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[アルバイトのことを思い出して、慰められるなんてことがあるなんて思いもよらなかった。
斧を片手にぶらさげたまま、こときれた飛河のそばに寄った。]
村情報と国情報、読めって、言ったろ
馬鹿
[本来RP村にしか入らないはずのjujuは、こんな目に遭わずに済んだはずだ。
泣いて、泣いて、混乱して、それでもようやく何かの決心をしたような表情が思い出される。
彼女を狼と疑い、ともすれば殺していたかもしれない礼斗だ。
謝るのも感謝するのもおかしい。
ただ彼女の亡がらを見下ろす。
眼鏡を取り出し、力なくたれている彼女の手へ。
すっかり冷たく、自分の手よりも小さなそれを固く握りしめた。
日常に戻らないための決心として。
飛河の血で汚した手で斧を握りこみ、他の生存者を探しに大広間を出る。
前を向く。]
―エントランス―
[人の気配と血のにおいは、覚えのある場所から漂ってくる。
そういえば、飛河は襲撃されたのだろうか?処刑されたのだろうか?
いや、考えるまでもない。「占い師」がこの「村」にはいるのだから。
速攻で彼を噛む。誰だって。
予想通りに、ホールの中央で倒れていたのは菊地だ。
それを驚愕の表情で見下ろす鷹津と、こちらに背を向けているのは楠木だ。
彼の来ているTシャツが赤いのは、何故なのか――
いや、考えるまでもない。]
─ エントランス ─
[どれくらいその場に座り込んでいたか。
止まっていた思考は、呟き声>>12と、人の気配に再び動き出す]
…………楠木…………くん?
[視線を向けて、捉えた姿にこてり、首を傾ぐ。
表情は呆然として、声音は悲痛で、でも、不自然にあかいその姿は何を意味するか]
…………誰、を?
[どうしてそうなったか、は、問わなかった。
状況がリアル人狼で、亘の身に起きた事態──綾野のそれを彷彿とさせる状況を『襲撃』と見なすなら。
それ以外に血に染まる事態なんて、『処刑』くらいしか思いつかない。
裕樹が亘を、という発想に至らなかったのは、綾野の死後、誰も血を浴びた様子がなかったから、だが]
……ぉー。
[問いかけに答えが返るのと、裕樹の向こうに礼斗の姿が見えたのは、どちらが先か。
は、と息を吐いてがじ、と頭を掻いた]
……で、ここで二択、と。
[ぽつり、と零れたのは小さな呟き。
視界に入る二人、どちらかが『人狼』なのは確かで。
さて、それならどちらか、と。
それを見定めるように、僅かに目を細めた]
― エントランス ―
[どうして自分が此処に居るのか、亘には分からなかった。
正確に言えば、霧の起こる直前に何処にいたのかの記憶も曖昧だった。
疑問を投げて>>2:102去っていく裕樹の背中を見送って、一人浴室前に取り残されて、それから―― そう言えば、綾野に掛けるものを探しに行くと言った聡を、今更ながら追おうと思ったのは覚えている。
それからメールを編集して、礼斗の名前を入れてみた事も。
裕樹は『選べない』と言ったが、実際のところは操作が間に合わなかっただけで、対象を入力するらしき欄はあったのだ。
とはいえ、それで本当に“占い”が成立したのかは分からなかった。
スマホはその辺りに落ちているかも知れない。けれどメールが届いたかどうか見る事は叶わない。
身体は既に機能を停止していて、動かす事もできないし]
……。
[それを呆然と見下ろしている、もう一人の彼にもできそうにはない]
この期に、及んで
