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[とっさに部屋を飛び出す。
向かう先は、朱の痕を身に宿した少女の部屋]
……ベアトリーチェ、いるかっ!?
[いささか乱暴なノックと共に呼びかけるが、返事はなく。
開けるぞ、と声をかけて扉を開ける。
機械類の並ぶ室内に、その主の姿はなくて]
……どこへ……下か!?
[ばたん、と乱暴に扉を閉め下へ]
[階下に降り、居間を見回す。しかし、探す相手の姿はなく、苛立ちが募った]
どこに行ったんだよ…まさか、外か!?
[中にいない以上は、それ以外に考えられず。
止める者がいないのを幸いと、外へ飛び出した時]
……っ!!
[感じとったのは、獣のざわめきと、血の匂いと。
それが兆すのは]
……人が……死んだ……。
……くっ!
[走る。
気配を感じる方へ。
場所は、さほど遠くなかった。
集会場から僅かに離れた場所。
不自然に穿たれた、穴。そこに群がる、影]
……貴様らぁぁぁっ!
[絶叫。
影たちがこちらを振り返る。
奇妙な沈黙。
通常ならば襲いかかってきそうなものだが、何故か、獣たちは低い唸りを上げて散って行く]
……。
[それを見送り、穴の中を覗き込む。
……目に入ったのは、ある程度予測していたもの。
それも。予測をやや、越えた姿で]
……ベアトリーチェ……。
[白の上。
紅の華が、鮮やかにその花弁を開いて。
それを構築する真紅が血でなければ、それは、幽玄たる造形とも見えたかもしれない。
その華の中央に横たわるのが彼女である、と。
辛うじて認識できたのは、白と紅の中に金色が見え隠れしているが故だろうか。
気づくのが遅かったためか、華奢な身体は狼たちに食い破られ、真紅をあちこちに散らしている。
話に聞いただけで実際には見る事のなかった朱の痕が、紅の狭間に、僅か、見えた]
……くっ……。
[つきり、と。
蒼の花が、痛みを伝える。
これを見てもなお抗うのか。
そんな嘲笑が、聞こえた気がした]
うるせえ……俺は……俺はっ!。
[誰に向ければいいのかすら、わからない、叫び。
それが空へ消えると、上着から薬のケースだけを取り出して、少女の上にふわりとかけた]
……寒い、もんな。
ちょっと待ってろ……みんなに手、借りて……迎えに来るから……。
[小さく、小さく呟いて。
ゆっくりと踵を返し、*集会所へと*]
─エルザの部屋─
[冷たい体はベッドの中で温もっていた]
[寒いものは消えて満たされている]
[ベッドから起き出すと左指に巻かれた、湿ったままのシルクのハンカチを撫でた]
[陽の光が差し込む窓にくてんと額をくっつけて外を見つめる]
[離れた場所に集まっている黒い点々]
[そして赤い色を見つけた時、ブリジットの瞳孔が大きく見開かれた]
―二階・個室―
[何時からか、彼女は窓辺に佇んでいた。
瑠璃の眼は、無感情に死を見詰めていた]
[幼馴染みがソレに駆寄るのは見えはしたが、白に咲く朱い華に目を奪われて。薄紅色の唇には、笑みすら浮かぶか]
あなたのコエを、聴かせて。
死の、全てを、私に。
[語りかけるように囁いて]
[ランプに火を、*灯す*]
―二階・自室―
[誰かの叫ぶ声に目を覚ます。
と、同時にブリジットが飛び出していくのが見えて慌てて起き上がる]
ブリジット!何処に行くの!?
…あの声は…エーリッヒよね…
まさか…
[ブリジットの後を追うように部屋を出て、急いで声のするほうへ、と]
[途中足を雪にとられて転びそうになりながらもベアトリーチェの元へと走る走る、走る]
嫌…嫌……嫌ぁぁぁ!!!
[辿りついた時には影達は既に去って]
[似ても似つかぬ姿となったベアトリーチェの姿]
嫌…やぁ…やぁぁぁぁ!!!
[此方に向かってくるエーリッヒとは入れ違いになる形で、ベアトリーチェだったものへと駆け寄り、エーリッヒの上着ごと抱きかかえようとした]
陽のひかり…陽のひかり…
[嫌々をするように頭を振って髪を振り乱し、無残な体となったベアトリーチェに抱いて縋りついた]
[金の髪は朱が散り、獣の爪か牙でか、痛ましい]
ベアトリーチェ…!!!!やぁぁ…!!
―二階→一階―
[ブリジットが外に駆けていくのを見つけて後を追う]
[放心したようにこちらに向かうエーリッヒ。
その向こう…不自然に窪んだ雪の…その赤い…]
[それが何か、に気付いて]
ブリジット!見てはダメ!
[静止は間に合わず、ブリジットの悲鳴が響く]
[そこに居た…あったものは、人の残骸]
……ベアトリーチェ?
そんな……
[遠くに影…狼の。嘲笑うように]
[ゆっくりと、遺骸に縋るブリジットを抱き締める。
少しでも落ち着けばいい、と]
[エルザに後ろから抱きしめられるけれども]
[目の前の奪われたベアトリーチェを離そうとはせず、取り乱している]
ベアトリーチェ、ベアトリーチェ…!
―二階・個室―
[誰かの部屋の扉を叩く音]
[廊下を駆ける音]
[階下の扉が開かれる音]
[絶叫]
[悲鳴]
[次々に襲い来る音の波は眠りの淵から容赦なく意識を叩き出す]
……何…?
[体を起こして、部屋の扉を開いて]
[開かれた扉から流れ込んだのか。
鼻をついたのは――血液の]
[ほんの一瞬、意識がどこかへ飛んでいたらしい。
気づかなかった。すれ違う者たちと。
気づいて、止めるべきだったのに]
……。
[無言。唇を噛んで、しばし、立ち尽くす。
でも、今は、無力感を感じている場合ではないからと。
そう思うことで、楽な方へ、楽な方へ流れそうな自分自身を繋ぎ止めた]
なんてことなの…どうして…
[昨夜、話していたことがふと浮かぶ。
一緒に機械犬を連れて散歩に行こう、と。
そういっていた彼女はとても楽しそうで]
[なのに、今目の前にいるのは…]
どうして……
[白を染める赤。
雪に横たわる自衛団の姿がフラッシュバックする]
[――誰かが死んだ]
痛…っ!
[そう、脳が判断した瞬間。
左胸のその向こう、それの触れる場所から痛みが走る]
[一瞬で全身に広がった苦痛に耐える間もなく。
意識は闇の底へと*堕ちて往った*]
[ブリジットの頭は糸が切れたように垂れ]
[だが決してベアトリーチェを離さない]
アハハハハ…奪われた……うばわれた…
………アハハハ。
[わらったまま、*離さなかった*]
[笑いながら、歌うようにくり返すブリジットを揺するようにしながら声を掛ける]
ブリジット!しっかりして…
[傍に落ちる影でエーリッヒに気付いて、見上げるように]
[だけどブリジットは離さずに]
…エーリッヒ……ベアトリーチェが……
[それ以外、何も言えずに]
[集会場を振り返る。
そろそろ、他の皆も気づくだろうか……そんな事を考えつつ、エルザに向き直って]
……ああ。
痕が、教えて……見に来たら、こんな……。
[一度言葉を切り、小さくため息を]
……なんで、なんだろな。
『聖痕』を持つ者が邪魔なら、俺から喰らえばいいだろうに……!
[思わず口走った言葉は、いつかと同じ物と、自分では気づかずに]
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