳の奥に、厭な予感が突き刺さった。]
[一緒に空を見上げて]
そうだよね。
クローディアさんって。
[似ているって話だしと]
[自分の記憶にはもう薄いその人の顔を思い浮かべ]
だってみんないらいらしたり。
落ち込んだりしやすいんだもの。
あたしくらいは元気でいないと。
[ありがとう、と]
[微笑を返した]
〔触れられた手の暖かさに、孤独が癒されたような気がして、柔らかい気持ちになる〕
そうだな。
俺はまだ生きてる。時間はたっぷりある。
やっぱいいよ、お前は。
お前といると楽しいよ。この親父でも。
〔くしゃり、とかるく頭を撫でる〕
ああ、グレッグ。
昨日あのままここに泊まったんだったよね。
そう言えば姿を見てないけど…大丈夫かな。
[怪我だけでなく具合も悪そうだった昨日の様子を思い出す]
心配なら、見てきた方が良いんじゃないかな?
もし熱が出てたら自分じゃ助けを呼べないかもしれないし。
ちょっと。
いつまで子供扱いするのよ。
[頭を撫でられれば]
[そんな文句を言いつつも]
[まんざら悪い気はしないらしく]
そうそう。
生きているんだから楽しまなくちゃ!
[髪の毛を押さえながら]
[にっこりと笑った]
おいおい、礼なんて言うなよ。
俺が礼を言うほうだろー。
〔なぜかくすぐったい気持ちになり、視線をそらす〕
さ、シャロンにこれ渡すんだろ。
腹も減ったし、行こうぜ。
〔少し足早に宿へと向かう〕
朝、薬は届けたんだけどね。
ちゃんと飲んでればいいんだけど……。
[小さく呟いて。
見てきた方が、と言われれば、素直に頷く]
ん、そうだね、怪我も診ないとならないし……。
眠ってるなら、戻ってくればいいんだし、ちょっと行ってみるね。
[こう言うと、座っていた椅子から下り。
主人に部屋の場所を確かめて、ぱたぱたと駆けて行く。
黒猫がその背を呆れたように見送っている事に、パトラッシュなら気づくかも知れない]
[幾許かいつもの調子が戻ってきて、チーズを自分の前に垂らすと、あむっ、と口の中に放り入れる。その味を楽しみつつ視線を巡らすと、2階を見上げるパトラッシュが見えて]
ん?
どうしたのパトラッシュ?
[不思議そうに声をかける。頷くエリカに気付けば、行ってらっしゃい、とその姿を見送って]
[扉を開ければすぐにシャロンのところに向かい]
ごめんね、待たせちゃった。
はい、これのなかに入れてあるから。
[ランディに持ってもらっていた袋を]
[シャロンへと渡した]
[皆の話に耳を傾けつつ]
[視界にパトラッシュが入り]
ふふ、良かったら食べる?
[でも食べれるのかな……と首を傾げながら]
[トマトを差し出してみる]
[眺めやった階段を、エリカの後姿が駆けていく。
にぃ、と隣で鳴いた存在に、はっと気付いて。
見ればリエータが呆れたように自分の主人を見送っていた。
気のせいか?
気のせいだな。
独りで呟き、反芻し、納得して。
ディーノに不思議そうに問われれば、いや、なんでも、というようにゆっくりと尻尾を振った。その表情に不安の影は浮かんでいたろうか。]
[シャロンが、フランから袋を受け取ると、ニコリと微笑んだ]
ありがとう・・・。
クローディアは、みんなに愛されて、幸せものね。
[フランから袋を受け取ったとき、丁度、食事も出来たようで、彼女は片手に食事を持って、袋を腰にくくりつけ、薬を懐に入れて、階段を上った]
〔フランに袋を渡すと、宿の主人に食事を注文する〕
〔カウンターにいるディーノとパトラッシュの近くに座る〕
よぉ。
昨日は小さいお客が、お前の事を首を長くして待ってたぜ。
今日は披露してやったのかい?
〔気軽に声をかけた〕
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