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………、私…?
[ずいぶんと長く眠っていたらしい。
妙に軽い体を起こしながら、軽く頭を振り
弔い済んだ自分の抜け殻が目に入った]
…嗚呼。
そうだったわね。
[殺されたことを思い出し、色を失った己の側に向かい]
[笑みの気配>>+19にこちらもまた喉奥で笑う。
浮かせていた片足を再び地面へとつけた]
ほぅ、これはこれは。
どうしようもない駄犬だな。
[揶揄うような言葉を落として。
己の遺体が持ち上がる頃には軽口は収まり、再び生きる者の方へと目を向けた]
……。
[告げられるもう一人の人狼の名。
襲われた記憶はあるのか無いのか、大きな反応は無く。ただ傍らの人狼をちらと見遣った]
そういうお前は如何なんだ。
そうだったとして、“何とかなる”余地はあったのか。
[突っ込む言葉に更に被せた>>+24。突っ込みというよりも、純粋な疑問に近い。
獣から何かしらの答えは返ったか。笑われるだけだったか。
いずれにせよ、身を翻す狼の後を追う事は無かった]
…こんなところで私が殺されるって分かっていたら。
あの人、あの時に食べて逝ってくれたかしらね。
[自嘲の笑みを口元に宿して、伏せられた瞳に手を伸ばした]
[それでも
もし、少女が彼を殺めようとするなら、いつものように隠し持っている短剣を振るう事にはなるだろうけれど。
今は、ただ、二人を見守る]
……おつかれさま。
[自分に向けて、他人に対してのように労いをかけた後。
揺らり、輪郭が滲み始めた体で部屋の外へと出ていった]
─ リンゴの樹傍 ─
[傍に来て膝をつく様子>>76をただじっと見詰める。
紡がれる言葉、浮かばぬ笑み。
それらを前にして、ヘンリエッタは悲しげな表情をした]
ヒューバートさん───
[一つ一つ紡がれる言葉はヘンリエッタを追い詰めるもの。
けれど、少女は何一つ揺れる気配を見せなかった]
──わたしじゃ、ないです。
[はっきりと告げる言葉。
瞳は真っ直ぐ、ヒューバートへと向けられる]
わたしがお父様を襲っただなんて、冗談でも言わないで。
…ヒューバートさん。
あなたがもつ『力』、本当に、正しいことを示しているのですか?
[口調は慣れ親しんだものから、一つ壁を挟んだものへ。
ヒューバートへの不信感は、そんな細かいところにも表れていた]
『力』を使って、ユージーンさんと、ネリーを視て、わたしを視ていない。
視ていないだけで、人狼だなんて決め付けないで。
その石が正しいことを言っている保障なんて、どこにも無い。
ヒューバートさん、石を信じすぎてないですか?
もし石が、人狼を人だと言っていたらどうするんですか?
わたし、その『力』、信じません。
わたしを人狼にしようとしている『力』なんて、信じません。
わたしが、お父様を襲っただなんて、そんなことあるはずが……!
[言葉を紡ぐにつれて、声は涙声へと変わっていき。
終には瞳から涙が零れ落ちる。
最後に紡いだ言葉はヘンリエッタの本心。
少女は知らないのだ、その事実を]
……うむ。
[返った応え>>+30。
本当か嘘かなどと追及することはなく、ただそのままを受け止めた。
狼は去り、その部屋に残るは亡霊と、現には女>>79が一人]
― 2階・ラッセルの客室 ―
ぞろぞろついて行ってもねぇ。
[そう呟いて、手持ち無沙汰になると部屋を出た。
間際に一度振りかえり。]
それじゃさよなら、ラッセル様。
(もう会うこともないけれど)
[最後に笑って、扉を閉めた。]
…………。
[綴られる少女の訴えに、黒狼はぱたり、と尾を振った]
ああ。
確かに、そーだな。
ヘンリエッタ嬢は、主殿を襲ってはいない……うん。
[ぽつりと呟く。
真相を知るが故に零れた言葉は、嘆息するような響きを帯びていた]
[それは正しく糾弾。幼い子供を責め立てる、非道の行為。
けれど立ち止まる気は無い。『力』を持つ者として]
私は君が人狼だと判断した。
殺した理由が衝動でも、生きる為のものでも。
[続く言葉は、ほんの僅かに紡ぐに間を要した。
零れ落ちる涙を掬おうと伸ばす手は無意識では決して無く]
……私は、自分が生きる為に、人狼を殺すよ。
[落とす音は残酷なまま]
― →林檎の木の側 ―
[少し離れていても聞こえる二人の声。
ヒューバートの指摘は当然のように否定された。
次いで向けられる指摘は事実に基づいた物で、少女がなんであれ、信じない人には通じないのも事実。
その言葉に、偽りがないように見えて、そうして、それを振り払うかに頭を振る。
涙は、偽りとは思えなかったけれど]
………ペルソナ
[小さく、小さく呟く。
人は、信じ難いことがあった時、その記憶を封じる事がある。
偽りの記憶、偽りの人格……人狼は、その内にそれを持ってはいなかったか?
もし、それらが、完全に解離していたとすれば……]
まさか、ですよ、ねぇ……
─ リンゴの樹傍 ─
だったら!
[ヒューバートの言葉>>86 >>87に声を荒げる。
顔はもう涙でぐしゃぐしゃだ]
──だったら、せめて、視てからゆってください……!
わたしが人か、人狼か……石が本当に正しいことを言っているのかどうか…。
ただの推測で、殺されるなんて、イヤ……!!
[そこまで言い切って、服の袖で目元を何度も擦る。
涙を拭い終わって覗かせた瞳は、潤んだままだが拒絶の色を浮かべていた]
…こんなこと言いたくないけど。
わたしからしたら、そうやって人狼と人を判断していくヒューバートさんが人狼の可能性だってあるの。
わたしだけじゃない、他の人だってそう。
石を使って嘘をついてるのかもしれない。
あなたが自分の『力』を信じるというなら、わたしはわたしの判断を信じます。
あなたが、わたしを貶める人狼だと言うことを。
[突きつけられた選択肢。
その一つを選び取り、覚悟を口にする]
[自分を殺した者がどうなったか。
人狼が一人だけなのか。
そんなことはもうどうでも良い。
ただ、最期にあの林檎の木を見にいこう。
ずっと気になっていて、けれど機会が無くて見れず仕舞いだった]
私の髪のようで、綺麗だと。
あなたが言ってくれた赤色の実を、一目だけでも**。
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