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[電話をかける。無音。
一度受話器を置き、またかける。無音…]
…ま、覚悟はしていましたがね
さすがにここも繋がらないのでしたらほかも望み薄い…か
[嘆息。やることはだんだんと単純に。おして言い伝え通りになっていく。むしろその道意外にないのではないだろうか]
一歩間違えば。
自分の身をも滅ぼす、諸刃の剣。
…ごめんね、兄さん。
[謝るなと言われたから、その人が目の前にいないうちに]
旅籠に戻ったら、部屋を借りないと。
…困ったな。兄さんと一緒なら文句言われないかしら。
[箱を小脇に、黒い傘を差す。
櫻木の家はすぐそこだけれど]
言ったところで仕方ないか
[今欲しいのは、起源でも、理由でもなく、対策。
玲や自分のような能力者の有無。己はどういう風に使えるのか。
魔についたものは何か他の手段で判別できないのか
考えながらも説明をしている史人のもとまで歩き]
終わりました?
[紫堂家の己を確認すれば口やかましく言うものもいるだろうが、まるっきり無視した]
どうだろう、役得。
[首をかしげながら困った表情で見られれば]
うん、ごめん。
本当に気にしないで。
[赤くなる姿は本当に少女のようであったであろうか]
そう、ならいいんだけど。
[小百合にそう答えてから]
どうなんだろう、好きだからとしかいいようがないかな。
[首をかしげながら]
[電話へと向かう蓮実と別れ。
たまたまこちらに来ていたという古老の一人に問われるまま、外での出来事を伝える。
晴美の死の報に、古老は表情を陰らせ]
「……その娘、気をつけた方が良いな」
……え?
[魅入られつつ、狭間で揺れるものやも知れぬ。
……気を、許すでない]
狭間で揺れる……。
[静かな言葉を繰り返すと、古老は一つ、頷いた]
手料理?
…うんっ
[殺した道具は包丁だった。]
わかった。
…えと、食事、作る?
[空気読まないで聞いてみる。
とりあえず向かう先は台所。]
と、蓮実。
[そこに折りよくやって来た蓮実の声に、そちらを振り返り]
ああ、大体の説明はな。
んで、後は調べもの、か?
[問いつつ、小言を受け流す様子に、くく、と笑って]
[問いには頷きで返し、]
・・・変わんねーな。
[呟いたのは何に対してか。]
じゃァ、・・・外から来た人は?
[視線はその場にいる利吉や涼に向けられ。
或いは長く外に出ていたかれ自身をも指すのかも知れず。]
真似したくなるほど、小百合が良い笑顔を…。
笑える時に笑っておくのは良いが……。
二人とも、随分余裕あるなと感心しそうだ。
[少し頭を抱えた]
…気にしないで、と言われると。
すごく気にならないか、それは…?
タチが悪くない驚かせ方って何だろう…。
[本気で考えてみたが思いつかない。
一応驚かす材料があるにはあるが、あれが笑ってしまえるタチの良いモノとは到底思えないわけで。]
以外に色々思いつくわよ?
例えば家の為とか親の意志とか。
昔御主人の知り合いっていう男の芸者さんに会ったんだけど、その人は戸籍から女性だったわ。
なんでもお母さんがいい家柄の妾さんだったんだけど、男の子を産んだって知られてたら、跡取りに連れて行かれるちゃうからそうならない為にーって。
まぁこれは極端な一例だけど。そんな感じで理由もあるのかなーって。
違ったみたいだけど。
[琉璃の答えにそっか、なら趣味なのねーとか返しながら。]
そういうのが似合うのは羨ましい限りねー。
私だとまずサイズがないからなぁ。
[170半ばは越えた大女。着れる服を探すのは以外に労を要する。]
ええ。本格的に調べたほうがいいようです
やはり繋がりませんでした。こちらだけで対処するしかありません
[魅入られし者の説明は耳に挟みつつ、やっぱり小言は挟まずに]
私は軽くしかここにきたことがないので、どこに調べるものがあるのか知らないので先導頼みますよ
[といって、史人の後に*ついていった*]
…あんまり、疑いたく、無いよ。
[孝博の更なる問いには呟くように]
けど、比較しちゃうと、優劣は、下がる。
…本当は、この中に、誘われし者が、居るなんて、思いたく、無い。
けど、こうなった、からには、居るのは、ほぼ、確実。
探さなきゃ、いけない…。
[なんだか空気悪いし、やっぱり台所に先に入る。
とんとん、包丁で野菜を切る。
これは、 はるちぃちゃんを殺した包丁じゃ ない。]
――っ、
[でも、 血のにおいがまたする気がした。]
ん、了解。
んじゃ、銀爺様、ちょいと書庫借りるぜ?
[蓮実の言葉に頷いて、奥の書庫へ。
伝承の書物の内容は、大体は教えられていたことの確認となり]
……結局、嬉しくねぇことの確認どまり、か。
[そんなぼやきを漏らしつつ、蓮実も調べ終わったなら、足早に外へと向かい]
……さて、玲はどうしたかね。
余裕?
わからない。
裕樹と一緒にいられるからかもね。
[なんとなく裕樹の腕にかめるように腕をとってみてじっと見上げてみた]
たとえ空元気でも今はいいかなって思える。
[小百合の言葉には]
そう?そういわれたのは初めてだよ。
でも背が高ければ高いで逆に悩むらしいしね。
[幼馴染のことを思い出し]
急ごうか。
[裕樹の手を引くように少し急ぎ足]
探して、殺さなければ。
・・・綾野おねーサンみたいに。
[最後の呟きは小さく。]
・・・・あァ、そだ。
腹減りません?
[重くなった空気を換えるように、ふと笑った。]
タチが悪くないってのは、例えば誕生日をドッキリで祝うとか、かな。
[腕を琉璃に取られ、視線を落とす。
眼が合う]
…そんなに、安心して……油断、するなよ。
[手を引かれ、困った表情のままついていき]
[包丁があって、
私は、これをつきたてれば、桜が開くのを知っている。
桜の魔がとりついているのが誰かも、もうわかる。
でも、私には、裏切ることはできなくて。
とんとん、料理を作って、それから――どうしよう?]
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