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[話は未だ終わっていないのだが、と思いつつも。
待つようにと言われたのだから、其の場に待機して]
[部屋の中を見回せば、作業台の上に置かれた紫水晶の細工が目に入る。
それは天使のようにも見える――翼を持つ者]
…
[アーベルの言葉には、少しだけ目を丸くしたが…首を動かし…]
…ダーヴィットさんとは…ね。
彼は…王様に、連れて行かれる…つもりだった…
でも、王様は…
[ソコで言葉を切り…]
…ユリアンとは、まだ…ね。
昨日、あんな事があったし…
[とりあえず思いつく場所へと足を運んだだけだったから
実際に居るかどうか、不明確だったのだけれど。
目的の人物が姿を現せば、あぁと小さく声を上げて]
ユリアンにぃ、いたいたー。良かったっ!
………あー、もしかして忙しかったりした?
[忙しいなら出直すけど。と
未だ、扉から半分頭を覗かせた状態のまま問うて]
[雪の上に腰を下ろす。
冷たいけれど、雪は気持ちいい。
苺を忘れるように目を閉じた。
幾度も繰り返したその唄を口ずさむ。]
ん、まあ……ちょいと、来客中だから。
[ちら、と部屋の方を振り返りつつ言って]
……んでも、恐らく、お前も同じか近い用件なんだろ?
[リディに向き直りつつ、問いと共に、小さく息を吐いた]
[天の国のことをうたうその唄は、
子供のまわりにだけ漂っているようで。
目を閉じた子供は気づかないけれど、
その背に、寄り添うような
薄い光があった。
祭りから少し離れた、静かな場所だから。
子供と、ひかりは、
ぬくもりをわけあうように]
……やっぱりダーヴィットでビンゴか…
[イレーナの反応に息を吐く。]
…………昨日は…ミハエルのメイドのユーディットが…
自分から志願して金の光りにさらわれたそうだ。
ユリアンとは、俺が話しを聞くことが出来た。
[そこまで行ってから、店の扉をさす。
”中の方が良いか?”と、言うことらしい。]
[鮮やかな緑の外套、それを纏う長身。
その姿は恐らく非常に目立ちはするのだろうけど。
当人はまるでそれに気付かぬまま、通りを過ぎて広場へ]
[天から金が下りてくる時間にはまだ早い。
珈琲をひとつ買って。
休憩所と銘打たれた空間の椅子に腰を下ろす。
ぼんやりとしたその様は、傍目から見れば奇妙だろう]
…ユーディット…あの子、が?
[舞姫の子が志願?
…理由を考えてみるも、思い当たる節はなく…]
…そう…
[…殴り合っていたのを見れば、話は聞けたのだろうと。
逆に、聞けていなかったら何をしていたのだろう、と言うことになる。
…指差された方を見て…あるのは店の扉。
小さく頷くと、周りの出店の人に頭を下げた]
[ひかりがすっと薄くなった。
子供はきょろきょろと、あたりを見回す。
懐かしいコエが聞こえた気がした。
だれよりもたいせつな。
だれよりも]
[少年が、紫水晶に目を止めたこと。
部屋に残っていたネズミ、それに気づいて]
『それ、フェーンの、意地』
[大気を振るわせる声で。人の言葉を発した]
…あっちゃ、来客中かー。
[ゴメン、と小さく謝罪を告げれば
続く言葉に、一瞬僅かに目を見開いて。]
…まぁ、誰が来てるかわっかんないけど…近いかも?
簡潔に用件を尋ねちゃえば
ユリアンにぃが"ミリィをあっちに送った"のか、って事を
…今一度、ご本人に確認しに来たんだけどさ。
[いつもの口調で問いつつ、目の前の本人をじぃと見上げて]
[思い出しかけたことは、何だか全部すっ飛んでしまって]
[妙に凹んだ気分で、また黙々と。気付けば足は広場のほうへ]
…ん。
[見覚えのある緑の外套が、人波に紛れて見えた気がした]
[確か昨日、いつの間にか居なくなっていた騎士が身に着けていたものだ、と思い至る]
[投げられた問いは、予想していた通りのもので。
知らず、苦笑が浮かんだ]
……ああ。
俺が、送った。
[それから、表情を引き締めて。簡潔に。問いに答える]
[昨日も通された店内に入る。そこはほとんど昨日とかわらない空間で。]
……なんでも、ユーディットも”妖精”だったんだって…
自分が妖精だから連れて行け…と言ったそうだ。
[多種多用なランプが置かれた店内は静かで、
大きな声で話しているつもりはないのに声がよく響く。]
……ミハエルが…「主として、失格だな」…とも言っていたな。
[その時のミハエルの表情を思い出し、青年は俯く。]
[屋台のどこかで見つけたはず、と、
大通りを子供は歩く。
そこの中の、そのお店。
スープを売っているけれど、
一緒にホットミルクも売っている。
当然、購入。]
[男は天を仰ぎ、微かな声で旋律を紡ぐ。
緩やかな音の流れは雑踏に紛れて消えていく]
[ふと、誰かの視線を感じて。
自然と顔を其方に向けた。
誰とも顔を合わせないようにと思っていたのを、一瞬、忘れて]
……こんばんは。
[ノーラが此方を見ているのが判れば、薄らと笑みを浮かべる]
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