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―二階/個室―
[ぽんと乗せられる兄の手。
その手を見上げるように眸が移ろう。
クレメンスの言葉を聞けばくすぐったそうな表情]
ありがとう、おにいさま。
ずっと、頼りにしてる。
[甘えるような声音で小さく紡いで微笑んだ]
……ずっと、周りに。
周りの、気遣いに。
応えないといけない、って、笑ってたんだ。
……ぎりぎり限界の、弾ける直前くらい。
自分の事だけ、考えたって……罰、当たんない、だろ。
[ぽつぽつと言葉を紡ぐ。
震えを誤魔化すのも、そろそろ、限界]
―ニ階廊下―
は、う。
[ヴィリーに笑いかけられて、通常なら緊張もほぐれたのだろうが]
[多分いつも以上に固まっていた]
……な、んでも、ないです。
[間を空けた後]
[目を逸らしがちになるのは、顔の傷のせいもあったけれど]
―二階・ナターリエの部屋―
[クレムの言葉は優しく聞こえて。>>601
ナータの提案は。今を逃したらもう次はそう出来ないと思って]
……うん。
そうだね、一緒にいられると安心する。
でも。同じ部屋にいられればそれでいいから。
[それでもかなり情けない話だったが。
流れる金糸を見ながら、たどたどしく頷いた]
─カウンター─
[少し頭に血が上ってたせいか、ゼルギウスとエーリッヒの様子に気付くのが遅れた。
あ? エーリッヒどうしたんだ?
何か震えてねぇか?
オレは少し不安げに翡翠をゼルギウスとエーリッヒの間で彷徨わせた]
ゼルギウスは良い子だね。
[ブリジットの言葉に、微笑みに、こちらも口許を緩めてカウンターの様子を眺める。
だが、エーリッヒの様子がおかしい。
微笑ましそうに見ていた目は細まり、眉を寄せる]
……何が。
― 二階/廊下 ―
[昨夜あれこれあったフォルカーはともかく、なんでエーファが、こんなに固まってるのかは謎だったが、男は笑みを消さずに、階段の方へ…エーファの方へと近づく]
ああ、そういや、エーリッヒは下かな?
[ふと思い付いて尋ねた]
ああ、悪い。
[短く。きっぱりと]
確かに…限界かもしれない。辛いだろう。それが全部わかるわけじゃないけどな。
[ぽつぽつ紡ぐエーリッヒの言葉>>608 >>609に淡々といいながらも次第に怒気が混じる]
腹が立つんだよ。
そんな風に、自分の体の調子を人のせいにして枷かけんじゃねえよ。亡くなってる人にまで苦労かけるんじゃねえよ。
[家族が死んで、だがそれで自棄になっていい理由にはならない。]
頼むから…無理かどうかなんて自分で決めるないでくれ…
エーリッヒさんはまだ生きてるんだ。
えぇ、こんな時に無理をして余計な迷惑をかけるわけにはいきませんし。
…え…続き、ですか?
[ゲルダから気遣われれば、少し申し訳なさそうにしながらも微笑み頷いた。
自分の身体が人よりも弱いのは十二分に自覚しているから。
けれど、彼女の言いかけた言葉に笑みは消え、瞳をみた。
自分はもしや、彼女に無理を強いたのかと不安げに。]
―二階・ナターリエの部屋―
うん。それも分かるよ。
俺がもし、見極めるものだったら……。
[クレムの言葉には最後まで言い切らず。
どこか寂しそうなそんな笑顔を浮かべた。>>611]
だからそうやって…
[きつく目を閉じているエーリッヒの頭を乱暴に掴んだ。]
他人に気遣うのがいやだっつーなら
[そして引き寄せて薬を手に取り]
気遣われないように振舞いやがれ!!この不良患者が!!!!
[無理矢理口に放り込んだ]
─ 二階/自室 ─
[外からエーファとヴィリーの声が聞こえる。
それを確認してから、音を経てずに扉を離れて窓の縁に腰掛けた。]
やっぱ旦那、かナ。
[さっきエーリッヒの部屋に入ってたのはと。
断定できる要素ではないが、可能性は高いと思って口元には軽い笑みが浮かんだ。]
何してたのかな。
毒でも盛りにいった、とかだったら笑えるけど。
[エーリッヒは薬を常用しているから、などと考えたが答えは出ない。]
―ニ階廊下―
[ヴィリーがこちらに向かってくるのに、身体をずらして道を開けようとした]
[動作はぎくしゃくとしていたが]
え……あ、はい。
[尋ねられたことには、肯定を返す]
[ちらり]
[階段を振り返って]
[エーリッヒへと向けている視線は、心配げなまま。
だけれど、ブリジットの言葉に、視線を彼女へと向ける。
うん、と頷いて。
不安そうな様子に、困ったような顔をした]
君のことを信じようかなってね。
思ったんだ。
[そういって、ストールを外す。
外してもすぐには髪が邪魔をして見えないけれど。
そして多分、声はカウンターの方まで届くまいと、小さく落として]
僕がね、死んだら。
鞄の中にレシピとか入ってるんだけど、他はエルにあげておいてほしいんだ。
[言う言葉は、少し躊躇ってから、申し訳なさそうにして]
私のしたいように……。
[クレメンスの言葉を繰り返すように紡いだ。
一緒に過ごす時間が長いと考えまで似てしまうのだろうか。
彼の述べる考えに微かな苦笑を漏らして]
おにいさまなら誰から見極めようと思ったのかしら。
[ライヒアルトかもしくはナターリエか。
目をかけているエーリッヒかもしれない。
そんなことを思いながら独り言ちる。
誇らしげな微笑みは自然と綻ぶ表情。
女は彼のその表情をみるのが好きだったかもしれない]
─カウンター─
お、おいゼルギウス!!
[無理矢理エーリッヒに薬を飲ませようとするゼルギウスを見て、オレは驚きの声を上げた。
え、おい、これ大丈夫なんか!?]
[だけれどそんなことを言っていると、大きな声。
カウンターへと振り返る。髪も、首の後ろも、気にする余裕がなかった]
エーリッヒ?
[ゼルギウスの行動が見える。
相当具合が悪そうな様子に、思わず、立ち上がった]
─ 二階/自室 ─
[腰に下げていたナイフを、留め金を外し取り出して、光にかざす。
そこには文字が書かれていたが、掠れて所々読めなくなっていた。]
皮肉、だよなぁ。
芽が出ないからって捨ておかれたのに。
捨てられてから巻き込まれんだもんネ。
[くすくすと、笑みが零れた。]
さてと。
自衛団が五月蝿いだろーから誰か殺さないとネ。
誰にしよっかな。
朝一番最初に会った奴、とかでいっかな。
[容疑者として集まった面々の顔を思い出しながら、そんな物騒な事を楽しげに考えていた。]
―二階・廊下―
[二階にあがると妹はヴィリーと話している様子で、
自分はというと、よぎったあれこれに一瞬固まりかけてから足を踏み出す]
どうした?
[問いかけの言葉は短くエーファの隣に並ぶように移動する]
―二階/個室―
ラーイが一緒なら私も安心できる。
ふふ、寂しいのは私の方かもしれないね。
[ライヒアルトにこくりと頷きを返して。
部屋を出ようとする兄の言葉には]
私がしっかりみてるから大丈夫よ、おにいさま
[そんな言葉を掛けて常の笑みを向けた]
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