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[それにしてもご主人の声が妙に弾んでいたから、もぞもぞと顔を出してみた。
……やっぱりちょっと寒くって、身を竦めてから、彼が向かう机の上、そこに置かれた紙を覗きこむ。
ちなみに左右で違う目の色はボクの自慢だ。ヒトの言葉は喋れないから、誰にも言ったことはないけどね]
へへ、見ろよオイゲン。完璧だろ。
[後ろから得意げな声がボクの名前を呼んだ。
難しい字が沢山あってよくわかんないけれど、かろうじてご主人の名前――Volker、と書かれているのは分かる。
いつもミミズがのたくっている、とかあまりよくないらしいことを言われてるご主人にしては、まあまあうまく書けてるんじゃないかな、たぶん]
―中庭・『世界樹の仔』傍―
[一度着替えをし、黒のスーツにスカート、ネクタイを締めると気も引き締まる気がしてくる。
着慣れたいつもの服になると、先ほどまでの落ち込みも余所へ、これからのことを思えば自然と気分も上向きに]
さぁ、行きましょうか、ヴィーくん。
[中庭に向かい、今度向かうのは先ほどの仮設スージとは違うイベント会場]
こんにちは、トリス導師、ディル導師。
[二人の近くにくると、丁寧に頭を下げてから]
今回はよろしくお願いしますね。
[微笑みかけてから、ディルスタン導師の顔を少しの間眺めて、すぐに視線をはずした]
皆さんも参加の予定で?
[すでにいた先客に、知らない人から見れば子供が背伸びしてるようなしゃべり口調と格好で話かけていた]
[新たに駆けてきた姿>>20にちら、と視線を向けたりしつつ]
……いや、まあ……ねーさん敵に回すのは……。
[ダブルの突っ込み>>27にうにゃ、と口ごもる。
保護当初は警戒心の塊で、脱走やらなんやらも試みた過去持ちとしては、逆らう事の怖さは身に染みていたりなんだり]
……はーい。
強硬手段は怖いんで、気ぃつけます。
[それだけに、脅しは効いた。とっても効いた]
────────
【参加申請書】
■氏名:フォルカー=エック Volker=Eck
■学科・学年:火炎学科1年
■種族:半獣人 年齢不詳(外見15歳程度)
■取得魔法:古代語魔法(勉強中)
■その他:学院の中庭の隅でのびているところを保護されたのが数ヵ月前。それ以前のことは名前以外あまり覚えていないが、当人はあまり気にしていない。
狼系の血が混じっているらしく、興奮すると獣耳や尾が出ることも。
媒体には手首につけた鈴を用いる。火力は強いがコントロールが苦手。
使い魔として金銀妖眼の黒蛇(オイゲン/Eugen)を連れている。人語は解すが話せない。
────────
今回ばかりは気合入れて書いたからな!
こんな面白そうなイベント、逃す手はねーもん。
[そういえばなんだっけ。ゲームがあるとか言ってたっけ。
付き合いはまだそんなに長くないけど一応ボクも“使い魔”ってやつだし、そうでなくてもご主人の目がきっときらきらしてるんだろうことは簡単にわかる。
いつもは隠してる耳とか尻尾もうっかり出てるかも]
うし、そうと決まったら提出だ提出!
待ってろよ、……あれどっちに出すんだっけ、とりあえず双子導師のどっちか!
