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ああ。俺は最初、感覚を閉ざしてたから気づかなかったが、ヴィントがな。
[下げた頭を戻しつつ、静かに答え。
無視された方の相棒も、場合でないと理解しているのか、対抗意識を出す事もなく]
取りあえず、謝るくらいはさせてくれ。後で、当事者にも詫び入れさせるつもりだが。
[妙に真剣にこう言った後、一つ、瞬いた]
責任……?
単に、親父がボケただけじゃ、なく?
[一人で考えていても埒が明かないからと、家を出たは良いものの。結局行く宛てなどある訳もなく]
[少女にこえをかけるのも何となく躊躇われて]
[大通りに着いても、暫くは屋台を見るでもなく地面を見ながら黙々と歩いた]
これも結界の力…てやつかね
[普段のこの村なら4人もの失踪…は大事件だろう。]
………………………
こんなの、楽しいとかいわねーよ…
[自分の知る子供達の表情を思いだし
…それは”楽しい”とは遠い表情で。]
[それに、連れ去られた団長やエーリッヒ。
自ら志願したらしいミリィやユーディットは…
はたして”祭りを楽しむ”ことが出来たと言えるのだろうか?]
…ありがとう…
[代金を受けとると、ランプを手渡し…ゆるり、ろ振り返り…]
…
[少なくなってきたランプの数に、小さく息を吐き…
空を見上げる。冬の空は澄んでいて…]
…どうするんだろ。
[その呟きは喧騒に消える]
[先の言葉には成る程と頷きつつも、真剣な言葉には首を振り]
不要だ。第一、この状況で謝られても誠意が見えない。
[きっぱりと言い切った]
[問い掛けには、幾度目かの溜息を吐いて]
……当人が望んだ事だからだ。
[簡潔に、昨夜の出来事を説明する]
[誠意が見えない、という言葉には反論の余地ナシ。
故に、それ以上は言わずに]
…………。
[昨夜の出来事を聞かされれば、しばし、沈黙し]
そっか……そんな事、が……。
[深い、深い、嘆息。右手がぐしゃ、と前髪をかき上げつつ、額に当てられた]
[祭りを楽しむ気にはとてもなれなかった。
だから、一日中ずっと宿に居た。
合わせる顔がある筈がなかった]
[それでもこの時間は、出なければならないと]
[緑の外套を纏い、誰とも顔を合わせないように俯いて。
一人、賑やかな祭りの道を往く]
[屋台通りを抜けて。見知った建物の前でその歩みはぴたりと止まる。
じ、と見上げれば。小さく、深く息を吐いて。]
もっしもーし、ユリアンにぃー?いるー?
[いつもと変わらない声色を響かせて、工房の扉を開ける。
右手を握り締めたまま、中へと頭を覗かせて。]
正直。
君がどうなろうが、妖精王がどうしようが、僕の知った事ではない。
迷惑千万極まりないだけだ。
なので、どちらに協力する気も一切無い。
……アーベルも似たような事を言ったらしいが。
[酷く不機嫌そうな表情になり、腕を組んで。
言葉を続けようとした矢先に、入り口の方から少女の声が聞こえる]
……来客か?
…
[もう一度溜め息をつく。
その視線の先には…昨晩、少女から渡された一つのランプ。
…ユリアンの銀の光で運ばれた少女の物だと。
その場は受けとってしまったが…どうすればよいのだろうか]
…全ては妖精の気の向くままに、か…
[小さく呟くと、マフラーをまき直す]
こんな情けない騒動に、進んで協力してもらえるほど、世の中都合いいとは思ってねぇよ……。
[額に手を当てた状態で、もう一つ、息を吐いて。
階下から聞こえた声に、顔を上げる]
あの声は……リディ?
[小さく呟いて。ちょっと見てくる、と言いつつ、玄関へと向かう。
……こちらも、来るべくして来たな、という感覚はあったりするけれど]
……見つけた奴と…話しはしたのか…?
……ターヴィッドかユリアンと……
[往来だと言うのに気にせず本題を告げる。]
[ダービッドの名を入れたのは・・・昨日、ユリアンが気を失った後
ミリィがいなくなったことや、その他を気にとめていないように見えたから。
ユリアンを抱えて消えた彼が…妖精なんじゃないかと言う、
推理と言うには稚拙な堪。]
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