[張りつめた空気の中にこぼれた呟き>>20を聞き取る。
二択。そうだ、普通に考えるならば鷹津は礼斗か楠木のどちらが狼かを見極めるべき立場なのだ。
しかし彼の言葉は礼斗の逆鱗に触れる。
戦おうとせず、ただ傍観する気なのか。
まるで高みの見物じゃないか。
飛河の言葉が脳裏に蘇る。
「感情で動く」
斧を握る手に、力がこもる。]
……ヒガさん。
[問いかけ>>19には、特に隠そうとする素振りも、動揺も見せずに、一言答える。]
……別に、あの人を狙ったってわけじゃ、なかったんスけど。
あの人しか、いなくて。処刑は一日一人まで、ってことッスかね。
[どこか上の空のままに、赤く染まった床を見下ろしながら、呟く。]
でも、これでハッキリしたんで、いいンじゃないスか。
[この状況を予想できなかったのは自分の落ち度だな、と、頭半分、冷静なままに思う。
得物がないのは痛いな。女相手に急に襲いかかるのと、警戒している男を相手にするんじゃ、事情は違うだろうし。
ポケットの中のスマートフォン。持ち物はそれだけ。
直に、"彼"は背後から忍び寄っただろうか。>>18
ここまでやって、死んでたまるか。彼に気が付けば、送るのは鋭い視線。]
[護る者の居ない少人数の村で占い師が名乗り出れば、次の日にはどうなっているか。知らない訳がない。
綾野の死体だってこの目で見た。
狼が分かるまで隠れていれば、少なくとも襲撃は避けられたかもしれない。
自殺願望等があった訳でも勿論ない。
ではどうして皆に伝えなどしたのか―― 今となっては分からないが、あの時はそうすべきだと思ったのだ]
…… 、ん。
[自分が死んでいる、その現実から目を逸らす様に首を動かす。
と、小さな泣き声と姿>>+6に気がついた。
眉を顰める]
珠樹さん……?
[周囲の声も姿も、どこかぼやけて感じられるのに、彼女だけははっきりと見えたから]
[いいかい、ひよっ子よ。
堂々たる振る舞いで、確固たる立ち位置をやすやすと手に入れた先人は、こう吠えた。
主観はとても大切だ。いいかい、感情も、勘違いも、村人が自然に行うことは、俺らもやってみせなきゃいけないんだぜ。
それを小賢しいと言う奴もいるかもしれないが、負け犬の遠吠えなんざ、気にするんじゃない。アオーン、と。
だから、楠木は、そのやり方を踏襲することにした。狼の時も、村人の時も、占い師の時だって。
なんせ、尊敬する彼は、とっても強かったので。
それは、ここでも同じこと。すう、と息を吸って、吐き捨てる。]
……狼め。
[モニター越しの会話のように、悲しげな表情や憤怒を取り繕うことはできなかったので、
恐らくは、声と表情がちぐはぐな大根役者のようだった。
それでも、冷めた目で、しっかりと新見を睨み付けることはやめなかった。]
[楠木が何かを言っている。彼もまた、この期に及んで演技を続けているようだ。
それに何も思わない。とっくに殺意に支配されているこの身には、何も響かない。
感情に従うのなら二人まとめて殺してしまいたい。
順番はどうでもよい。]
狼だろうが村人だろうが、知るか。
全員まとめて死んでください。
[他人の血でぬめる手が、これは非日常だと語り続けてくるようで。
両手で斧を握りしめ、二人を睨み返す。]
[裕樹の様子は、ちらりと横目で見るに止め。
視線を向けるのは、礼斗の方]
……全員まとめて、ね。
そんだけやって、それから。
背負える覚悟があるってわけ?
[一応、問いは投げておく。
答えは、期待していない、けれど]
……その後で、絶対自殺しない、って言い切れる?
