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[ユリアンの声が聞こえるとすぐにアーベルから離れて、
アーベルの影に隠れていた自分はきっとユリアンからは見えていなかっただろう]
あ、酒か?
別に構わないぞ厩舎。
[言葉を返す様子はいつもどおりを装い]
あんまり飲みすぎて倒れたりとか、女の子に襲い掛かるなよ?
[きししと笑いかけて]
私は開いてる部屋の掃除してくるな。
[そう言い残してその場を去ろうとした]
―宿屋食堂―
なんだ、忙しいみたいだな。
[愛想のないブリジットの迎えの言葉に
僅かばかり苦い笑みを浮かべて]
ま、本業の最中なら仕方ねぇか。
[ゼルギウスからの声もかかり]
ん?
ああ、部屋なら構わないぞ?
確かに毎回ここに集まれっていうなら、イレーネもゼルギウスも大変だろうしな。
[お互いの体のことなど思えば確かにそれがいいだろうと]
あ、代金はいらねぇぞ。
[と、お金の話は皆に話したの同じ理由を告げながら先手を打っておいた]
―宿屋 食堂―
……そう。
[団長の死については団員から知らされただけで、詰所には行っていない。
冒涜しないという言葉にも、執筆の理由にも、疑う様子なく頷いて]
それもそうね。
[笑ったブリジットに、少し表情を緩めた後で]
あなたは、何か知っていたりするの?
その、……人狼について。
[小説家という職業柄、伝承についても詳しいのではないかという思いから、問いを発した]
―宿屋食堂―
ああ、修道院に戻ってた。
あと自衛団とこにも寄ってきた。
……ミハエルは、と。
[ゲルダの声に答えゆると辺りを見回す]
自衛団長殿、銀の剣はちゃんと持ってたみたいだな。
ただ剣は抜かれていなかったらしい。
腰に帯びたままだったそうだから
隠れてみえなかったのかもな。
[ぽつぽつと詰め所で聞いてきた事を述べる]
─宿屋内─
おわと。ゼルギウスさん。
ご夫婦もこっちに泊まり込みか。うん。
[アーベルとゼルギウス。
候補者二人を交互に見て、すっと目を細めた。
ここはまだ見極めきれない。ならばやはり、もう一つの力の持ち手を護るのを試してみるのが今はいいのだろう]
―宿屋 食堂―
[人狼について問う声は顰めたもので、ブリジット以外の者に届いていたかは分からない]
小説家さんのお仕事を見学させて貰っていたの。
ついでにちょっと質問をね。
[ライヒアルトの心中は知る由もないが、問いかけにはそう答える。
嘘は言っていない筈だ]
─宿屋・食堂─
……ああ、ゲルダ。
[そう言いながら、顔を上げ、そのままぎしりと背もたれに体重を預ける。]
クロエならさっき戻ってきて、今は部屋に荷物を置きに行ってるはずだ。そろそろ下りてくるんじゃねぇか?
ベッティはきょろきょろ誰かさん探してたから、宿屋のどっかにいるんじゃね?
[逆さまの世界に立つゲルダを見ながら、問いに答えた。]
―→宿屋・自室―
まぁ、そういうのは信用してるからよ。
軽い冗談だ。
[先制した言葉が功を奏したか、そもそもそんなつもりはユリアンになかったのか、
ユリアンから返された言葉にはそう言い残し、その場を後にした。
幾つかの空き部屋を掃除を終えると、そのまま自室へと戻っていった]
─宿屋・自室─
そっか、本当に誰にも言って無かったんだね…。
じゃあ、僕も黙っておくよ。
僕がゼルギウスの事を君に教えたように、明かせる人が出来たら言えば良いと思う。
[親しい人にも打ち明けられないものがあると言うのが、どこか自分とも重なって。
刻印のことを口外しないことを約束する]
人狼に取ってクロエの力は、ゼルギウスのような力よりは脅威ではないだろうけど…。
ゼルギウスの事が知られていない今だと、危険だね。
守護者か……どうなのかな。
[お伽噺の通りに力持つ者が現れるとも限らない。
居ると良いな、と言う希望が心に灯った]
他に力の事を仄めかしてた人?
