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―集会場・広間―
あの中にさ、『サイキッカー』っていたのかな。
[特に潜めもしない声は何処まで届いたか。
室内では他の話し声もしていたが、こちらの耳には殆ど入ってはいなかった]
……。
[独り言とも、傍の者に話しかけていたともつかぬまま、話はそこで途切れる。
端末を取り出して、表示される時間を眺めた]
もうすぐだね。
─集会場・広間─
[時間が迫る中、自分の銃にはまだ手を伸ばさず。
翠が見定めるような動きを続ける]
[視線の合った同僚の表情に気付くも、それに答えることは無く。
ふいと逸らされた翠はまた別の人物へと向いた]
一人、足りませんかね。
[広間に居る者、席を外した者の数を数え口にする。
その一人が集会場の入口まで来ていることにはまだ気付かぬ態]
―集会場・個室→広間―
…ああ。
[懐に手をやる動作は少しの疑念を心に残す。
尋ねかけて、やめた。
武器が別にあるかもしれないと、そんな警戒を残しながら一拍遅れで後に続く]
……俺も、そうならないといいとは、思う。
[小さな呟きは、少し距離が開いた後では届いたかどうか]
─集会場・広間─
面倒…か。
[主や同僚の言葉を、自分も小さく唱えた。
面倒、厄介、そんな単語がよぎる。
だからといって、どうにもならないが。
表情には微か影。それを隠す事は、出来ない。
それでもじっと、時が来るまで腕は指一つ動かない。]
―集会場・広間―
[広間に向かう途中、後ろから聞こえた声はかすかに途切れ途切れに聞こえて、耳がぴくりと動く。
そこからは二人沈黙のまま広間に着き]
ナターシャは…まだきてないのか?
[広間にいる人たちをぐるりと見回してそう尋ねた]
『まもなく一斉射撃の時間となります。
市民の皆さんは集会場広間に集まり、義務を果たしてください』
ただ短い事実だけを伝える無機質な放送が流れた
─集会所・入り口─
……ずっと此処に立ってても、ダメ、よね。
[今からすることは、出来る限り後に回したくて。
それでも、時間は刻々と近付いている。
どうしてこんなことになったんだろう、そう過ぎればじわりと涙が浮かんできて]
…あぁ、もう。一度泣いちゃうとダメね。
[ごし、と乱雑に涙を擦って、中へと足を進めた。]
[]
─集会場・広間─
[聞こえてきた無機質な放送に、ひとつ、息を吐く]
……やれ、やれ。
[零れた言葉は、嘆息のような、ぼやきのような。
広間に入ってきてお辞儀をするナターシャには、軽く、会釈を返して。
自身の武器に、ゆっくりと手を伸ばした]
―集会場・広間―
ん、あれ。
そういえば。
[執事とパトラッシュの言葉に、やや身を起こす。
首が動き、視線は広間を巡って、示された人物が足りないことを確認した。
片眼が割れたままの視界では少し時間がかかったけれど]
あとからくるって、いってたよね。
─集会場・広間─
[ようやく現れたナターシャに気付けば、この状況でも礼を欠かさぬように会釈を返し]
………遅いお着きで。
[低く呟いた言葉は相手に届いただろうか]
─集会場・広間─
ナターシャさん?
[確か配給の時会った女性の方だったようなと思っていたら
丁度彼女がやってきたので微かに頭を下げた。]
―集会場・広間―
[聞こえた機械音声の放送にため息をひとつ]
そうせかしてもらいたくないものだ。
[ナターシャがくればそちらに視線をやり、お辞儀をする様子に]
遅かったな、時間ぎりぎりだ。
[そう告げてから、腰のホルスターに前足を伸ばして、
整備済みのそれを握り、ゆっくりと引き抜いた]
─集会場・広間─
[広間に足を踏み入れたと同時に、あの無機質な声が集合を促すのが聞こえ。
これから成さねばならぬことを思い強張りながらも、中に居た人たちにもう一度頭を下げた]
…遅くなりました。
[頭を上げても顔は伏せたまま、胸に抱いた袋から中身を取り出せぬままで。]
―集会場・広間―
おかえり、ナタさん。
[挨拶の言葉を口にして、端末を閉じた。
それをしまう代わりに、懐から取り出すのは小さな銃器。
住宅街で一度使ったきりのそれに、じっと視線を落とした]
―集会場・広間―
[誰が誰を撃つのか。
強張った顔の視線はメイドを見る時には睨むようなほど]
……。
[唇を引き締めて、刻一刻と近づく時間を数える]
─集会場・広間─
[マイルズの家の執事…ジョエルから、遅いおつきで、と言われれば弱く微笑んで]
…友達を、探してたの。
約束、してたこと…守りたくて。
でも、遅くなってごめんなさい。
[パトラッシュからも声をかけられれば、そちらにも頭を下げて。
エリカから名を呼ばれれば、そちらにもお待たせしてごめんなさい、と。]
─集会場・広間─
[一度目を閉じ、先の騒動では掴むだけに終わった自動拳銃を取り出す。
目を開き、黒光りするそれを見つめてから、視線を上げた]
…………。
[如何なる結果が出るのか、今は考える事はせず。
ただ、手の中の冷たい重さに、意識を向けた]
─集会場・広間─
[ナターシャを見た後は、やや視線を落とし周囲を確認する。
誰を撃つのか、誰が撃つのか。
それは見定めなければならない。
レッグの視線は感じたが、それに対し反応する事はない。
ズューネに対し他の人が投げる視線と同じ種類のそれだったので、彼が自分をどう思っているかは容易く知る事ができたが。]
─集会場・広間─
ただいま、ノブくん。
[ノブからお帰りと言われれば、弱い笑みのままそう返して。
こんな状況でも変わらない彼の口調が、けれど自分には少し救いのような気がした。
ずっと腕に抱いていた袋から、小さな凶器を取り出し。
袋を足元に置いて、そっと銃を両手で包むように持ったが、その手は震えているのが他人の目には明らかだったろう。]
─集会場・広間─
……そうでしたか。
[理由を述べるナターシャには短く言葉を返すのみ]
[時間ギリギリまで利き手は身体の横に。
間際まで周囲の様子を観察する]
―集会場・広間―
そうか……
[その結果はどうだったのか、約束はなんであったかはわらないがきっと大切な友人だったのだろうなと思ったりしながら]
ナターシャ、下手に狙いをはずす方がかえって相手を苦しめることもあるぞ。
[素人相手に、言っていることは無茶なことだったかもしれない。
手にしたリボルバーを構えて向ける先は……]
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