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[カルメンの肯定の返事に、鸚鵡は嬉しげにばさり、と羽ばたく]
「ロートスも、すきー。
でも、ユーリィは、すきなのに、きらいいうのー。
こまるー」
[ずれた視線を気にした様子もなく。
当人が聞いていたら、首絞め兼ねない事を、さらりと言った]
経験豊富だった方が良かったけどね、今にだけ関して言えば。
んっと…これからどんどん布使うと思うから、ありったけの布。シーツでもぼろ布でも何でもいいから。
それがあると助かる。
[ゼルに何かあるか、といわれれば思いつくことを頼み。]
うん、ありがと。
とりあえず今はこれで充分かな。
あ、でも赤ちゃんが産まれたら綺麗にしてあげなきゃいけないから、それ用のお湯を炊いておいてもらえると嬉しいな。
[ユリアンが湯桶を置いてくれたのを見れば、見上げて礼を言い。ついでまたお願いすることにごめんね、と謝りつつ首を傾げ]
……ぐ……う!
[痛みが、数を重ねるたびに治まるような気がする。
自分の中で生きてきた鼓動が段々と聞こえなくなっていく気がする。
それが無性に悲しい]
……生きて……いいんだよ……。
あなたが……産まれる事を……みんな……祝福してくれるんだか……ら……。
何も……気にしなくても……いいの……。
ただあなたは……力強く……この世で……泣いてくれれば……いいの……。
[優しく、優しく語りかける]
じゃあ、ここにいるです。
[ローザにうなずき、ロミルダは両手でしっかりと手を握り直す。
実のところ緊張感や慣れない臭いもあって、少しくらくらしてもいたが。
ゼルギウスにはこくりとうなずいて返事をした]
─台所─
[不意のロートスの羽ばたき。
擽られるような感覚に少し驚いた]
ローテュ、も、すき。
おそろいー。
……ぅ?
ユーラ、すき、なのに、きらい?
すき、なのに、きらい。
へん、なのー。
母親だから、ね。
男が絶対に敵わない所だな、そりゃ。
[そういいながら、ブリジットが腕に縋りつくのはさせるままにして]
「オレの母親もこうだったのかな」
[と心の中で考える]
僕も直接立ち会うのとか初めてなんだ。
知識として聞いたことがあるのとは大違いだね。
[気遣ってくれるローザに感謝して言う]
そうだね、産湯もないと。
よろしくユーリ。
[ゼルギウスの言葉には、きょとり、としつつ。
それでも、ここでできる事は限られているから、わかった、とだけ返して]
いんや、謝る必要なんてない、ない。
俺にできるのは、このくらいなんだしさ。
[首を傾げるローザに、笑顔を向ける]
あ、そっか、産湯用……か。
はい、りょーかい。今かけてる分、沸いたらそれ用に持ってくるよ。
[クロエにも頷いて。
ブリジットが我が子に語りかける声に、ほんの一瞬、瞳を翳らせた]
…太い紐、ねぇ……。
ロープとかか?
いっそタオルきつく捩って作った方が早いよーな?
[結局はその辺りに放置されていた裁縫道具で、数枚のタオルから器用に綱に似た物を作り、元居た部屋に戻る]
こんなん作ってみたけど…。
要るようなら、使って。
[誰にともなく、差し出した]
今はな…ま、ないものねだりをしても仕方ない
湯も用意されてるのか。じゃあ布な…
[とユリアンが湯を用意していたのを見た後。ローザに答えて、部屋から出ようとしたところで、様子が変わったブリジットを見て足を止める]
…おい…悲しさ苦痛。生まれてもいいことだらけとは限らないが、それでもいいこともある…だから来い
[それは母体への励ましではなく。生まれ来るものへの...なりの願い]
ああ、後でな。ちょっといっておかなきゃならないことが出来ちまったしな
[ここですぐ問いたださないロミやクロエやユリアンに頷き返す]
うん、ありがとう。
…でも、無理はしちゃだめだよ?
[ロミの返答には心から感謝を述べるが、この状況はロミに辛いものもあるのは解っていたから言葉をついで。
ハインリヒの言葉には苦笑を返した。自分は母という存在を知らないから。]
うん、本当に。
…クロエも無理はしないでね?
[自分が初めて立ち会った時は、むせかえる血と体液のにおいに倒れそうになったことを思い出して]
[ゼルギウスの言葉を聞いて、その様子に気にはなったけれどブリジットを放すわけにも行かず]
悪い、後で聞かせてもらうな。
[とだけ返して。
それでも自分に出来ることは、こうして手を貸すことくらいなのだけれど]
「おそろい、おそろい」
[楽しげに言うものの、驚いたようにも見えるカルメンの様子に、鸚鵡はこきゅり、と首を傾げ]
「うん、すきなのに、きらいなのー。
だから、うたわないのー。
ユーリィ、ヘンでしょー」
[なんか色々、あっさりばらしてます]
───。
[視界はこの痛みが始まってからずっと、よく見えなかった。
この世界が見えなかった。
代わりに見えていたのは───光。
自身の腹に溢れている光の集合体だった。
それが、少しずつ薄れていっているのが、ブリジットには見えていた。
より正確には、自分の子供だけではなく、近くにいる人物全てが光に見えていた。
これは生命の輝き。
生物が生きている魂の光。
人間とか、人狼とか、動物とかそういうのは全て関係なく生き物が持っている大事な心が光っているのだ]
?
ごめん、あたしには後で教えて。
[ゼルの言葉には何かがあったのだろうか、と思うもこの場を離れることは考えられず。
ユリアンの返答には、ありがとうと微笑み、ブリジットの声には、同じ思いを込めてブリジットの下腹部を撫で。]
…ぁ、ダーヴィッドさん。
ありがと、わざわざごめんね。
…こんなもん、かな。
[受け取ると、ベッドの桟に両手で持てるように引っ掛けて]
─台所─
[自分の反応に首を傾げるロートスが分からず、その理由を言うことは出来なくて。
お揃いと楽しげに言う声に笑みを浮かべた]
すき、なのに、きらい。
だから、うたわない。
きらい、だから、うたわない、は、わかる。
すき、なのに、きらい、わかんない。
うん、へんー。
[同意を求められると、うんうんと頷いて見せた]
[聞いたことをそのまま受け取り、そのまま話すカルメン。
彼女に知られたと言うことは、そのうち他にも伝わる可能性が高いと言うこと。
ふと思い出した時に口にすることが多いが、果たしてどうなる事やら]
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