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同じ言葉を返してやるぜ、ユリアン。
引き返すなら今のうちだ。
[温度のない視線を受け止めるのも氷の色]
俺は俺の信じる相手を見つけた。
俺にも出来ると確信できたからな。
[ダーヴィッドの姿をみとめれば、身体は回復したか、と声をかけ。
カウンターの隣に座るなら、まだ本調子ではないだろうからと茶を頼んだ。
ふと、視線を感じて辺りを見ると、朝、幼馴染を守ると言った少女に気付く。
だが、朝のあの決意を秘めた強い瞳ではない少女に違和感を感じ、ダーヴィッドに断ってからその側へと向かいリディとルーミィに問いかけた。]
…何か、あったのか?
やれやれ、怖いねぇ。
両方とも怖ぇ顔してるクセに、このどっちかが一芝居うってるだけなんてさ。
[揶揄うにも似た言葉を口にして、肩を竦める。
2人とも本物――そんな思考など、端から持っていないかのような言葉]
旦那……?
[はっきりとした、断定の言葉が聞こえ、瞳をそう、とそちらへ向ける]
事例がなかった、って……。
なんで、そんなにはっきり、言える……の?
[フーゴのどちらかが偽者であるという言葉を聴き、そしてアーベルとユリアンのやりとりを聞いて、オロオロと両者の間を目線を行き来させた]
うぃぅ…。どうしたらいいんだろ。
[ヴィリーに掛けられた言葉に、ふわりと微笑んで。]
はい、もうすっかりと。
ご心配をお掛けして申し訳ありませんでした。
[と告げて。
ヴィリーが頼んでくれた茶を、ふーふーと冷ましながら飲む。
ヴィリーが席を立ってリディたちの方に向かえば、お茶を啜りながらこてっと首を傾げた。]
みゅう。
[されるがままに、ヘルムートに抱きかかえられ、ライヒアルトのそばへと持っていかれた。
覗き込まれても表情は一切変わらなかったが、その手に触れられそうに鳴ると、その手を跳ね除けた]
……。
[それは特に何の反応も無かった野生の動物の頭を撫でようとした瞬間に、その手を食いちぎる様によく似ていたかもしれない。
だが、その瞳に体に感情は無く、ただ無表情のまま、すぐにその場所から離れると、適当な場所でまた床に座り込んだ]
みゅう。
[アーベルの答えにはふん、と小さく漏らし]
……俺は余所者だからな。
信用されると踏んでのことか。
[そして意識は次いだフーゴーの言葉に流れ。
クロエの問いに同意するようにそちらに目をむけた]
風邪…に、しては……。
[うまくことばにならないというふうに、声をつまらせる。
身じろぎとともに、また鈴がひとつ鳴る]
ヴィリーさん…。
[くびを横にふるのは、分からないと伝えるため]
おやおや、随分と嫌われたものです。
[額に伸ばした手は、叩かれ。
生物学者は、無表情のまま深い溜息を吐く。]
…――リディさんに嫌われたようなのですよ。
私には、やはり、誰かを護るというのは難しいようです。
[幼馴染みが問いかけたのは自身ではないが、
碧の眸をヴィリーに合わせて、自嘲めいた唇の端の形を作った。]
嗚呼、風邪でないにしても、
寝かしつけた方がいいのでしょうか、ね。
[ヘルムートの言葉も受けて、
もう一度困ったように溜息を一つ吐いた。]
……アーベル、そのタロットはくれてやる。
好きに使え。
[占い師だと名乗り出た青年にタロットを指し示しながら言い放つ。占う手段がそれなのであれば、持って居た方が良いだろうと考えて。
クロエの問い返しには、俯き加減で右手を額に当てながら長く息を吐いた]
──………知ってるからさ。
今まで起きた審問の系譜をな。
[明かそうと、心に決めた。今必要なのははっきりとした情報だと、そう考えたために]
知ってる、から?
今まで起きた……系譜?
[返された言葉。
『審問』という単語は、今ひとつ馴染みがなくて戸惑う、けれど]
……知ってたから。
だから……あの時、ウチに、ああいう聞き方した……って、コト?
[投げられた問いかけ、その理由。
ずっと引っかかっていたその事を、再び、疑問として紡ぐ]
でも……なんで?
なんで、そんな事、知ってるのさ。
[側に寄っていったところで、幼馴染の手を払う少女の仕草を目の当たりにし。
あれだけ幼馴染を守ると言った少女のすることと思えず、目を瞬かせる。
だが、その仕草自体はなぜか見覚えがあるような気がして、記憶を掘り起こそうとした時ルーミィから戸惑ったような声で名を呼ばれ引き戻される。
ルーミィには言いたい事は伝わっている、と頷きで返して]
…リディ、どうした。
ライを守るんじゃ、なかったのか。
さてね。
[鼻を鳴らすユリアンには短く返し]
……ああ。
こっちから頼むべきだった。悪い。
[タロットを貸すというフーゴーに感謝を伝え。
続いた言葉にマジマジと見た]
系譜を知っているって。
まさか…玄人?
[結社があることは知っていた。だがまさか本当にこの場にその構成員がいるとは思っていなかった。
まだ何かを忘れている。結社員はどうだと噂で聞いていた?]
[目の前で広がっていく情報と会話についていけず涙目になる。その一方で何か、大事なことを忘れているような気がしてならず]
…処刑。
[思い出したくなかった言葉を思い出し。思わず口からこぼれでた]
[ライヒアルトの手をはじき、床にすわりこむリディに、きょとんと]
アル先輩、きらわれたって…なにをしたの?
[ふだんなら、ふけつぅ、などと言いそうなところ。
さすがに場にそぐわないことで、口にはださなかったが]
おんなのこにもやさしくしないのは、知ってるけど…。
[だからこそ、寝かせるかまでいうのは、珍しいとも内心おもう]
そうねぇ。
こんな状況だし、ゆっくり寝かせてあげたほうがいいのかもしれないかしら。
[ゲルダを放ったらかしにしているような現状も、妙に断言するフーゴーの言葉も気になるものの。
目の前の少女と幼馴染を放っておけるわけもなく。
幼馴染の言葉には、そんなことは無いだろう、と首を振るも根拠のある否定は出来なくて。]
…風邪、というわけでは、ないようだが。
……休ませた方が、良いだろうか。
……ああ。
わざわざ部屋から出て見つけに行くなんてことは普通は出来ねぇ。
ただ散歩に出て偶然見つけたと言う風にも見えなかった。
だから、もしやと思ってな。
[額から手を離しつつクロエに答えて。続く問いには左腕の袖を捲り上げた]
───俺が、結社の一員だからだよ。
[示された左腕には獣の噛み痕、その上に絡み付くように茨の棘を模した銀の細工が埋め込まれていた。棘の中心には花を模した銀の細工も埋め込まれている]
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