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>>350
[”誰を占うか。”
雑貨屋の少女の言葉にはっとした。
狼と疑うものなど、自分にはいやしない。]
私は、今二人が狼と誰かを告発したとして、その人を、ミッキーとおばあちゃんのどちらかを信じることを選べない。
それよりも、狼とは思えない人を確かめてもらって、二人から狼ではないと言われたらその人は処刑しないで済むのならそうしたいわ。
その人たちだけは解放してもらう……と言うわけにはいかないのでしょうけど。
[狼の協力者と言う言葉が頭を掠める。本当にいるかはわからない。ただ、村人の中にその疑心がある限り、たとえ人と証明されようとも、自分達がこの村で真に信用されることはないのではないか。そんな思いが、ふと胸を突いた。
馬鹿馬鹿しいと笑いたかったが、口からこぼれたのはため息だった]
わかんねえよ。
俺にだってわかんねえ。
だって、昔から知ってるばーさんが、こうやって人狼かもしれないって状態なんだ。誰が人狼かなんて、わかるわけねえよ。能力がなければ、俺だってみんなと同じなんだ。
誰も疑いたくねえし、誰も信じられねえ。
一番、信じたいのはネリーだ。
だけどネリーだって、ばーさんと一緒かもしれねえ。不安だから見分けたい気持ちは、ある。
ただ、どういう人が狼なのかって言えば、嘘をつくやつだろうな。隠し事があるはずだろ。
この中で嘘をつくのがうまいやつは……誰だ。
[ミッキーは皆の顔を真剣に見ている]
[デボラの声に、デボラとネリーを見やる。
それからカミーラの様子に、少し悩む。
言葉が、自分も、堪能ではないから、あの言葉をしゃべれるとは思わなかった。
そしてユージーンの提案に、口唇を噛む。
誰を、見てほしいか。
怪しいか怪しくないか、分からなくて、悩む。
と、ネリーの回答の声を聞いて、]
……幽霊?
[困惑の声をあげた]
[ユージーンの声に]
誰を、調べたいか・・・
[露骨に顔を見ることがなんとなくいやで、瞳だけで辺りを見回した。
誰を・・・
村の人はいやだ。
人狼なんて、きっと他所から来た人だ。
そうだよね?]
婆に授かった力をどう呼ぶかも、人それぞれでいいさ。
伝え語りにも、色々と違った話が残されていたからねえ。
まあ便宜上、『占い』と呼んでおくかな。
…何故、念のため、なんですか?デボラさん。
幽霊。死んだ人の、何でしょう…執念みたいなの…なのかな。
だから。だからもし人狼が死んだ時には
きっと、それと、分かることが出来るかも知れません。
私は。誰か調べるんだったら、カミーラさん…の事が、ちっとも分からないから。調べて欲しいと思いますけど。
[うつむき加減で、向けられた幾つかの視線には嫌そうに]
〔会議室へ戻ってくる〕
少し落ち着いたよ。
どちらが本物の能力者かは、今まだ見当もつかない。だが、同じ誰かを見てもらうべきなのだと思う。
[数週間前に誰かの言った言葉を、そのままなぞる自分が嫌だ]
だが、誰を…?
[カミーラの声に、その女性を見やる。
混乱する中で考える。
カミーラは、あの喜んだ様子が忘れられない。楽しんでくれた様子が忘れられない。
ネリーも、そうだ。そしてギルバートは嘘をついているようには見えず、そしてミッキーとデボラが見分ける人。
誰が、人狼、なのか。]
婆はシャーロットからネリーと同じ力を持つという返事がない限り、シャーロットを占うよ。
そしてもしもの時は、セシリアを指名しよう。
[眉を顰める。]
こんな時にドーナツ?
…人狼がどんな者か分からないけど、あたしは何を考えてるのかわからない人を調べて欲しいわ。
[ドーナツを差し出す動作が呑気に思えたセシリアと、言葉がわからないらしいカミーラを交互に、悩みながら見つめる。]
[黒髪の見慣れない娘。確か、怪我をして運び込まれたと言うようなことを聞いていた。
言葉もろくに喋れないような娘をこんな場に放り込んで、狼を探せと言うのか。
カミーラを差して、皆に訪ねる]
彼女も、私達と同じように……?
言葉も通じないものがどうやって狼を探すと言うの。
だから、ネリーさんは嘆き島が気味悪くないかと尋ねたのですか?
[彼は、ネリーをじっと見つめた。]
カミーラさんは、何も分からないけれど…しかし怪我をしていました。人狼…でしょうか?
うーん、誰を見てもらうか・・・か。
私は正直わかんないけど・・・。
近所でよく見るリックがいいかな。どちらもリックが人狼でないと言ったら無実なんでしょう?
・・・子どもが無実なのにずっと疑われてるのは可哀想だし。
人狼を見分けてほしい……でも、
おれにはわからない。
なら、わからない人を見分けてほしいです。
おれが見分けてほしい人は……
[考えこむ。調書を開いて、]
……[あまり自分と話をしていないシャーロットを見た。]
[デボラの口から急に自分の名前が出たことにびっくりして]
え?
私ですか?
・・・いえ、私は見分けたりなんてできません。
[きょとんとして答える。
なんだか怖いけれど、これでこんな間違った世界から免除されるのなら願ってもないことだった。]
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