[なんて勢いよく立ち上がって、部屋の外に飛び出していくご主人とは逆に、ボクは再び懐の中に引っ込んだ。
……だってほら、廊下走ったりしたら寮のおねえさんに怒られるんじゃないかなぁって**]
「おぅ、イレーネ」
『公演終わったんかー?』
[こちらへとやって来たイレーネ>>28にまず気付いたのはトリスタンとヒュレスト。ヒュレストはイレーネが何をして来たのかを知っているらしく、にひ、と笑いながら声を掛ける。トリスタンとディルスタン、ベルデザンカイトは何を意味するのか気付いていないようだが]
「”ご機嫌麗しゅう、イレーネ殿。
汝が真っ先に申請書を提出するとは思わなんだ。
こちらも皆が楽しめるよう、尽力しよう”」
[イレーネの挨拶に言葉を返すのはベルデザンカイト。ディルスタンはイレーネを見返した後、小さく頷きを返すに留めた]
あー、うん。
俺も、参加者だけど。
[投げかけられた問い>>28に、素直に頷いた。
ちなみに、他学科の事はよく知らないので、相手が導師とは思っていない。
他者に興味を持ち出したのがここ2、3年だから仕方ない、と言えばそうとも言うが]
やほほ、ベルデさんもこんにちは。
うん、前から気になってたんだー。
お祭りにゲームはつきものだよね。たのしいよね。楽しみだよね。
[担当先生の替わりに殆ど喋る、固い口調の鷲にも手を振り軽やかに挨拶する。楽しげに語る口調から、楽しみにしている様子は伺えるだろうか。
ひょこと周囲を見回して、先生と似た先生(ややこしい)は別方向で喋ってたりしているのはちらっと見えたり。
と、気をとられていたら、ふいにベルでザンカイトに指摘された杖の事に、一瞬動きが止まった。]
へ?あ、ううんいやいや、私はこれで十分だからっ。
[ぶんぶんと首を振って、両手で杖を握ってえへへと少しぎこちなく笑ってみせた。
担当導師の視線が少し刺さったが、ふるふるっと首を振って。]
ええと、うんでも、これでも前より魔法の成功率上がってるし。
前は10回に1回成功すればいいものが、今は8回に1回くらいにはなったんですから。
[本人にしては格段な進歩だったが、傍目からみれば危なっかしい事この上ないのが。そのうえ言っている事が杖を変えない事の理由にはなっていないが、そう言ってとりあえずは誤魔化してみた。]
[公演の言葉、ヒュレストの笑い声に一瞬固まってから]
ええ、大盛況の内に。
やるからには、ええ、しっかりと。
「そりゃもう、イレーネちゃんのらしさがしっかりでていて最高の公演やったで」
[やるからにはしっかりとやらないと気がすまない性格のこともあって、なおさら深みに嵌っているのは本人自身のせいだったかもしれない。
ヴィターもそれを知った上ではめており、ヒュレストと視線を合わせながら満足そうな様子でいた。
自分の方は、意味することに気づいてない様子の二人を見て内心で安心していたり]
それは、お世話になりましたディル導師達のイベントですから。
是非とも、私もと思いまして。
[ベルデザンカイトに言葉を返しながら、わずかな反応であれ、ディルスタンの動きを感じ取りうれしそうな笑顔を浮かべていた]
[>>34 わしわし、と撫でられると少しだけむぅ、とした表情が覗いたり。
嫌がっているわけではなく、子供扱いにむくれているだけなのだが]
あー、んじゃ、時間までちょっと他見てきます。
開始時間までに、戻ってくりゃいいんですよね?
[確かめるようにこう言うと、返事を聞くより先に祭りの中へと駆け出した**]
今回は、よろしくお願いします。
あ、私はイレーネといいます、あまり顔はあわせないので他学科の方でね。
[ユリアンの返答に笑いかけ、トリスタンに頭を撫でられる様子に懐かしさを感じたりしていた]
気をつけて。
[そう声をかけて、立ち去る様子の彼をそのまま見送った]
「せやろせやろ、今度もっとイレーネちゃんに大々的にやってもらうのもありかなと思ってるんや」
[心の中ではもう二度とやるものかと思いながら、
ヒュレストと同じく悪乗りをしているヴィターは放っておき]
たしかに、誰も参加しないイベントほど悲しいものはありませんしね。
私なら、ディル導師の力になれるのならいつでも…
[表情を和らげる様子にうつむき加減に、照れた様子になってからすぐに]
あ、もちろんトリス導師の力にならないというわけではないですよ。
[あわてたように取り繕う様子に、ヴィターがにやにやと楽しそうにしていた]
はーいっ。
そういやベルデさんも何かゲームに関係してるの?
って、そういやゲームって何するんだっけ?