[自分だけの判断基準。
答えがあるかどうかで、自分の動きは、決まる]
……んー……
[いつかの聡のような行動――撫でる事は躊躇ってしまう。
女の子に触れる云々も無いわけではないが、実際に殺す事が出来たかはともかく、亘も彼女を一番疑っていたのだ。
その罪悪感もあって、少し間が開いて、やがて片手を動かして]
……えっと。
こーいうときは、お疲れ様、って言えばいいかな。
[墓下かエピローグで言うかのような言葉を掛けつつ、ぽん、と彼女の肩に軽く触れた。
“表側”の不穏な空気も届いてなくはなかったけれど、今は何処か遠い世界の出来事のようだった]
[楠木からやるべきか、鷹津からやるべきか。
どちらにせよ2対1となるだろう。1人を片付けてからもう1人を、と。
処刑は1人。襲撃が起こるのはその後だ。
誰かを殺したり殴ったりした経験はない。先に動いて隙を見せるのは嫌だとまだどこか冷静な部分があって。
己の中で葛藤していると、鷹津の声がかかる。
その問いかけの背景、彼が何を抱えてるかなんて知らない。知りたくもない。
考え方も見ている世界も、決して誰とも共有は出来ないのだから。]
覚悟なんて後からでもできる。
[今、死にたくない。
生死もわかんない「後」の事なんか考えたって詮無い事。
吐き捨てるように答えた。]
[亘の手が肩に触れる>>+10。
自分と同じ状況にあることは床を見れば明らかだが、触れることが出来たことでその現実味が増した]
…っく……こ…こわ、…こわ、か、っ……ひっく
[震える身体。
瞳から雫が落ちるけれど、床に染みは作らず。
どこかに消えるように一つ、また一つと零れ落ちた]
ふ、っく……なんで、こんな ことに
[お疲れ様、その言葉がしっくり来なくて返すには至らず。
亘と合流出来たことで和らいだ恐怖が徐々に形を変えていく。
何故死ななければいけなかったのか、何故殺されなければいけなかったのか。
答えの無い疑問ばかりが口を付いて出た]
[感情偽装ってのは、インパクト勝負だと、いつかベテランPLは鼻高々に語った。
楠木は、隠しもせずに凶器を携えた男に思う。面倒だし、頭おかしーんじゃないの。ああ、それって、俺もか。
そうして、もうひとりの、奇妙な問いかけ>>26に、実感を繰り返す。やっぱりめんどうだな。
明らかに、インパクトでは負けている。]
……めんどくさ、
[聞こえるか怪しいくらいの声音で呟いた。覚悟ってなんスか、ミナサン。
ジンローゲームですよ、ミナサン。そんな感じ。
っていうか、俺、丸腰なんですけど。そうも思った。
武器。ポケットの端末は、武器に入るのかな。
楠木は、いつだって動き出す心構えだけはして、少し考える。
逃げ出すことは、できないか。目の前の二人がやりあってくれないか。
処理順のことだとか、そういう諸々を。]
なあ。
[精神だけがすりきれる、永遠のようなにらみ合い。
牽制のように楠木へ言葉を繰り出す。
中身はどうでも良い。いいや、良くない。
なんでもいい。]
襲撃ってどうやってやったの?
そーゆーことなら、まあ、仕方ないんじゃないッスか。
[確かめるような問いかけ>>28に、返すのは投げやりな言葉だった。]
人狼って、こういうゲームじゃないと思ってましたけど。
[思っていたのと、まるで違うなあ。
そう思ったあたり、随分とゲーム脳とやらに毒されているのかもしれない。
よ、っとしゃがんで、真っ赤なキクチサンに手を伸ばした。
さて、目当てのものは、どこにあったか。ポケットから、ありそうな場所を探っていく。
自分の大切な端末を、牙を、投げ捨てるわけにはいかないので。
手を更に赤くして、取り出すのは、占い師様の携帯端末だ。
ロック解除に勤しむ余裕なんてありませんので、用途はまったくの別なんだけれど、心のなかで謝っておく。
壁にぶち当てて壊しても許してね、おにーさん。
多分、顔だとかにぶち当てりゃ、動揺くらいは誘えるでしょう。]
[よ、っと場違いな掛け声と共に再び立ち上がろうとして、投げかけられた問い>>30に、眉を顰めた。
ちゃんと嫌悪の表情は作れていたはずだ。多分。]
質問の意味がわかんないんスけど。
[よいしょ、と立ち上がりながら、馬鹿にするように鼻で笑うくらいの余裕はあった。
どうにも、現実感がなくていけない。]
アピとか、不慣れっぽいのに、無理しない方がいーんじゃないスか。
[楠木の中では、やっぱりこれは人狼ゲームでしかなかった。
感情偽装も、吊り数の計算も、アピも、バーチャルと等しく存在するように思えた。
近付いてくるなら、他人のスマートフォンを投げつけてやる。
それから、走って逃げて、広間に戻れば、武器だってあるんだから。
どうにも、呑気でいけない。]
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