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もちろんだよ。そんな綺麗な声を、待ってる人がいないなんて有り得ない。
[エルザに微笑みかけながら、ワインのグラスを目の前に置く]
どうぞ。喉を潤してください、歌姫。
[イレーネがやってきていることには気づかず]
[エーリッヒにかばんを渡してやる]
まぁ、だいぶわかってはいるようなので、わざわざ自分から体調不良になりにいくとは思いませんけどね。
しばらくは。
[最後、ちょっと力がこもっていたかもしれない]
[左の手にトレイを移動させ、右手でノック]
……入るよ。
[返事の返る前に、がちゃりと扉を開けて]
[白い仔猫が空いた隙間から、中へと入り込む]
[少女はアベールに尋ねる]
人参、嫌い?
人参って、人に害を現すものなの?ジンロウみたいに。
[小首を傾げて質問。と言いつつ少女の目は赤ワインのボトルに釘づけなのだが]
……自分からは、な。
[鞄を受け取りつつ、小さく、小さく呟いて。
とりあえず、身体が冷えない内に、と着替えを取り出してごそごそと着替えを始める]
[エーリッヒの答えににっこりと微笑むと]
[しかしすぐに固まった様子に、思わず、耐え切れなくなってくすくすと笑い出す]
[トレイの上の食器が音をたてる]
…ちょ!あほかぁぁぁぁぁっ!!!
[まさか降りて来いと言って飛び降りてくるとは思わず、とっさに受け止めようと真下へ走り両手を伸ばす。]
[それまで、どこへ行っていたのか。
いつの間にか集会場から姿を消していた自衛団長はゆっくり、静かに、月の照らす雪道を歩いていた。
普段の温厚さは、陰を潜め。
月の光に照らされる横顔には、厳しい決意と……何故か、一欠けらの恐怖感らしきものが見て取れた]
……認めたくはないが、しかし……。
やらねば、なるまいて。
[毅然とした様子で、集会場へと急ぐ。
月が、雪の上にその影を黒く描き出していた]
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