[そういえばそこは告知されていなかったような。
きょとと、首をかしげて先生達を見上げてみたが。]
あはは…うーん、考えときます。
とりあえず、暫くはこのままで不自由してないし、大丈夫ですよー。
[小難しい顔した鷲と、表情変わらねど似たような雰囲気醸し出す先生に
少うし困ったように、それでも笑んだら苦笑したみたいになった。
何となく、見透かされているようで。少し視線が空に飛んでいった。
ああ、空が青いなぁとかどうでもいいことが頭を過ぎっていく。
空の色は向こうと同じなんだなぁ、とか余計な事までちらっと過ぎった。]
あ、始まるまで自由時間?だったら私もどっか見てくる!
おなかすいたし、何か買ってこよー。
[誰かが離れていくのを見て>>37、自分もとりあえず、やや誤魔化し誤魔化し逃げ気味に。
ひらりと身を翻し、祭りの中へとこちらも*走っていった。*]
『ええなぁ、そん時はワイも見物さして貰うでー』
[口調が似てるのもあってかヴィターとはノリが合うらしい。トリスタンがヒュレストを放置するのはいつものことであるため、会話はほとんど聞いて居なかったり]
「”そう言ってもらえるのは有り難い。
今回のこの盛況ぶりも、汝が一番に申請書を出してくれたお陰やもしれぬな”」
[鷲ながら笑う気配を漂わせ、ベルデザンカイトはイレーネ>>42へと頷いた。慌てて取り繕う理由には気付いているのか居ないのか。双子は気付いていないのは確かだ。ヒュレストはヴィターと一緒ににやにやしている]
「そこで俺の力にはならないとか言われたら俺泣くよ?
なーんつって。
でもディルの力になってくれるのは有り難いな。
俺もいつも一緒に居られる訳じゃないし。
こいつ身体もあんまり強くないしな」
[最初こそおどけた様子で居たトリスタンだが、後半は兄を案じる弟の一面を見せて。自分より一回りは小さい兄の肩をぽんと叩いた。肩を叩かれたディルスタンは、自分より体躯の良い弟を見上げる。向ける瞳には済まなそうな色が含んでいた]
「”関係するも何も、我はディルの使い魔。
ディルが主催するイベントに関わらぬはずが無かろう。
ゲーム内容については始まってから追って伝えることとなる。
それも楽しみにして居ると良い”」
[内容を告知して居ないのは、わざと。ベッティ>>43に返し、杖についての返答を聞くと、ベルデザンカイトは小さく溜息をついた]
「”きちんと考えておくことだ。
汝が目指すものをしっかりと捉えるにも、自分に合った発動体を手にすることは悪いことではない”」
[ベッティの想いを知ってか知らずか、ディルスタンの考えをベルデザンカイトが代弁する。他を見て来ると、誤魔化すようにしながら駆けて行く背中>>44には]
「”迷ったら『世界樹の仔』を目指すか、周りの者に道を聞くのだぞ”」
[と、迷う前提で言葉を投げかけておいた]
「次回があった時は、お二人さん含めてきちんと呼ばんとあかんなー」
[ノリも気もあう悪乗り竜が揃うと話題もからかう要素も尽きないらしく、ヒュレストとヴィターの二匹のにやにやもしばらくは収まりそうにはなかった]
そんな、私はたいしたことはしてませんよ。
お二人ほどまだ顔も名前も知られておりませんしね。
[二人に自分の思いの深いところまでは気づかれてない様子なのに、
安堵とため息の入り混じったわずかな吐息。
二人には落ち着くために深呼吸したようにしか見えないのだろうが]
トリス導師にも、この世界に来ていっぱいお世話になっておりますしね。
ディル導師の力に、トリス導師程の力もなにも今の私にはありませんが、いずれはそうできる日が……
あ、その、へ、変な意味ではないですよ。そんな大それたことなんて。
[おどけた様子のトリスタンの言葉に笑顔で返しながら、続いた言葉には頷きながら。
真剣に答えて、再度あわてた様子で取り繕う言葉、異界龍達のにやにや度は増していく一方だった。
ディルスタンとトリスタンの交わす感情のやり取りを見ていると、まだ自分はそこに遠いことを実感させられたような、そんな気分を覚えていた]
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