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[子供はナターリエが守護者であることを疑ってはいなかった。イヴァンがライヒアルトによって人と判じられ、そのライヒアルトが殺された今、彼女の言葉は、子供の知る「事実」に完全に符合している]
[だから、彼女がベアトリーチェに刃を揮ったことも、当然と受け止めた。青き炎もそれを肯定するように、子供の胸をじわりと心地良い震えで満たす]
[ゼルギウスの恐慌は、子供には元より関係のないものだった。彼が朱花に手をかけない限り。そして彼が人狼であると判ずることができない限り]
[だから、子供は守護者と人狼の対決を(そう確信して)じっと見つめ続けていた。決意をもって刃を向けたナターリエ、そして、思わぬ反撃に出たベアトリーチェの姿も]
そんなに、死にたくないの。
[子供は、驚くでもなく、ぽつりと呟いた]
………死ななければ、終わらないのに。
[茶色いガラス玉の瞳が、少女の姿の人狼を映して瞬く**]
[その日の夜は眠れなかった。
ベッドに腰掛、さまざまなことが頭をめぐり疲れたように俯いている。
自室をノックする音]
誰だ?
[問いかける言葉に答えたのはよく知った妹分の声]
ナタリーか、適当にはいってくれ…。
[ベッドの上に座ったまま俯き、ナターリエの説明を聞いていた。
上の空、適当に返事を返し、
最後に心配する声をかけられた気がする。
適当に手を振りながら]
ちょっと疲れてるだけだ。休めば大丈夫だ。
ナタリーはまだ用事があるんだろう?
[こちらの言葉に頷き、部屋を後にするナターリエの姿を見送った]
[膠着していた場が動いた時ですら]
[彼に動きは無かった]
[床に膝を突いたまま、何事かをぶつぶつと呟いている]
[その呟きは極小過ぎて他には聞き取れなかったことだろうか]
[心の中で黒が渦巻く]
[負の感情]
[それが徐々に全身へと広がって行く]
[刺されたナターリエが倒れた後も、身動ぎ一つすることなく]
[本来の薬師としての行動を何一つ為さぬまま]
[ただその場に留まっていた]
[どれだけの時をそうしていたであろうか、ふと顔をあげる]
ああ、そういえばナタリーが…。
[何かいっていたなと思い出し]
ヨハナさんの部屋か…。
[目の下にクマを残しながら少しふらつく様子で向かう、
部屋につくころにはきっとベアトリーチェとナターリエの決着がついたころであろう]
[果たしてあがった悲鳴は、ベアトリーチェではなく、ナターリエのものだった。
気丈にも叫びはせず、呻くような声を吐き出すのみだったが、ぐらとよろめいた身体は傷の大きさを物語る。
ウェンデルの位置からは、少女が具体的に何をしたのかは見えないが。
その表情は微か、驚きを抱いているようにも思えた]
…随分、「お上手」ですね。
[ナターリエが油断していたとは思えない。
だからこそ、そう言葉を吐いた。
彼女の傷を心配する言は、今はない]
ナターリエ!
[何が起きたのかまでは見えなかった。
けれど、ナターリエとベアトリーチェの間で動きが有ったのは確かで。
そのうえ、ナターリエがふらついて、銀の粒子が散っていく様が翠玉に映ったから。
狭い部屋の中、駆け抜ける勢いでナターリエをベアトリーチェから引き剥がす。
宙に、紅の筋が二つ、舞った]
[ヨハナさんの部屋につくとまず聞こえたのがゲルダのナターリエを呼ぶ声で、
そのただならぬ様子から意識が自然とそちらに向く]
どうした?
[中に入ると見えたのはナターリエとベアトリーチェを引き離すゲルダの姿だった]
また、何があったっていうんだよ…。
ナターリエ、…ナターリエっ!
薬師さ――
[幾らゼルギウスを呼ぼうと、意味はない。
その直感が、手を動かすことに繋がった。
身に纏うエプロンを剥いで、ナターリエの傷口に押し当てる]
なんで、傷口…ふたつも!?
[床に伏せさせ押さえるも、両手それぞれで塞いだ場所が紅へと染まっていく]
ナタリー!
[構えていても介入する余地など無かった。
動こうとした時には既にナターリエの声が上がっていた]
ゼル…は無理か。
ゲルダ、手当て頼む!
[ベアトリーチェを半ば突き飛ばすようにして。その先には老婆の眠る寝台があっただろうか。
ゼルギウスを見るが、何か呟いているだけで動かず。
ナターリエを引き離したゲルダに、背中を向けたまま声をかけた]
今、何をしたんだ。
[鞘に入ったままの短剣を右手に握って、ゲルダとナターリエを庇うような位置に立つ。
ウェンデルの声が淡々と響いて。その意味は分からず眉を寄せた。
ベアトリーチェの説明――ナターリエは自分の鎌に、というのを聞いて、眉は更に寄った]
[ずぶり、と。すり抜けると思っていた刃が手応えを返すので、わたしは慌てて爪を戻した。]
[…やられた。ハッタリだ。]
人狼だけを傷つける武器じゃなかったのか?
[けれどナターリエはすぐに話せそうな様子でもなく。
少女の手元に残る紅。何か違和感を感じた]
マテウス。
[背後からの声。
けれど目の前の少女から目を離すことは今できない]
ナターリエが、ベアトリーチェのことを確かめようとした。
[それだけは事実。思惑も結果もどうあれ]
[真っ赤に染まった手を見ながら]
…嘘。
[わたしは本気で呆然としている。]
刺さらないって、だからわたし、だから…。
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