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[…騎士のイメージとかけ離れた声と仕草。
おもむろに怪しい態度。
そして、背中から生えた翅]
…
[目を丸くし、驚き。
そして、何も言えなくなる]
か。かわいい、です、ね。
[ようやく出てきた言葉はコレ。
何が、という主語が抜けていた]
[半ば呆然としながら、皆の後に続き。
花畑へと出れば、目を輝かせた]
わぁ…
[胸の前まで手を持ち上げ、月下の華達を見つめる]
[眼前に広がる景色を言葉にする術を知らず
交じり、踊る、銀と蒼に見惚れ、動かない。]
[兄弟のささやかな闘いにも気付かぬまま、医師は立ち尽していた。]
[白いエプロンに包まれた膝に色鮮やかな花冠を置いて一息。
運ばれてきた夜露と花の蜜の飲み物をいただく。
気ままに跳ねたり踊ったりする小さな背には四枚の翅。
銀月の光を受け、きらきらと煌く様は夢幻のように美しい]
・・・・・・きれいですわ・・・・・・
皆様も一緒に見ることが出来たらもっと素敵ですのに・・・
[はぐれた人々を想いつつも、ほぅと感嘆の息を零した]
[書き留める物がない以上、全て記憶に刻むしか無く。
得たイメージを忘れぬよう努力しながら]
もっと素敵な世界って、どこのことだい?
[空色を見返す。
その力が強まるのを、自分の瞳は『視て』いた]
[くるり、振り返る。
しゃらりと背で銀糸が月光を弾いて煌いた]
[細めた瞳。
揺れる外套の襟元から覗く口元は微かな笑みを刷き]
…――
[連なる音は其の儘、青を追っていた手を伸べる]
[導かれるように青は舞って。
くるり、くるり。
ヴェルナーの周囲を駆け。
イゾルテとギールギースの間を抜けて]
まだ早いって言っただろー。
一人じゃなかったならいいけどさ。
[強く言えるはずもない。
このままうやむやにしてしまおうと、マリオンに近づいて。
髪を引っ掻き回そうと、頭に向けて手を伸ばした]
[目の前に妖精…ギールギースの姿が現れると、目を瞬かせた]
え?
[耳元で囁かれれば、少し身を固くするも。
出発前に話した事だと分かれば、少し慌てて]
べ、別に…怖い、って。
…少しは、思ってたけど。
[少しバツが悪そうに言う]
でも。こんな景色ばかりなら…
怖く、ない、な。
んなコトいったってさー。
道があったら進んでくのが探検ってもんじゃんかー。
[よくわからない理論で返しつつ。
伸ばされる手は避けそこなったため、髪はまた、ぐしゃぐしゃにされて]
もー、なでんな、ってのにー。
『ふふふ…とっても、とっても、素敵な所。』
[そう返すと、口の中で呪を転がし始めた。]
(このおにーちゃんに当たればいいんだけど…)
[内心の不安は口には出さず、一心に力を練る。
どこからか現れた光の粒子が、ギールギースの翅に集う。]
・・・、・・・あら?
[煌く金色の翅を見る内、ふと脳裏に何かが引っかかった。
花の香りが移った指先で秀でた額を軽く押さえる]
ああ、そうですわ・・・
こちらに運ばれる時に見えた光・・・・・・あら、まあ。
マリオンくんの傍にも、よく似た光がありましたかしら?
[妖精達は答えを知っているのかいないのか。
それぞれに顔を見合わせてくすくす笑うだけ。
ホラントとヒルダに同意を求め、困った風に眉を下げる]
[イゾルテの視線の先、青はギールギースの周囲を巡る]
[其れは力を貸しているようで。
力の矛先を掻き回しているようで]
[ちち、ちっ]
[上がる声は微かに笑っているようにも聞こえるか]
[ふと、指先の錯覚に引かれて視線を泉へと向ける。
水面に映る銀月が震えたような気がした]
・・・?
[上座の王様はえっへんと胸を逸らし、髭をひねりひねり。
何が起こるかわかっていても教えないのは妖精の性]
これから行くところとはまた違うのかい?
[はっきりとした答えを示さないギールギースに軽く首を傾げる。
その間にも翅には光が集まり、輝きが増していた]
それはまあ、そうだけど。
危ないっていうからには理由もあるんだよ。
[それを無視して騒ぎを起こした経験者は語る。
わしゃわしゃと髪をかき回して]
親父ほどじゃなくても、拳骨よりマシだろー。
[理由になってるのやらなってないのやら]
足元気をつけないと
踏むしちゃいそう!
もったいない
気をつけないと
ふふっ
[楽しいを、いっぱいに表現する
しゃらん
腰元の鈴がなった
ストールが、ふわり]
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