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[さすがにイレーネが可哀想になったのか、自分の空の皿の端を拭って綺麗なカレーを少量注ぎなおすと、イレーネの皿と自分の皿を交換して、...はキッチンへとイレーネの皿を持っていった]
(ま、食べれるなら食べるだろうし、無理なら残して、綺麗なら誰か食べるだろう)
Wenn ich bete und ankomme.
Es ist einmal mehr dieser Boden.
Wenn ich auf Sie stosen will……Nur es.
Aber zum blauen Himmel……Ich bete.
[一通り、歌い終え、空を見上げる。
かかる月の煌めきに目を細めて]
……ん……誰か、いる?
[自衛団員の剣呑なそれとは違う気配に、きょとり、とそちらを振り返る]
[ポケットからぼろぼろになって、綴じ目が外れかけた手帳を取り出す。
もう、バンドなしには手帖の形をなさないそれをめくる。
白い紙がずいぶんと今日は、明るい。]
やぁだ。満月。
……リディだけでも、出してあげられるかしら。
[眉をひそめて自衛団を探す。
聞こえてくる歌は、耳に心地いいが、探しあてたい相手ではない。]
……はい。
[アマンダにぐりぐりとされ、くぐもった声で短く答える。
けれどクレメンスの遠い声が頭の中をクルクルと回っていて。
まだ暫く涙が止まりそうにありません]
Aber zum blauen Himmel......Ich bete.
だっけ?
[最後の部分だけが、僅かに重なる。
ひらひらと、緊張感なく、左手を振った]
やほー。
[真面目に考えている彼女の横を、金髪の男がすごい勢いで駆け戻っていく]
エーリッヒ、君……?
あんな子だったかしらー?
[楽しそうね。まあ、カレーはおいしいけれどもね。
と、一人納得してその背中を見守った。]
[エーリッヒの明るい声が響けば、ようやく顔をあげ]
おかえりなさい。
…あれ?
[目の前の皿の中身が変わっていた。
ミハエルが変えてくれたとは今はまだ知らず。
確かにあれも絶妙すぎたけれど、結局この素のままのカレーでは]
…頑張りなさい、って、こと…?
[じっ…と見つめて。
まだダメージからも立ち直り切れていないから、手は出ないまま]
辛くて熱かったんだい。
[バサバサと、額にかかる前髪を払う]
寒いのは嫌いだけれど、
夜の雪景色と、月と星のひかりは好き。
陽のひかりとは、違うよさがあるよね。
それに、よく見えるから。
そうね。でもそうならないように、お付きの人が皺一つなくベッドメイクをするんじゃないかと思うの。
[でもやっぱり大変よね。と笑い返し、多分そのおかげでクレメンスの話は聞かなかったようで。
急いだ様子で広間に入ってきたエーリッヒに]
お帰りなさい。
早くお食事を済ませて温まった方がいいと思うわ。
[でも、風邪を引いた様子はないので少しだけ安心して]
こんばんは、エーリッヒさん。
[なんだか物凄い勢いのエーリッヒにきょときょと瞬きながら。]
は、はい。カレー、です。
[勢いにおされながらも、今夜のメニュー合ってますよと肯定して。]
ああ、それでか。
[さっさと片付けた後戻らないから、どうしたのかと思っていたのだけれど。
その一言に、妙に納得して]
ん……確かに、雪景色は夜の方がいいな。
……って……良く見える、って、何が?
[キッチンで食べ残しのカレーを処理し、ふとイレーネが辛いのが苦手そうだったのを思い出す]
ふむ……。
[冷蔵庫を覗くと、蜂蜜にヨーグルトもあった(プリンの種ではない)]
あ、これを使うか。
[...は蜂蜜とヨーグルトを1:1で皿に盛ると、十分に混ざって玉にならないようにしてから、広間へと戻った]
もしカレーが辛いと感じる方がいるならこれを使ってください。
ヨーグルトと蜂蜜を併せたもので、量を調節しながらカレーに混ぜると辛味が和らぐ筈です。
[そう説明してから、テーブルの真ん中に置いた]
[暫く呆と皿を見つめていたが、拍手に我に返る。]
た、食べたよ。
ぼくがんばったよ!
[思わずサムズアップしてみたりと、大袈裟とも言える喜び様だ。]
ヒリヒリするから駄目なんだよ、辛いの。
刺激物は、駄目。
[はふ、][深々と溜息を吐き出した]
お残しだけはしないって、昔から決めているからなあ……。
[おかげで、悪戯混じりで出された食事も完食して、酷い目にあったことも一度や二度ではなかった気がするのだけれども。]
あー。
んーっと。
ほら。
星とか。
[人工の光を目が受けつけない、なんて言うわけにもいかず。
鮮明な視界に、訝るような幼馴染の姿を捉えて、苦笑を浮かべた]
―音楽室―
[開けると中に古いピアノ]
[懐かしいものだと思いながら、そこに足を踏み入れて]
いやぁ。
ひいてみましょうかねえ。
[――ここで注釈しよう!]
[この手がピアノを弾く時、人は倒れ、悲鳴をあげて、誰もが地獄を見るのだという]
[硝子は割れて、なだれがおきるとまで言う人もいるかもしれない]
[そう、つまり――壊滅的に下手なのだ]
[集会所に背を預け、木箱を立てかけながら、しばし、空を見上げ、流れてくる歌に耳を澄ませ、月を眺めた
歌や風景を眺めて感動を覚える性質ではなく、ただ心を無にするために委ねながら散歩をしていたが、ふと一つ、自衛団員とは別の気配を背中に感じ、声をかけられれば振り返ってアマンダを見て]
ああ、そんなところさ。
ところで、レディもこんな夜中に散歩かな?
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