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[目を閉じてからどれぐらいの時間が経っただろうか
トリナエスタに揺すられゆっくり目を開く
最初に目に入ったのは肩を揺するトリナエスタと彼女が小脇に抱えた戦艦ドレッドノート。もちろん粘土製。しかもかなりの大きさ且つ精巧な出来
それを見て、はぁと軽く溜め息を吐き]
……ほんと、無駄に凝るよね、トリナエスタは
[そう言って呆れながらも、彼女の頭を撫でてやる]
[暫しトリナエスタの金糸のような髪と少女特有の高めの体温を堪能していたが]
……そろそろ動こうか
……ん。分かってる。程々に、ね
[見上げてくるトリナエスタに軽く笑みそう返すと、ベッドから降り立ち]
そんじゃ、行こうか
[そう言って自室をあとにし、どこかへ向かって行った
なお、付き従うトリナエスタの小脇には抱え込まれたままのドレッドノート]
[自室に戻って、ぼんやりとこれまで起きた出来事についてまとめていく。
さっき思いついたミュウの幻術を使った殺害方法。
それをクローディアの殺害時にも当てはめていく。
……いくのだが、どうもしっくりと来ない。もし彼女の能力を使うのであれば、クローディアの死をもう少し隠蔽しておいた方が、警戒を与えずに仕事が出来る筈だ]
そうすると違うのか?
[ただ、シャロンの一件を見る限り、エドガーよりはミュウの方があっている]
まてよ?
互いに認識していない……のではなく、互いに認識した上で、こちらの混乱を誘ったのであれば?
[この論法が一番しっくりとくる。
エドガーは十二宮の損失をしたくないと言っていた。クローディアはそれに従わなければこうなるという、ただのパフォーマンスに使われたのではなかろうか?]
……一度、マイルズあたりに相談しとくか。
[一番、十二宮の中で信用を置いているメンバーの顔を思い出しながら、...は自室を後にした]
―自室―
[虚脱感が全身を覆う。一つの気配―おそらくはシャロンであろう―が消えた事は察知していたが。現状の自分では何もできないどころか足出纏いにしかならぬと判断。ふらつく身体を支えるように壁に手を付きながら自室へと戻り、そのままベッドへと倒れこんだ。]
ん……。
[目覚め。それでも未だ気怠さは残り、ゆるゆると身体を起こして。]
これだからなぁ……やんなっちゃうわ。
[苦笑しつつ、着崩れてしまった着物を脱ぎ去りバスルームへと。少し熱めの湯を張り、身体を沈める。湯の中、胸元の小さな蠍が蠢いたように揺らいだ。]
[湯上り、いつもの様に身支度を整え紅を引く。]
……さて、と。情報が足りなさ過ぎるし、こちらの情報も伝えておかなきゃ、ね……。
―→廊下―
[マイルズの部屋に向かう途中で、前方に何か気配を感じて僅かに身構えた。
だが、その気配が昨日シャロンの備考をお願いした相手であると気付き、すぐに戦闘態勢を解いた]
……姐さんか?
―自室―
[記憶は束の間過去へ飛ぶ。
まだ幼く生きていくのだけに精一杯だった頃。
ボスとなる人物との出会い。
ただ害となるばかりだった力の制御を学んだこと。
そして]
ああ、あの時も珍しく白羊のが表に出てきたんだっけネェ。
他の皆が混乱して、獅子のを手に掛けて。
[思い出す高揚感、口元が吊り上がる]
いや、何を言ってるんだか……。
[だが、その言葉の意味は十分に理解していた]
……大体、裏切り者の跋扈を防げていない時点で、俺等だって同罪ってもんだ。
だから、謝罪なんざ意味ねーってよ。
それより、さっきシャロンがやられた。
エドガーが自分で殺したって言ってんだが、そのおっさんの言だと、シャロンが裏切り者だったらしい。
[そう前置きして、先程の検死結果を疑問点を報告した]
この状況で会っても大丈夫そうなのは…。
[暴走は辛うじて止めている。
だがもしものことがあってもその影響を受けないであろう人物は]
白羊のか、ディーノだろうネェ。
天秤のボーヤと会う前に聞いておくか。
[ゆらりと立ち上がり、部屋を出る]
わかってるのだけど……それでも、ね。
[軽く肩を竦め]
……へぇ。シャロンが、裏切り者って……。
[聞かされる幾つもの疑問点を自分なりに頭の中で整理してゆく。]
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