うーん……僕が知る限りは居なかったと思う。
そもそも、他の人とあんまり話せてないしなぁ。
[訊ねられて、考えるように少し俯きながら頭を掻いた。
しばらく思い起こしてみたが、それらしい人は思い当たらず]
…ごめん、予想もつかないや。
僕で良ければいつでも話は聞くよ。
何か気付いたら教えるね。
ゼルギウスの結果についても任せて。
[意見やゼルギウスについては快く応じた。
母についてを言われると]
そうかな……そうだと良いな。
ゲルダもなんだ…。
…心配かけないようにしないとね。
[それはゲルダに対してだけでなく、自分へも向けた言葉。
今までどれだけ心配させただろうな、なんて考えていると、ゲルダからの抱擁を受けて]
ぅ、うん。
それじゃまた、何か判ったら教えるね。
[母以外の抱擁を受けたことはあまり無かったために少し照れながら頷いて。
部屋を出るとの言葉にベッドから飛び降りた]
[先にゲルダに部屋を出て貰うと、ミハエルは鞄の蓋を開けて。
一番上に入っていたカエルのパペットを手に取る]
……何があっても、挫けない。
やれることは、やるんだ。
[パペットを手に嵌めて、顔を突き合わせながら言葉を紡ぐ。
それに合わせパペットの口を動かした。
自分へと言い聞かせるように]
[パペットを右胸の内ポケットへと入れると部屋を出て。
賑わい始めた階下へと降りて行った]
―宿屋食堂―
へぇ。
カルメンも小説が好きなのか?
そういえば人形も御伽噺に由来するものが多かった、か。
[華やかに映るカルメンに読書家という印象が無かったのか
問う言葉を向けるも]
と、見学の邪魔になるか。
[引く姿勢を見せた]
[食事中に宿へと戻ってきた面々には挨拶をしたものの、食事自体は軽めにしたのですぐ終わり。
荷物の整理をしようと一旦部屋へと戻った。
その場に居た人にはその旨を伝えたが、蒼鷹はついてきたかどうか。
部屋の中で広げた荷物の中にラベンダー色の便箋を見つけると、知らぬ間に中に入れていたのかと気付いて手にとった。
蒼鷹が傍に居れば、これは別に要らなかったね、と笑いかけるだろう。]
…でも、まぁ。いいか。
持ってても邪魔になるわけじゃないし。
いつか手紙を書く機会があるかもしれない。
[自分が生きていられたら。
その言葉は口には出さないまま、淡く儚げな笑みを浮かべた。]
─宿屋 食堂─
[声をかけてくれたブリジットは忙しそうだなと思いつつ軽くこちらから会釈するに留め
カルメンやゲルダにも同様に小さく会釈して返した。
夫に荷物を任せて、ここで背を見送って、少し休むように深く腰掛け。
何と無しに周囲の話を聞いていた。]
─ 宿屋/食堂 ─
ブリジットは一度スイッチ入ると止まらないものね
煙草の量が多くなったりしたと思うから好く解るのだよ
[執筆作業にいそしむ幼馴染の様子を覗い。
挨拶、其々から反応が返れば手をひらりと振ってみたりと。]
ライヒ君は自衛団の方に行っていたのだね
[ミハエルを探す眼差しに気がつくと娘はふと部屋の方向へ視線を投げ。]
…そう、なんだ…
夜間の間とかで解りにくかったのかな、お爺ちゃん
後は解った事とか、無いのかい?
[自分も自衛団で幾つか耳にはしたが、娘自身が詰所へ赴いた事は口にせず、どこかそわりと訊ねるだけで。]
[自分の力は死者にしか意味がない。
だからこそ、生者の正体を暴く力を持った者や、人ならざる者を跳ね除ける力を持った者よりも脅威は少ないだろう。
けれど、それでも正体を暴く力を持っていることは確かなわけで。
生きていられるかどうかは、正直解らない。
それでも、自分の力を生かす為、皆に伝えたのだ。
ギュン爺ちゃんに、誓ったように。]
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